2009-02-01 Zeit fuer Optimisten - Silbermond
■[ライトノベル]原点回帰ウォーカーズ

- 作者: 森田季節,深崎暮人
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/01
- メディア: 文庫
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http://d.hatena.ne.jp/homiya/20090108#1231422922
過去の未来書評。
ううん、予想は盛大に外れたなあ。
正確には、メタフィクションのループ構造だった。しかもフィクション内であることに登場人物が自覚的という。
確定的に明らかに死んでしまう章夫。十回にもわたるフィクション上のループを繰り返すことで、章夫の幼なじみであるアキラは章夫の死を回避しようとするが、果たして?
という話。
こっから考察。
原点回帰、はダブルミーニング。ループ開始時点への回帰+主人公たちの動機への解対。
フィクション内でフィクションを再演する、という意味について。
あれは要するに、虚構の登場人物である三奇人らが自分たちにとっての現実を再演し、戯画化することによって現実を虚構であると再認識・虚構に落とし込み、現行の現実を否定するという意味合いがあるのだけど。
「現実を虚構として否定すること」が「ループ構造の原点回帰」に繋がるのなら、
「章夫が偽物の動機を否定すること」が「章夫の動機の原点回帰」に繋がるという対比構造が見いだせる。
つまりここで、タイトルのダブルミーニングが生きてくるわけだ。タイトル自体が作品構造をそのまま表しているのは、素晴らしく美しい演出だと思う。
一度読み終えた後に俯瞰すると、後半部分だけなら幾らでも類型の見られる、普遍的でありきたりなテーマと構造なんだけど、そこにメタフィクショナルなループ構造を導入することでこんな感じのゲテモノが生まれた、というところだろうか。
いいぞラノベはこうでなくちゃいかん。もっとやれ。
脚本、美術、演出担当の三人を配置したのは「フィクション」を体現させるために不可欠な要素だったからなんだろうけど、主人公が詩人、というポジションなのがまだちょっと良く分からない。
あいうえあの世で一等賞、冒頭のあかさたな作文は、主人公の韜晦塗れの一人称から表出した、彼女の素直な感情の一切れなのかな、とか、実はこの作品は不条理メタフィクションループの皮を被っただけのポエミィでリリカルな少女小説が基本の軸なのだ! とか、テキトーほざいてみる。
更に更に飛躍して、脚本担当の「エンタメ作家」としてのフォロー役としてお文学で叙情的な詩人がいるのかも知らんね。脚本のヒトが主人公を気に入るのは、エンタメ作家としての自分の天性を自覚しつつも、そんな自分の限界や欠落を埋め得るものを主人公に見出したからかも分からん。
だめだ妄想の領域過ぎる。
ハッピーエンドを求めて何度でもトライし続ける女の子、はやはり良い-Sagittariusの備忘録
(略)「ビター・マイスィート」のように都市伝説的なホラー風味に味付けしようと本作のように永劫回帰の無限ループに囚われるSF的技巧をこらそうと、森田季節の本質は想う相手への少女の汲み尽くせぬ情念の深さに尽きる(略)
まあどれだけ構造や配置を読み解こうが、基本はここだけ。まさにまさにそれこそが森田季節の魅力であり、更に逆を言えば、そうした普遍的なモチーフを奇々怪々に味付ける技巧こそがこの作家を唯一無二たらしめる根幹かなとも思う。
- 30 http://d.hatena.ne.jp/iris6462/20090201/1233457111
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