ビッグ・ファット・キャットとマスタード・パイ

Big Fat Cat and The Mustard Pie (BFC BOOKS)


童話物語の人が綴る、でぶ猫とパイ屋の青年のお話。の2冊目。
BFC(ビッグファットキャット)シリーズの第1弾ともこの本は呼ばれているようですが、前作の「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」からお話はしっかりと続いていますので、私はこいつを続編と見なします。まあ、前作では3ページほどしかお話の分量はありませんでしたのでスルーしても大丈夫そうですが、あれは無視したらいけねぇぜ…クオリティ的に。
というわけで本日はコチラ、「Big Fat Cat and The MUSTARD PIE」よりお送りいたします。
あ、これ、いちおう英語の本です。お話は全部英語で後半に解説付き。日本人の読者向けの英文物語ですね。
ほとんど教科書だった前作から英文のお話がだいぶ増えまして、絵本のような感じになっていました。難しさもほんとに絵本ぐらいでそんなに長いお話でもなく、とても気軽に読めます。イラストもいっぱいで良い味出しています。これでお値段900円。…少し高いな。
さて、短いとはいえ中身は何とも立派な物語の文章。例えば参考書に載っている一行程度の英文は、恐ろしくつまらない代わりに一行で内容が理解できるように作られていることが多いですよね。逆に物語の文章は、前後の繋がりを理解していないと訳したところで意味の分からない一行に出会うことがとてもよくあります。なので絵本だからって油断するんじゃないわよ!表現力を文章に持たせると、簡単に見えても理解は結構大変です。
あとはgrin(にやりと笑う)とかfrown(しかめつらをする)とか、TOEICなんかじゃあまり重要じゃありませんが小説を読むと死ぬほど出てくる単語とかがやっぱりありまして、英単語の出現傾向の違いなんかも参考書で補うには大変な部分とかってあります。ですのでこの本に出てくる英文、見慣れぬ単語、全てにおいて無駄はなく、いつか洋書を読めるようにと夢を持っている人(俺)とかには初心者の頃用にマッチした本となっているんじゃないでしょうか。折れない心と電子辞書だけを片手に洋書に特攻するのもいいですが、短いお話で物語本来の面白さと言うものを実感しながら慣れていくのも悪くありません。これでお値段900円。…少し高いな。
そうそう、お話の内容ですが、前作の一悶着の後にお店に住む事になったでぶ猫ちゃん。ふてぶてしい態度で今日も元気にお店のパイを盗んでいますが、この猫がでぶでぶで歩き回っているだけでなんと可愛らしい事か!前作の3ページのお話の威力が、でぶも悪戯も幸せの象徴へと見る目を変えてしまいます。
そしてそんな悩ましげでなパイ屋の青年に、突然試練が!なんとお店を出て行かなくてはならなくなったのです!まあどうしましょう、まさにお話は起承転結の「起」の部分、これから大変な事が始まりそうだというところでこの本は終了!
(;゚Д゚)  エェーッ!!!
始まったばかりでそこで切るのか!主人公がどん底に落ちたところで見捨てたら後味悪すぎるだろう!えげつない手段で3冊目へと繋げやがって…。ち、ちくしょう、でもボク負けない!そんな作者のいじめにも負けない!だってもう次の巻は確保してあるからボクは平気さ!