2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

濁世

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 残り物の山からどんな福を拾いあげて濁世に這い出てきたかと言うと 【濁世】じょくせ/だくせ/だくせい ・仏教で、濁り汚れた世の中。末世(まっせ) ・政治や道徳の乱れた世界。だくせい+

爛熟

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 爛熟して腐れ落ちた科学文明が脚を生やして 【爛熟】らんじゅく ・果実がくずれそうなほど熟しきっていること ・物事が発達しきって、衰えの兆しさえ含んでいる状態。「―期」

牽強付会

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 そして、捨鳥がくりひろげる牽強付会の推理よりも、たいていは 【牽強付会】けんきょうふかい 道理に合わないことを、自分に都合よく無理にこじつけること。「―の説」 「愛国主義者だったというわけ…

晦渋

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 はったりまかせの晦渋な本になど生涯見向きもしなかったようで 【晦渋】かいじゅう 言葉や文章が難しく意味がわかりにくいこと、さま。難解。「―な文」

富農

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 荒物屋だのにまで手を広げた、商魂たくましい富農だった 【富農】ふのう 経済的に豊かな農家

一敗地に塗れる

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 百戦百勝と謳われた私が、何故一敗地に塗れたのかをつらつら省みるに 【一敗地に塗れる】いっぱいちにまみれる 史記から、二度と立ち上がれないほど大敗する

時宜

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 ところで、時宜を失わぬうちにここらで断っておこう 【時宜】じぎ ・時がちょうどよいこと。「―にかなった提案」 ・時にかなった挨拶。時儀

嚢中の錐

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 すぐさま身元が判明した。まさに嚢中の錐 【嚢中の錐】のうちゅうのきり 「史記」から。袋の中の錐は外に突き出ることから、優れた人は大勢にまぎれていてもその才能が自然と外に現れて目立つこと。…

宿痾

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 しゃっくりはいよいよ宿痾として確乎たる足場を固めつつあった 【宿痾】しゅくあ 長年治らない病気。持病。痼疾。宿疾(しゅくしつ)。宿病(しゅくびょう)

令名

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 なんといっても、ミキは令名を馳せた女流画家だった 【令名】れいめい よい評判。名声。令聞。「―が高い」

架橋

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 ユーモアこそが知識人と大衆とを架橋するものである 【架橋】かきょう 橋をかけること。またその橋。「―工事」AAA

不帰の客となる

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 二人して不帰の客となった今、墓石の胸ぐらをつかんで揺すって 【不帰の客となる】ふきのきゃく 二度と帰らぬ人となる。死ぬ

教条主義

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 教条主義な学校の勉強でつまずいてもそれはむしろ才能の証であると 【教条主義】きょうじょうしゅぎ 状況や現実を無視して、ある特定の原理・原則に固執する応用の利かない考え方や態度。特にマルク…

正邪

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 正邪の区別などいっさい持たない、怒りに駆られた、幾層倍も残酷な追手を 【正邪】せいじゃ 正しいこと、よこしまなこと。善と悪+

痼疾

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 謎の痼疾によって陽の当たる表通りより追われた彼は 【痼疾】こしつ 容易に治らないで長い間悩まされている病気。持病

小利

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 小利に聡い豪農の域を一歩も出ない深井家の次男坊と 【小利】しょうり わずかな利益

蝸角の争い

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 幻書の蒐集という蝸角の争いに明け暮れていたのだ 【蝸角の争い】かかくのあらそい 小さな者同士の争い。つまらぬことにこだわった争い。蝸牛角上(かぎゅうかくじょう)の争い

大人(たいじん)

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 長女、多賀を嫁にもらったほどの大人(たいじん)なのだ 【大人】たいじん ・体が大きい人。巨人 ・一人前の人間。おとな ・徳の高い立派な人。度量のある人。大人物 ・地位、身分が高い人 ・父や師…

赫々

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 ナチズム生誕の地で、赫々とナチズムを称えながら 【赫々】かくかく/かっかく ・赤々と照り輝くさま ・功名・評判などが立派で目立つさま

拙訳

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 拙訳をもってほかの著作の表題を紹介すれば 【拙訳】せつやく へたな翻訳、訳文。また、自分の翻訳をへりくだっていう語

病臥

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 そして青白く病臥したしどけない妻の姿態にいつになく 【病臥】びょうが 病気で床につくこと

浩瀚

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 広辞苑と並んでもなんら見劣りしない浩瀚極まるこの書物は 【浩瀚】こうかん ・書物の多くあるさま。「―な蔵書」 ・書物の巻数やページ数の多いさま「―な書物」

書痴

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 あれは書痴業界にあってもなお日陰者の歴史を辿らされてきたのだろう 【書痴】しょち ・読書ばかりして、世の中のことに疎い人 ・書物の収集に熱中している人。ビブリオマニア

八方破れ

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 こんな八方破れの私も親の端くれと見えて、時おり君に 【八方破れ】はっぽうやぶれ 備えがなく、いたるところすきだからであること 「―ではあるがためらいのないナイフさばき(夜の淵をひと廻り)」

房事

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 ページをからめて房事にも励もうし、果ては跡継ぎをもこしらえる 【房事】ぼうじ 閨房での行為。性交

異能

クチュクチュバーン 著 吉村萬壱2002年8月発行 人間たちの中には尋常ではない異能を持った者がいるらしい 【異能】いのう 人より優れた才能。一風変わった独特な能力。異才 「だが私の―は、こうした難題を解き明かすために(夜の淵をひと廻り)」 「伯爵の―…

立坑/縦坑/竪坑

クチュクチュバーン 著 吉村萬壱2002年8月発行 直径二十メートルほどの水の縦坑を発見している 【立坑/縦坑/竪坑】たてこう 垂直に掘り下げた坑道。運搬路や通気に用いる

稟議

人生相談。 著 真梨幸子2014年4月発行 でも、俺、がんばって、前借りの稟議を通したんだよ。経理部長に直談判して 【稟議】りんぎ/ひんぎ 会社・官庁などで、会議を開催する手数を省くため、係の者が案を作成し、関係者に回し、承認を求めること。「―書」 「…

逍遥

華岡青洲の妻 著 有吉佐和子1967年発行 小女に手を曳かれて平山の野道を逍遥するときは 【逍遥】しょうよう 気ままにあちこち歩き回ること。そぞろ歩き。散歩 「―できるほどの広さもありません(ピカルディの薔薇)」

騰貴

華岡青洲の妻 著 有吉佐和子1967年発行 銀一匁で三合半の米しか手に入らないという物価騰貴ばかりが原因ではない 【騰貴】とうき 物価や相場があがること。「円が―する」