次代への名言 時代の変革者篇

次代への名言 時代の変革者篇

江戸時代、朱子学は君臣関係の絶対性をうたう大義名分論の本家として、官学に位置づけられた。しかしながら、朱子学の本質は「性即理」や「未発と已発」「格物致知」などといったことばを使って人間や宇宙というものをきわめることにある。
朱子学は、高度に思索的な学問なのだ。ために日本の儒者のなかにも「理を言う事はよくてもわが国の風土に合わぬ事多し」(熊沢蕃山)という声があった。
中国でも異を唱える後生が現れた。
勇武の思想家・王陽明である。(p229)