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マラカスがもし喋ったら

2018-11-05

[]安田浩一「「右翼」の戦後史」講談社現代新書

「右翼」の戦後史 (講談社現代新書)

「右翼」の戦後史 (講談社現代新書)

プロレタリアートの前衛たる左翼に対して、右翼を「民族の触角」と表現したのは、民族派の重鎮として知られた野村秋介だった。時代への感受性と、危機に直面した際の順応性を、野村は火事場の半鐘に喩えた。

尻込みしない。素早く駆け付ける。人々の命を守るために自らが盾となる。必要とあらば、そのための暴力でさえ肯定した。人々の素朴な心情に寄り添うのが右翼だと説いた。

目次

序章 前史―日本右翼の源流

1932(昭和7).2.9

民政党井上準之助、駒井重次の応援演説

文京区駒本小学校、「昭和テロ」の幕開け。

当時20歳 小沼正

「農村の窮乏、社会の腐敗」への怒りから。

1929(昭和4)世界恐慌

井上日召 前橋→早稲田→満鉄→陸軍の諜報活動→法華経日蓮宗→田中智学(国柱会

「日本精神に生よ」(改造社

資本主義批判とともに左翼思想に対しても批判。

→天皇親政、「昭和維新

「一殺多生」

三菱財閥総帥、団琢磨←菱沼五郎

四元義隆

欧米→労働者階級を主軸とする社会主義革命

日本→右翼テロ(天皇の存在)

大洗海岸、磯浜、日蓮宗東光山護国寺

日本の右翼の源流=水戸学

日本初の右翼団体 福岡 玄洋社 頭山満

「大アジア主義」 海外部門「黒龍会

中江兆民 フランス帰り ルソー研究科

優先されるのは、人権か 国家か?

部分最適 全体最適

1917(大正6)年 ロシア革命

日本の支配層に大きな恐怖

→体制維持の先兵 支配層の暴力装置 争議弾圧

→1940 大政翼賛会に組み込まれる。

1925(大正14)治安維持法

神州不滅=水戸学

46年1月

「或種ノ政党、政治的結社、協会及其他団体ノ廃止ノ件」

350の右翼団体、4万9000人公職追放

 

第一章 消えゆく戦前右翼

「愛宕山事件」「松江騒擾事件」[明朗会事件]

ワシントンハイツ 少年野球チーム 「ジャニーズ」 ジョン・ヒロム・キタガワ

「大東塾事件」

 

第二章 反米から「親米・反共」へ

愛知 三ヶ根山 殉国七士廟

岸信介の揮毫

岸・児玉ライン "巣鴨仲間"

>>僧とかに相談する<<

東条ら7名 48(昭和23)年12月23日

絞首刑 巣鴨プリズン→横浜久保山火葬場

三文字正平 林免郎

東アジア反日武装戦線

「左翼の血盟団

福田素顕

右派=国家社会主義(ナチスも)

「皇道」→「防共」

48−50「赤狩り」「マッカーシズム」「レッドパージ

「防共新聞社」「防共挺身隊」

現在、右翼と言えば黒塗りの街宣車と、大音量で流される軍歌といったイメージが強いが、そうした街宣スタイルを確立させたのが、まさに「防共挺身隊」だった。

赤尾敏大日本愛国党

山口二矢 1960浅沼稲次郎社会党委員長暗殺事件

石原莞爾「都市解体、農工一体、簡素生活」

 

第三章 政治・暴力組織との融合

木村篤太郎「反共抜刀隊」

全国の博徒、テキヤ、愚連隊ほか約20万人

暴力装置としての即戦力。

「政・暴・右」のトライアングル

院外団「自由民主党同志会」

日本青年社

右翼は体制維持の「別働隊」として機能した

「室町将軍」政界フィクサー三浦義一 佐藤栄佐久の相談役

安岡正篤「昭和の黒幕」陽明学

「全愛会議」「時対協」

児玉誉士夫「アイク歓迎実行委員会」

三無事件 破防法適用第1号

怪僧池口恵観 鹿児島出身 鮫島正純

小泉純一郎の父 鮫島純也

中国・上海「児玉機関」

→「関東会」

 

第四章 新右翼の誕生

牛嶋徳太朗 アイドル養成講座

牧田吉明「ピース缶爆弾事件」

ジャスコ 反核防統一戦線 「新右翼」

一水会鈴木邦男 生長の家 谷口雅春

「早学連」→「日学同」

三島の激励文 森田必勝

維新政党・新風」魚谷哲央→鈴木 ネトウヨ

「全国学協」←「生学連」

実行委員長 井脇ノブ子

日本会議椛島有三・安東巌 長崎大学

椛島や安東らは他の保守系や(国際)勝共連合系の学生、体育会所属の右翼学生などとも手を組んで左翼潰しを図っていました。しかも彼らの背後にいたのは大学当局や警察です。自分たちが、いかにも、か弱い被害者であったかのようなことを言ってはいるが、実はもっとも権力に近い場所から、我々に攻撃を仕掛けてきたのが実情ですよ。」

「彼らは一貫して国家権力の側にいた人々です」

衛藤晟一百地章伊藤哲夫

70年11月25日三島事件

陸上自衛隊 市ヶ谷駐屯地

「聞け!聞け!静かにせい。静かにせい。話を聞け。男一匹が命をかけて諸君に訴えているんだぞ。いいか。それがだ、今、日本人がだ、ここでもって立ち上がらなければ、自衛隊が立ち上がらなきゃ、憲法改正ってものはないんだよ。諸君は永久にだね、ただアメリカの軍隊になってしまうんだぞ!」

だが、それに呼応する自衛隊員はいなかった。

72「一水会」「月に1回、第一水曜日に勉強会」

「対米自立」「安保破棄」

千歳基地ストリッパー 防衛庁 正門突破

レコンキスタ

野村秋介

石原慎太郎 新井将敬

「北朝鮮から帰化」というステッカー

 

第五章 宗教右派の台頭と日本会議の躍進

岡山県奈義町 明治憲法の復原を決議

岡山は生長の家が強い

「堕胎」

椛島有三「日本青年協議会日青協)」

1976 三木武夫 憲法記念大会

→自民党本部で 反対に改憲集会

日青協と自民党タカ派による造反劇

「日本を守る会」朝比奈宗源

富岡八幡宮 富岡盛彦

「日本を守る会」設立当初の役員は、生長の家や富岡八幡宮だけでなく、明治神宮浅草寺、佛所語念会、世界真光文明教団修養団モラロジー研究所など、いずれも宗教団体の代表者たちであった。いわば宗教界右派の大同団結である。

「戦後の弊風を一掃して倫理国家の再建」

戦後民主主義へのバックラッシュ

「元号法制化運動」

生長の家と神社本庁がツートップ

草の根運動のノウハウ

「日本を守る会」+「日本を守る国民会議」=「日本会議」97(平成9)

97「新しい歴史教科書をつくる会

村上正邦

「見落とされがちだが、重要な動機がある。公明党・創価学会の政権参加が、宗教者の危機感をあおり、統合を後押ししたというのである」

>>オウム真理教事件の危機感も。権力にすり寄る。<<

櫻井よしこ 浅野一郎 中西輝政 西修 堺屋太一 津川雅彦 田久保忠衛 三好達 青山繁晴 葛西敬之 百田尚樹

会員数約4万人 47都道府県本部 243の支部

日本会議国会議員懇談会」280名

17年5月の集会 安倍首相 改憲スケジュール2020

国旗国歌法 外国人地方参政権反対運動

教育基本法改正 首相の靖国神社参拝

06年 第一次安倍 教育基本法改正

学校教育の目標に、「豊かな情操と道徳心」、「公共の精神」、「伝統と文化を尊重」が明記。

つくる会藤岡信勝西尾幹二小林よしのり高橋史朗

日本書籍 編集者「すさまじかったですよ。あらゆる非難を受けました。」

従軍慰安婦問題

→実際に採択が減った。

03年倒産

いまではほとんどの教科書が慰安婦問題には触れていません。

「自虐史観」という言葉。

分裂。「日本教育再生機構育鵬社

現在 22都府県 約600校。

ネトウヨ企業 「フジ住宅」

高橋史朗「親学」

日本会議、神道政治連盟(神政連)、車の両輪

「本来、神社はイデオロギーとは無縁の場所にあるはず。神社本庁や神政連は結局、改憲運動などを通して権力による支配の道具に成り下がってしまったと思うのです。彼らの言う『伝統』にしても、要するに戦前回帰、大日本帝国のことですからね。伝統を口にするのであれば、神社を本来あるべき祈りの場に戻すべきです」

 

第六章 ネット右翼の跋扈

国際的な基準で言えば「極右」

JCは<一言で言うとバカ>

宇予くん

<中国、韓国は自分たちを棚に上げて、日本だけに文句を言って来てるど。一言で言うとバカだど(中略)日本はこのバカ二国と国交断絶、もしくはミサイル爆撃したほうがいいど。><反日洗脳偏向報道機関のNHKだど。><ガイキチ朝日新聞。>

プロフィール欄<保守思想、趣味は筋トレ、好物は肉>

公益社団法人「日本青年会議所」(日本JC)

JCの憲法改正推進委員会

アカウント消去、ウェブサイトでお詫び。

JC=2代目、3代目の経営者や役員。

「今世紀に入ったあたりから、自民党に近いJC幹部らによって、改憲に向けた世論づくりが議論されるようになった」

「自らが自民党と一心同体であることを隠さなくなった。」

私は、これこそがいま、もっともポピュラーな右翼の姿だと思っている。嘲笑と冷笑、そしてヘイトスピーチ。差別と偏見をむき出しに「敵」を次々と発見しては、個別に撃破していく。ネット出自の日本版「極右」は、各所で今日も暴れまくっている。

国政選挙最終日の秋葉原

日の丸の小旗

ネット

「匿名」ということ。

「反日」「国賊」「売国奴」「非国民」

06年末「在特会

500→1万5000人

2ちゃんねる

年代や職業もさまざま。

「ネットで真実を知った」

陰謀論フェイクニュース

「日本を支配しているのは在日」

09年12月 京都朝鮮第一初級学校に押しかける

「朝鮮学校を日本から叩き出せ」「キムチ臭い」「スパイの子」

桜井誠(本名=高田誠)福岡出身 非正規雇用

日本文化チャンネル桜

12年 李明博 竹島上陸

「カウンター」

16年 国会「ヘイトスピーチ解消法」

自民党も「何らかの法的整備が必要」

桜井 日本第一党 16年 東京都知事選 11万票

右翼の主体は気分に乗せられた一般人

18年2月23日朝鮮総連銃撃事件

外国人を「ウジ、ゴキブリ」とブログに書き込む神社の宮司が書いた本に、推薦の言葉を寄せたのは安倍晋三首相だった。

高江ヘリパッド メインゲート前

「花瑛塾」仲村之菊(38歳)沖縄に常駐

「民族派を自称するのであれば、他国の軍隊が日本に居座っている状態に異を唱えて当然です。」

木川智(33歳)現在約30人

「愛国者」を自称しながら、しかし、あまりに不平等な日米地位協定を無条件に受け入れているのは、矛盾も甚だしい。

「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が売国奴とののしられた世の中を、私は経験してきた」三笠宮崇仁親王

右翼は国家権力の手足として振る舞うだけでよいのか。そんな思いを抱えながら本書を書き上げた。マイノリティを威嚇するだけの右翼など、あまりに惨めではないか。不公平、不平等への涙から生まれたはずの右翼が、日本社会を、地域を、人の営みを壊しているような現状が残念でならない。

11/19読了。




 

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