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2014-08-12

大盛況御礼!『帰ってきたヒトラー』トークセッションは熱かった!…だけではない。(執筆者 マライ・メントライン)

 

大盛況御礼!
『帰ってきたヒトラー』トークセッションは熱かった!…だけではない。

 

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 今さら書くのもナンですけど……

 7月4日に行われた日独協会トークセッション“『帰ってきたヒトラー』を語る”は大変な盛況で、翻訳ミステリー大賞シンジケート関係からも何人もいらしていただきました。本当にありがとうございました!

 

 当日のレポート(Young Germany掲載)はこちらをご参照ください。

 

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 さて、公式レポートには書かなかった話題もいろいろあります。

 

 たとえば、『帰ってきたヒトラー』はフランスではまるで認められてない(何を言いたいのかさっぱり!――フランス人談)のだけど、逆に、ローラン・ビネ『HHhH』がドイツではボロクソな評価だ(史実を知りたければ、歴史本を読んだ方が早い。著者は何を言いたいんだ?!――ドイツ人談)、とか。

 

 しかし、そうした中で個人的にいちばん印象深かったのは、質疑応答のコーナーで、ある参加者の方からいただいた以下の体験談です。(ちなみにその方はメカ好きらしい)

 

「以前ドイツ旅行をしたとき、訪れるべき場所を事前にドイツ人の友人たちに相談したところ、みごとに相反する意見をもらったことがある。ひとりの友人は、ある博物館に展示してあるヒトラーの専用車(注:列車だったかもしれない)を絶対見ろ、あれはすごいものだから! と言ってきたが、もうひとりは、あんなもの見る価値がない、見ちゃダメだ! と言ってきた。これも、マライさん述べるところの『ヒトラーに対するドイツ人の極端な態度』の一例だろうか?」

 

 ここには何か奥深いサムシングがあります。

 

 が、かなり急な質問で、私は速攻でうまく答えをまとめられなかったので、「ええ、そうですね。まあ、ドイツ人は良いものも悪いものも、なんでもきっちり保存した上で評価したがる癖がありますから…」とかなんとか、(今思えば)質問した方が聞きたいことに全く返事していなかったように思います。

 

 なのでこの話はやっぱり気になる。

 

 表面的なレベルで言えば、靖国神社にある戦車や戦闘機を「ありがたい存在」と思うか否か、みたいな話と相似するのだけど、おそらくそれは違う。

「見に行け」と言った(鉄道模型業界の)ドイツ人は、たぶん無自覚に萌えて萌えまくっているんですよね。眼が爛々として。それは実はもうヒトラーとは直接関係なくて。歴史的な遺産だからでもありません。

 

 そして一方、「見に行くな」と言ったドイツ人は、倫理的なお約束からそう言っているのだけど、実際にブツを見たら、たぶん同じように萌えて萌えまくってしまうと思うんですよ。強烈な否定はその反動から来るのです。

 

 つまり何が言いたいのかというと……

 ヒトラーは確かにビッグネームで議論のお題になりがちだけど、実は多くのドイツ人はヒトラーの向こうにある、もっと得体の知れないナニカに惹きつけられて生きている。それはナチという政体が滅んでもしっかり生き残ったナニカです。でもあんまりまとまった形で話題にならないし、話題にしたところであまりいいこともなさそうだよね、ということです。

 

 ああ、こうして考えをまとめてみると、やっぱりあの場で踏み込んで答えなくてよかったと思います。収拾がつかなくなりますから。ごめんなさい、質問者さん。これ読んでいるかどうかはわからないですけど、真相はそーゆーことなんです。

 

 ちなみに、上記の「ドイツの本質的にアレな部分」を正確に正面からとらえることができた作家として、かのフィリップ・K・ディックがいたりするのですが、そのへんの話はまた別の機会に。

 

――マライ・メントライン(写真も筆者)

 

マライ・メントライン(Marei Mentlein)

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 ドイツ最北部、Uボート基地の町キール出身。実家から半日で『ヴァランダー警部』シリーズの舞台、イースタに行けるのに気づいたことをきっかけにミステリ業界に入る。ドイツミステリ案内人として紹介される場合が多いが、自国の身贔屓はしない主義。猫を飼っているので猫ラブ人間と思われがちだが、実はもともと犬ラブ・牛ラブ人間。

 ツイッターアカウントは @marei_de_pon

 

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