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2014-06-12

14.6.13(金)「君にも見えるガイブンの星」アン・ビーティ特集のレジュメ公開!

 既報のとおり、明日6月13日(金)は、作家アン・ビーティを大特集したイベントを開催します。ゲストの作家山内マリコさんとともに、倉本さおり、杉江松恋の二人が、この大作家とそこから派生するさまざまな小説の話題について語りつくしますよ!

 そこで本日は、明日のイベントで使用されるレジュメを先行公開いたします。アン・ビーティとはいったいどういう作家なのか。そして、ビーティが代表するミニマリズム作家、1980年代の女性作家にはどういう作品があったのか。そうしたブックガイドにもなる内容だと思います。

 どうぞご覧ください。


「君にも見えるガイブンの星」イベント紹介はこちら。


アン・ビーティ大好き!


2014年6 月13日

於:新宿Live Wire Cafe


SIDE1:

杉江松恋が見たアン・ビーティの魅力】

 小説を読むときはいつも、作者がどのように世界の中に招き入れてくれるのか、と楽しみにしてページを開きます。ビーティ作品を読んで驚かされたのは、いつもすでにパーティが始まっている、ということ。読者はなんの前置きもなく、いきなり世界の中心に立たされます。ビーティはそこにいる人々の関係を細かく説明しようとはしません。しかし、交わされる会話を聞いているうちに自ずとそれが見えてくるのです。室温で置かれたバターが溶けていくように。「世界に身を置くこと」の愉悦を私はビーティ作品から感じます。

 もう一つ感じるのは、人間が視覚にとらわれた存在だと強く意識させる小説だということです。登場人物たちの心の中に起きているさざめきを、ビーティは彼らの視線の動きによって表現しようとします。何かを見ると、何かが思い起こされるのです。そうした形で綴られた小説は、とても明確な輪郭を持っており、強い印象を私の中に残してくれます。


杉江松恋が考える、アン・ビーティを物語る3つのポイント】

●離婚、あるいは友達に戻った恋愛関係

●場所、特に家が喚起するもの

●壊れやすいもの、の小説


杉江松恋お薦め。アン・ビーティから派生する必読書3冊】

ミニマリズムの作家たち編〜


『愛について語るときに我々の語ること』レイモンド・カーヴァー中央公論新社村上春樹訳/1980年)

『ファミリー・ダンシング』デイヴィッド・レーヴィット(河出書房新社/井上一馬訳/1984年)

『バック・イン・ザ・ワールド』トバイアス・ウルフ(中央公論社/飛田茂雄訳/1985年)


杉江松恋から山内マリコさんへの質問】

 2013年12月に発表された『アズミ・ハルコは行方不明』(幻冬舎)を読んだとき、ガツンと頭をやられる感覚を味わいました。これは中年男の加齢臭に侵食されることを拒む女性が、「男たちが絶対所持していない武器」だけを見付け出して反撃する小説だと思って、こういう風にポップな書き方ができるのかと思ったのです。『この世界の女たち』で特に印象的だと私が感じた作品は、「言い返さない女性」が主人公のものが多かったように思います。主人公は男たちを前にして強い態度をとることができないのですが、その胸のうちには「でも、そうやって言いなりになるのは嫌だし、駄目なのに」という思いがある。そうした不穏な状況を描いた作品として表題作などを読みました。「おんなのこたちのたたかい」を書いた山内さんが、そうした作品群をどう読まれたかが私はとても気になっています。


SIDEB:

【倉本さおりが見たアン・ビーティの魅力】

「孤独」にはいろんな顔があります。たとえば、ビーティの描くそれらの表情は「困惑」と「諦め」ではないでしょうか。

 自由と孤独は紙一重、とはよくいったもので、ルールを手放すということは、それまで他人同士をつなぎあわせていた理解の糸口をすくなからず失うことをも意味します。カウンター・カルチャーに大きく揺さぶられた時代を経て、既存の価値基準や社会規範から自由になった人びと――とりわけ80年代の女性たちは、同等か、それ以上の孤独も引き受けなければならなかったことでしょう。ビーティ作品の登場人物の多くは、複数の離婚を経験していたり、家族との隔絶を味わっています。その祖母や母親にあたる世代から見れば、自分たちの人生から大きく外れた彼女たちの生き方は理解を超えたものとして映ったはず。けれど彼女たちにしてみれば、もはや母親と同じように生きることはできない。望むと望まざるにかかわらず、時代が動いてしまっているからです。

 誰とも確かなつながりのないまま、身ひとつで途方に暮れる人びと。その先にある妥協や諦念をけっして見逃さず、ただ静かに寄り添ってやる。いうなれば、ビーティなりの「ささやかだけれど、役に立つこと」がそこに息づいているような気がします。


【倉本さおりが考える、アン・ビーティを物語る3つのポイント】

●女性同士、とくに母娘の関係

●おいしそうなのに食べたくならない料理の数々

●犬の小説


【倉本さおりお薦め。アン・ビーティから派生する必読書3冊】

〜同時代(80年代)に紹介された女性作家編〜


『ファスト・レーンズ』ジェイン・アン・フィリップス(白水社/篠目清美訳/1989年)

『ボビー・アン・メイソン短篇集 上・下』ボビー・アン・メイソン(彩流社/亀井よし子訳/1989年)

『セルフ・ヘルプ』ローリー・ムーア(白水社/干刈あがた・斎藤英治訳/1989年)


【倉本さおりから山内マリコさんへの質問】

ちょうどひとまわり下の世代(80年生まれ)の作家として、80年代という時代に対してどんなイメージや思いを抱いているか。(テレビドラマや映画、ポップカルチャーのイメージ、日本の80年代作家との比較、自分たちの世代との違いなどなど)


セルフ・ヘルプ (白水Uブックス)

セルフ・ヘルプ (白水Uブックス)

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)

アズミ・ハルコは行方不明

アズミ・ハルコは行方不明


[日時] 2014年6月13日(金) 開場・19:00 開始・19:30


[会場] Live Wire Cafe(Biri-Biri酒場改め)

     東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (Googleマップ

    ・都営新宿線「新宿3丁目」駅 C6〜8出口から徒歩5分

    ・丸ノ内線・副都心線「新宿3丁目」駅 B2出口から徒歩8分

    ・JR線「新宿」駅 東口から徒歩12分


[料金] 1000円 (当日券200円up)



※領収書をご希望の方は、オプションの「領収書」の項目を「発行する」に変更してお申し込みください。当日会場で発行いたします。


 ご予約はこのサイトからお願いします。



過去の「ガイブン酒場」の模様はこちらから!


青山南さんをゲストにお迎えしたジャック・ケルアック特集!※ポッドキャスト

現代文学のミッシング・リンク、ドン・デリーロを語りつくす!※ポッドキャスト

昨年来日を果たしたロシアの暴れん坊、ウラジーミル・ソローキン特集!※ポッドキャスト

杉江松恋認定2013年ベスト短篇集の作者ミュリエル・スパークを語り尽くす!※ポッドキャスト

『帝国のベッドルーム』の起源は実は映画にあり? ブレット・イーストン・エリス特集 ※ポッドキャスト

あなたは野崎孝訳派? それとも村上春樹訳派? J・D・サリンジャー特集※ポッドキャスト

杉江松恋が『世界が終わってしまったあとの世界で』への偏愛を語る。 ※ポッドキャスト NEW!

東京創元社創立60周年記念トークイベントのお知らせ(執筆者・東京創元社S)

 

 みなさまこんにちは、東京創元社S と申します。

 今年は創立60周年ということで、書店でフェアを行ったり、著名人や漫画家さんに本を推薦していただいたり、ウサギの帽子をかぶったネコの「くらり」を紹介したりとさまざまなことをしております(詳細は60周年特設サイト http://www.tsogen.co.jp/60th/をご参照ください)。

 そんななか、記念といえばイベントもやらねば! ということで、4か月連続でトークイベントという派手なこともやっております。そしていよいよ、6月26日に翻訳小説をメインにしたトークイベントを開催する運びとなりました!

 

 今回はドイツ、フランス、北欧に焦点を当て、それぞれの国の作品の翻訳で活躍される翻訳家の方々に翻訳小説の魅力を語っていただきます。翻訳の取り組み方や、著者との直接のやりとりなど、翻訳業の裏話も盛りだくさん! の内容です。各地域の違いなども気になりますね〜。

 

 登壇されるのは、まずフォン・シーラッハ『犯罪』などの翻訳でおなじみのドイツ文学翻訳家・酒寄進一先生! ほとんどの作品でドイツの著者とやりとりをしながら訳されるので、会場でしか聞けない裏話がたくさんあるかもしれません! 

 そしてフランスからは、今年「本屋大賞」翻訳小説部門第1位に輝いた、ビネ『HHhH――プラハ、1942年』を翻訳された高橋啓先生。ルーボー『麗しのオルタンス』なども訳されており、フランスの一風変わった小説のお話がたくさん聞けるかも! と期待大です。

 

 さらに柳沢由実子先生も登場! 大人気おじさん刑事ヴァランダー・シリーズ、インドリダソン『湿地』『緑衣の女』などなど、スウェーデンを中心にたくさんの北欧ミステリを訳されています。北欧文学の魅力、翻訳されたきっかけなどもおうかがいしてみたいですね。

 

 いやぁ、自分たちで企画しといてなんですが、ほんとに豪華メンバーですわよ! トークイベントをご快諾くださった先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。当日は先生方がおススメする、ドイツ、フランス、北欧の小説3作もご紹介する予定です。来場者だけにお配りする特製ペーパーも鋭意作成中。みなさま奮ってご参加くださいませー!

 

【登壇者の主な翻訳作品】

ドイツ…酒寄進一 『犯罪』『深い疵』

フランス…高橋啓 『HHhH』『麗しのオルタンス』

北欧…柳沢由実子 『殺人者の顔』『湿地』

 

トークテーマ「翻訳小説の面白さを翻訳のプロが語る」

日時:6月26日(木)19時30分〜

場所ジュンク堂池袋本店

人数:40名

参加方法:入場料1000円

 

★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いください。

 ※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。

 ※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111) 

 

■イベントに関するお問い合わせ、ご予約は下記へお願い致します。

ジュンク堂書店池袋本店

TEL 03-5956-6111

東京都豊島区南池袋2-15-5

 

ジュンク堂池袋本店告知ページ】

http://honto.jp/store/news/detail_041000003780.html?shcd=70019&shgcd=HB320

 

犯罪

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深い疵 (創元推理文庫)

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麗しのオルタンス (創元推理文庫)

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殺人者の顔 (創元推理文庫)

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湿地 (Reykjavik Thriller)

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