『魔法少女隊アルス(4)』 映像特典:中山大輔インタビュー

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魔法少女隊アルスのスタッフでもっとも興味があったのは、キャラクターや美術のデザインを担当した中山大輔さん。google:中山大輔 アルスあたりでググってみても今だ謎に包まれたままの中山大輔さんの取材映像がDVD4巻に収録されるとDVD3巻の予告で見て楽しみにしていた。
通常のアニメ作品ではキャラクターと美術のデザイナーは別の人が担当することが多いし、また両方こなせる人自体多くないだろう。しかしこの作品では中山大輔さん一人でキャラクターと美術の両方を担当し、他の作品にはないキャラクターと世界との一体感を生み出している。アニメ作品のメインデザイナーとしては恐らくデビュー作にもかかわらず、いきなりこれだけのクオリティと作業量である。すっかりファンになって、次回担当作などもすでに気になるところ。テロップに出た中山さんのプロフィールは以下の通り。
DATA:1974年1月1日生まれ。STUDIO4℃所属 印刷工、バイク運送業等を経て「天才ビットくん」アートディレクター、他
インタビュー冒頭では、キャラクターオーディションあたりでなんとなく声がかかって作品に関わるようになったときの話。「アルスは最初不良だったんですよ」とのコメントとともに、雨宮慶太さんによる初期企画書段階の主要キャラ原画(アルス、エバ、シーラ)が出てくる。うむ、確かに不良っぽい。魔法少女隊というよりは無法愚連隊って感じ。エバとかかなりヤバイ。逆に中山さんが描いたデザイン画を見るとキャラクターはちょっとコミカル寄りなので、うまいこと中和されて今のキャラクターになったのかなと想像。
「ドラゴンハウス リビングイメージ」デザイン画が出た後、2003年11月7日の初回アクレコの模様を写した映像が出て、魔法少女隊3人組の小島幸子さん、桑島法子さん、広橋涼さんが登場。結局1、2、3巻に続いて今回も中の人が出演したことになる。
なかなか決まらなかったキャラクターの性格を固めるあたって、決着をつけたのは声優のキャスティングだったそうで、小島さんの元気な感じとか、桑島さんのおしとやかな感じはアニメのキャラクターに反映されているとのコメント。そこで一旦カットが変わって中山さんの映像に切り替わった後に再びアクレコ中でセリフをしゃべってる広橋さんの映像に戻り、ちょっと特別扱いというかオチ担当みたいな流れで「広橋(広橋涼)さんはもう、なんかオーディションでドア入ってきたときに(エバの性格は)結構決まっちゃったかなという気はしてましたけどね」と笑いながら答えていた中山さん。漫画など別メディアでの原作がないアニメの場合は特に、声優さんがキャラクターに与える影響というのは結構あるんだなーと、カレイドスターでの佐藤順一監督の話などをすごラジで聞いた後だったので重ねて思ったのだった。
雨宮さんの思い入れが強かったグランドマスター、特徴がなくて描きにくいアテリアの設定話に続いて、仕事現場の映像。席は窓際で芦野芳晴監督と背中合わせ。「勉強好きなお婆さんの魔女」というキャラのデザイン画をさらさらと鉛筆で描いていく中山さん。出来上がったデザイン画を振り返って監督に手渡し、絵を見ながら4つ足にしたり、しっぽをつけたり、新たなアイデアを付け加えながらあっという間に一つのキャラが決定して、次のコンテ班に渡されていった。
memo:キャラの配置には気を使っている。キャラ単体で一番時間がかかったのはアルス。ウラ設定を作っておく。
巻末では「変なものはいっぱい詰め込んでるつもりなので、変なものに気付いていただけるといいかなと思ってます」とのメッセージ。インタビュー映像の時間は約11分半だった。
とにかく膨大な設定がありそうなので設定画集あたりの印刷物刊行を熱望。最後にDVDジャケット画像を貼っておきたいところだけど、2巻以降の画像がなかなか追加されない。しかたがないので寺嶋民哉さんによるサウンドトラックの画像を貼っておくことにした。このCDのジャケット絵を描いたのも中山さんかしらんと気になったがネットでは調べ切れなかった。
memo:このDVDシリーズには何故か日本語字幕がついているという仕様に、4巻目にして初めて気付いた。日本語字幕だけが付いている作品というのはあまり記憶にない。
魔法少女隊アルス オリジナル・サウンドトラック