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第八回翻訳ミステリー大賞 決定!!

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翻訳ミステリー・イベント・カレンダー
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2014-11-06

翻訳ミステリー長屋かわら版・第58号

 f:id:honyakumystery:20130627043830j:image:w120 田口俊

翻訳者のみなさん、翻訳ミステリー大賞選定の第一次投票締め切りまで、ひと月を切りました。

 もうお決まりでしょうか?

 かく言う私、あと一冊を決めかねていて、積んどく書になっている話題作を今月中にできるだけ読もうと思っています。毎年そんな調子ですが。まさに子供の夏休みの宿題ですね。

 すでにご承知のことと思いますが、今年から少しばかり投票要項が変わりました。おひとりでも多くの方に投票していただきたいと願った結果です。

 投票できる五作がありながら、これまで投票をためらっておられた方がいらっしゃるようでしたら、どうかご遠慮なく、清き一票、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

(たぐちとしき:ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズ、バーニイ・ローデンバー・シリーズを手がける。趣味は競馬とパチンコ)



 f:id:honyakumystery:20130627043831j:image:w120  横山啓明

翻訳ミステリー大賞一次投票日が近づいてきました。

もう、そんな時期なんですね。今年は特にあっという間。

いろいろとあったなぁ〜(しみじみ)。

さて、今年はなにを選びましょうか。

すでに三冊は決めているんですけど、

あとの二冊をどうするか……。

気楽に選ぶことにします。

お祭りですから。

投票資格のある方、あまり難しく考えずに

軽い気持ちで参加してくださいね。

翻訳出版界を一緒に盛り上げていき

ましょう!

(よこやまひろあき:AB型のふたご座。音楽を聴きながらのジョギングが日課。主な訳書:ペレケーノス『夜は終わらない』、ダニング『愛書家の死』ゾウハー『ベルリン・コンスピラシー』アントニィ『ベヴァリー・クラブ』ラフ『バッド・モンキーズ』など。ツイッターアカウント@maddisco



 f:id:honyakumystery:20130524023841j:image:w120 鈴木恵

ケイト・アトキンソン『探偵ブロディの事件ファイル』が面白かった。ステロタイプをうまく活かしたブロディのキャラ(鼻に絆創膏を貼ったジャック・ニコルソンみたいな)もさることながら、依頼人たちの造形がまた秀逸。とくに女たちの身も蓋もなさが、なんとも可笑しい。そういう属性は本来なら探偵側の専売特許であるはずなのだから、ブロディのほうがお株を奪われた格好で、読んでいるあいだじゅうニヤニヤしっぱなし。これが4部作の第1作だというから楽しみ。翻訳ミステリー大賞の投票がすんだら、『世界が終わるわけではなく』も読んでみたい。

(すずきめぐみ:文芸翻訳者・馬券研究家。最近の主な訳書:ウィンター『自堕落な凶器』 バリー『機械男』など。 最近の主な馬券:なし orz。ツイッターアカウント@FukigenM



  f:id:honyakumystery:20130912093838j:image:w80  白石朗

f:id:honyakumystery:20141025185914j:image:w150:left

 先月25日、熱海でおこなわれた読書会合同合宿「熱海でポン!」にお邪魔してきました。千葉・横浜・名古屋の各読書会メンバーを中心に総勢五十名。ビブリオバトル等の企画で楽しみ、クロスワードパズルについ熱中(ひとつググっちゃいましたすみませんすみません……そのくせ全問正解は遠いという情けなさ……)、深夜まで翻訳ミステリーの話題づくしのにぎやかな一夜でした。やっぱり温泉はいいですね。世話役とご参加のみなさま、お世話になりました。

 さて、先日こちらにも掲載したとおり、第六回翻訳ミステリー大賞の投票がはじまっています。今年はフィクション翻訳者のみなさまにくわえて、ノンフィクションの分野で活躍されている翻訳者諸兄姉にも投票をお願いすることにしました。多くの方の「オススメ本」の声をあつめて翻訳書のおもしろさを世に広めていきたいと思います。まわりのお知りあいの方にもお声をかけてくだされば幸甚です。

しらいしろう:1959年の亥年生まれ。最新訳書はヒル『NOS4A2―ノスフェラトゥ―』グリシャム『巨大訴訟』キング『11/22/63』アウル『聖なる洞窟の地』など。ツイッターアカウント@R_SRIS



  f:id:honyakumystery:20131127082907:image:w80 越前敏弥

 以前このシンジケートが主催し、いまはやまねこ翻訳クラブのメンバーが中心で進めている読書探偵作文コンクール(今年が第5回)の結果が先日発表になりました。おかげさまで今年は過去最高の155通の応募がありました。受賞作はこちら、1次選考通過作へのコメントはこちらです。

 総評にも書きましたが、今年特に印象に残ったのは、何人もの文章のなかに、翻訳書を多く読んでいるにちがいないと思われる表現が散見されたこと(たとえば、比喩やダーシの使い方など)。そして、翻訳書を読んだことをきっかけとして、作者や主人公の住む国の社会や文化について徹底的に調べた例がいくつも見られたこと。どちらも、翻訳者として、うれしいかぎりです。

 受賞7作の本文は、これから順次公式サイトに掲載されるので、ぜひ読んでみてください。来年の応募もお待ちしています。

 翻訳ミステリー大賞の1次投票や、横浜翻訳ミステリー読書会主催の「ヨコミス」の投票も、受付を開始しています。そちらもどうぞよろしく。

(えちぜんとしや:1961年生。おもな訳書に『解錠師』『夜の真義を』『Yの悲劇』『ダ・ヴィンチ・コード』など。趣味は映画館めぐり、ラーメン屋めぐり、マッサージ屋めぐり、スカートめくり。ツイッターアカウント@t_echizen。公式ブログ「翻訳百景」 )



  f:id:honyakumystery:20130222205223j:image:w85 加賀山卓朗

 毎年もっと前倒ししなきゃと思いながらも、翻訳ミステリー大賞の投票に向けてラストスパートです。C・J・ブロック『復讐のトレイル』イアン・ランキン『監視対象』もJ・M・ケイン『カクテル・ウェイトレス』もこれからですYO! 犬飼ってる人はロバート・クレイス『容疑者』も必読? しかし目黒考二さんのおひとりさま料理本『連篇累食』を読みはじめたら面白くて、いろいろ間に合いそうにないんですが……。あ、今年の投票対象外ですけど、まもなく発売のジョン・ル・カレ『繊細な真実』もよろしくお願いします(蹴)

(かがやまたくろう:ロバート・B・パーカー、デニス・ルヘイン、ジェイムズ・カルロス・ブレイク、ジョン・ル・カレなどを翻訳。運動は山歩きとテニス)



f:id:honyakumystery:20131128014219:image:w120 上條ひろみ

 先日、翻訳ミステリーお料理の会(けっしてあやしいものを作って食べる会ではありませんよ!)メンバーと、六本木の北欧料理のお店に行ってきました。今ではすっかりおなじみとなった北欧ミステリーですが、そういえばちゃんとした北欧料理って食べたことないなと思っていたところ、メンバーのひとりがすてきな北欧料理のお店を見つけてきてくれたのです。けっこう有名店みたいで、長身スレンダーな北欧美人がサーブしてくれるのは、ニシンのマリネやビーフシチュー、ジャガイモのグラタンなどの、気取らない家庭総菜料理。北の国々の料理なので、お味はちょっと濃いめでしたが、何を食べてもすごくおいしくて、やはり「北欧はあなどれない!」との思いをあらたにしました。

 さて、第六回翻訳ミステリー大賞一次投票の締切はいよいよ今月末! 翻訳者のみなさまは頭を悩ませている最中かと思います。今年も話題作が多くて選ぶのはなかなか大変かと思いますが、あなたのビビッときた作品を多くの方々に広めるべく、投票のほどよろしくお願いします。どんな結果が出るのか、今から楽しみです。

(かみじょうひろみ:英米文学翻訳者。おもな訳書はジョアン・フルークの〈お菓子探偵ハンナ〉シリーズ、カレン・マキナニーの〈朝食のおいしいB&B〉シリーズなど。趣味は読書とお菓子作りと宝塚観劇)


連篇累食

連篇累食


●これまでの「長屋かわら版」はこちら

2014-09-25

翻訳ミステリー長屋かわら版・第57号

 f:id:honyakumystery:20130627043830j:image:w120 田口俊

 もう十何年もまえになりますが、オーストラリア人の若い女性とざる蕎麦を食べてたときのこと。

 その女性、日本語はぺらぺらで、箸もきちんと使えるんだけど、見ていると、蕎麦をつゆにたっぷんたっぷんに浸して、二、三本ずつつまんじゃ、おそるおそる口に運び、できるだけ音を立てないように、唇を蠕動運動させながら口中に送り込んで、もぐもぐやってます。

 見ていて、苛々しちゃってね、私。蕎麦ってな、こうやって食うんだとばかり、つゆをちゃちゃっとつけて、ずるずるすっぽんごっくん、と手本を示してやりました。

 その数日後、今度は四十代、五十代の女性たちとおんなじようにざる蕎麦を食べました。見ていると、みなさん、ずるずるずるずる、盛大に音を立てておられる。私が数日前に示したお手本どおりに。それを見て、つくづく思いました――女も歳を取ると、こうなるか。

 これって絶対、矛盾してますよね、私。

 そんな昔のことを思い出したのは、最近のパチンコはボタンを押したり、レヴァーを引いたりするからです。そうすることで、大当たりの確率がわかったり、最後に大当たりになったりするんです。別に押したり引いたりしてもしなくても、たぶん変わらないと思うんだけど。でも、いずれにしろ、ただ一度だけ押したり引いたりすればいいんです、それも軽くね。

 ところが、見ていると、血相を変えて、もう死に物狂いで、何度も何度も押したり引いたりしている(文字どおり、というと語弊がありますが)往生際の悪いお婆さんがいます。なんとも見苦しい。一方、同じことを若い娘がやっても、全然見苦しくない。むしろ可愛く見えちゃったりなんかする。

 これって絶対、矛盾して――ませんね、私。

 ただ単にお婆さんより若い女性が好きなんですね、はい。

 子育ての経験が豊富ってことで、チンパンジーの世界では年増に人気があるそうですが、ヒトの世界じゃ、やっぱ娘十八、番茶も出ばなですよね。それに異論を唱えるつもりは全然ありません。むしろもろ手を挙げて賛成しちゃいます。

 でも、ですよ、最近のアイドルって若すぎません? さすがにAKBも今はだいぶ大きくなったけど、そのほかの雨後の筍アルファベット三文字集団。聞くと、まだ中学生とか小学生っていうじゃありませんか、あなた。

 そりゃ年寄りより若いのがいいつったって、限度ってものがありそうな気がするんだけど。子供が色気のいの字もない、ひらひらの衣装を着けて飛んだり跳ねたりしてるのを見て、何が面白いんでしょう……って、はい、これって、ただただこっちが歳を取っただけの話ですね。

 歳を取ると、時間の経つのが早いって言いますが、ほんと、こないだどうにか年を越せて正月に餅食って酒飲んで浮かれてたら、もう十月の声。

 ということで、翻訳ミステリー大賞の投票準備をしていただく季節となりました。前置きがすご〜く長くなりましたが、実はそういう話だったんです。

 翻訳者のみなさん、今年もなにとぞよろしく! 

(たぐちとしき:ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズ、バーニイ・ローデンバー・シリーズを手がける。趣味は競馬とパチンコ)



 f:id:honyakumystery:20130627043831j:image:w120  横山啓明

板橋区立美術館

種村季弘の眼 迷宮の美術家たち』

という展覧会をやっています。近々行く

予定でいます。

先日、スパンアートギャラリーへ行ったとき、

ギャラリーのオーナーが丁寧に絵の説明を

してくれました。はい、彼こそ、種村季弘

のご子息、品麻氏です。

そういえば(と、ここで本棚へ)2012年の

ミステリマガジン12月号「ゴシックの銀翼」

に品麻氏のエッセイが載っていましたね。

展覧会へ行く前に予習ということで

『幻想のエロス』『影法師の誘惑』

土方巽の方へ』などお気に入りの本を

読み返しています……が、そろそろ、

翻訳ミステリー大賞の投票が迫ってきたので、

積ん読状態のミステリーも消化しなければ。

あー、時間がほしい。

(よこやまひろあき:AB型のふたご座。音楽を聴きながらのジョギングが日課。主な訳書:ペレケーノス『夜は終わらない』、ダニング『愛書家の死』ゾウハー『ベルリン・コンスピラシー』アントニィ『ベヴァリー・クラブ』ラフ『バッド・モンキーズ』など。ツイッターアカウント@maddisco



 f:id:honyakumystery:20130524023841j:image:w120 鈴木恵

この間に読んだ新刊のなかでとりわけ面白かったのが、ジョエル・ディケール『ハリー・クバート事件』。殺されたノラとはいったいどんな少女だったのか。強烈な謎に引っぱられて読みおわるまで、ほかのことが手につかず、おかげで馬券を買わずにすみました。ありがとう。しかもこれ、個人的にはちょっぴり胸キュン小説でもありまして、事件が起きたのとほぼ同時代の1976年当時、一部に熱狂的なファンを生んだ映画《白い家の少女》のジョディ・フォスター(今のじゃありませんよ)をノラに脳内キャスティング。しあわせな読書でした。

(すずきめぐみ:文芸翻訳者・馬券研究家。最近の主な訳書:ウィンター『自堕落な凶器』 バリー『機械男』など。 最近の主な馬券:なし orz。ツイッターアカウント@FukigenM



  f:id:honyakumystery:20130912093838j:image:w80  白石朗

 大森望・牧眞司編『サンリオSF文庫総解説』がすばらしい。各作品のレビューがどれもこれも錆びかけた記憶中枢のツボをいちいち直撃、仕事中も読み耽ってしまう。この文庫の創刊は1978年。同年大学生になったこともあってほぼリアルタイムで買って読んでいた。思い出深い作品も多い。いまも大半は手もとにあるけれど……『眩暈』『はざまの世界』を借りてった人、怒らないから返しておくように。

 それとは無関係に、フランク・ダラボン監督、トム・ハンクス主演の映画グリーンマイルがようやくBlu-ray Disc化されて、12月に発売とのこと。DVDが廃盤状態だったので待ち望んでいた人も多いのでは(あ、DVD版も同時に再発されるようです。かくいうぼくもそのひとり。今年はキングの原作『グリーン・マイル』(こちらはナカグロあり)も、藤田新策氏の装画に飾られた文庫上下巻というハンディな新装版として刊行されたので、あわせてお手にとっていただければ、と。

しらいしろう:1959年の亥年生まれ。最新訳書はヒル『NOS4A2―ノスフェラトゥ―』グリシャム『巨大訴訟』キング『11/22/63』アウル『聖なる洞窟の地』など。ツイッターアカウント@R_SRIS



  f:id:honyakumystery:20131127082907:image:w80 越前敏弥

 先日の『インフェルノ』特別読書会@大塚国際美術館では、作者がいくつか仕掛けたミスリードの罠のうち、訳者があまり意識していなかったものに、思いのほか多くの人が引っかかっていたことが判明。そうか、そうだったのか。こういうのって、ネタバレ全開の読書会だからこそわかることで、それだけでも徳島へ行った甲斐があったと思う。ネタバレ可の場所でしかできない翻訳の裏話もできて、すっきりしたし。

 参加者30名のうち、わたしのブログやこのサイトの案内ではなく、大塚国際美術館のサイトをまず見て申しこんでくれた人が5、6人いたことにも感動。美術には興味があるけどミステリーはほとんど読んだことがない人や、持ち寄り型の読書会の経験はあるけど課題書を読む形ははじめてという人、美術館のボランティアの合間に参加した人など、ふだんいないタイプの参加者の話もたくさん聞けました。

 こんなふうに、周辺の人たちを巻きこんでいけそうなイベントをまたやりたいので、アイディアがある人、教えてください。

 徳島特別読書会については、大阪読書会の世話人のみなさんが何回かに分けてレポートを書いてくれます。お楽しみに。

(えちぜんとしや:1961年生。おもな訳書に『解錠師』『夜の真義を』『Yの悲劇』『ダ・ヴィンチ・コード』など。趣味は映画館めぐり、ラーメン屋めぐり、マッサージ屋めぐり、スカートめくり。ツイッターアカウント@t_echizen。公式ブログ「翻訳百景」 )



  f:id:honyakumystery:20130222205223j:image:w85 加賀山卓朗

 A・S・ウィンター『自堕落な凶器』(年間翻訳技能賞もの)や、ジョン・アーヴィング『ひとりの体で』バイセクシャルにもいろいろ)など感想を書きたい本もあるのだけれど、フィリップ・シーモア・ホフマン祭りが止まらなくなってしまった。稀代の名優ですね。

 私的No. 1をあげると、迫力No. 1は『ザ・マスター』、憑依No. 1は『カポーティ』、怖いNo. 1は『その土曜日、7時58分』、カワイイ(失礼)は『ビッグ・リボウスキ』、自然体は『マグノリア』、ほかにも『リプリー』とか『M:i:III』とか、『ダウト〜あるカトリック学校で〜』、『脳内ニューヨーク』、『マネーボール』……どんだけ出てるんだ。

 しかしながら、かっこいいNo. 1はダントツで来月公開の『誰よりも狙われた男』だと思います、商売抜きで(爆)。写真家でもある監督アントン・コービンが撮ったこの映画の写真集まで買ってしまいそうで我ながら怖い、そのくらいのインパクト。この方面が好きなかたはどうぞお見逃しなく。

(かがやまたくろう:ロバート・B・パーカー、デニス・ルヘイン、ジェイムズ・カルロス・ブレイク、ジョン・ル・カレなどを翻訳。運動は山歩きとテニス)



f:id:honyakumystery:20131128014219:image:w120 上條ひろみ

 NHKの連続テレビ小説花子とアン」は今週が最終週。翻訳者の大先輩、村岡花子さんがヒロインということで、毎朝興味深く視聴していました。「生きた証として、この本だけは訳したい」。ああ、なんてカッコイイのでしょう(うっとり)。朝から胸熱で、何度もウルウルさせられました(明日死ぬとなったら、妻が訳した本を読みたいと言ってくれる夫とか。現実ではありえない。宝塚か?)。村岡さんが空襲から原書を守り、敵性語にもかかわらず戦争中こつこつ訳したおかげで世に出ることになった赤毛のアン。わたしは子供のころ『赤毛のアン』を読んで翻訳もののおもしろさに目覚め、のちに翻訳者をめざすことになったので感無量です。

 その『赤毛のアン』シリーズにも登場するルバーブのお菓子を作ってみませんか? というわけで、ちょっと強引につなげてしまいましたが、10月4日(土)の翻訳ミステリーお料理の会・第三回調理実習、まだ若干空きがあります。お申し込みは→コチラ。まだルバーブを食べたことがない方も、すごくおいしいのでぜひ挑戦していただきたいです。ルバーブタルトもルバーブのデザートスープも絶品ですよ〜。

 ついでに、拙訳のお菓子探偵ハンナ・シリーズ第15弾は、現在鋭意ゲラ読み中&レシピ試作中です。

 それではみなさま、ごきげんよう、さようなら。

(かみじょうひろみ:英米文学翻訳者。おもな訳書はジョアン・フルークの〈お菓子探偵ハンナ〉シリーズ、カレン・マキナニーの〈朝食のおいしいB&B〉シリーズなど。趣味は読書とお菓子作りと宝塚観劇)


影法師の誘惑 (河出文庫)

影法師の誘惑 (河出文庫)

土方巽の方へ―肉体の60年代

土方巽の方へ―肉体の60年代

白い家の少女 (1977年)

白い家の少女 (1977年)

サンリオSF文庫総解説

サンリオSF文庫総解説

インフェルノ (上) (海外文学)

インフェルノ (上) (海外文学)

インフェルノ (下) (海外文学)

インフェルノ (下) (海外文学)

Anton Corbijn: A Most Wanted Man

Anton Corbijn: A Most Wanted Man

赤毛のアン (新装版) (講談社青い鳥文庫)

赤毛のアン (新装版) (講談社青い鳥文庫)

●これまでの「長屋かわら版」はこちら

2014-08-01

翻訳ミステリー長屋かわら版・第56号

 f:id:honyakumystery:20130627043830j:image:w120 田口俊

 納涼、ミステリー祭です、パチパチパチ。

 七月五日(土)午前六時、自宅最寄り駅の京王線「国領」から各駅停車の新宿行きに乗りました。

 なんでそんなに早起きしたのかというと、夏競馬第一弾、北上次郎や土屋晃ほか競馬オヤジ大参戦、毎年恒例の福島競馬です。

 で、乗ったドアのすぐそばの座席に坐ってすぐに気づきました。誰かが忘れていったんでしょう、ちょうど眼のまえの座席にスマホが置いてあったんです。すぐにまわりを見まわしました。早朝なんで客はまばら。その車両にはほんの数人、誰もスマホには見向きもしていません。

 まず思ったのは、面倒だな、ということでした。なんか見て見ぬふりをするのも寝覚めが悪い。さりとて、「国領」の次の次の駅が「つつじヶ丘」というちょっと大きな駅なんですが、そこで駅員を探して、落としものとして届けたりしていると、一本電車に乗り遅れて、新幹線の時間がぎりぎりになってしまうかもしれない。

 そんなことを思っているうちに電車は「つつじヶ丘」に着きました。普段はそこで急行に乗り換えるのだけれど、早朝ダイアでその各停のほうがさきに新宿に着きます。私はまだためらっていました、降りて駅員を見つけるべきや否や。

 ところが、停車してドアが開くと、すぐそばのドアから高校生ぐらいの歳に見える女子がひとりだけ乗ってきて、まっすぐ私の眼のまえに座席に向かい、スマホを手に取り、そこに坐り、そのスマホをいきなり使いだしたのです。どう考えても、その女子のスマホのようです。

 えっ?

 どういうこと?

 ゲームでもやってたんでしょうか、その女子はそのあとずっとそのスマホを使いづめで、井の頭線の乗換駅である「明大前」で降りていきました。

 どういうことだったのか。そのあと、ずっと考え、競馬オヤジにも答を求めたのだけれど、誰にもわからない。

 ついでに言っておくと、その女子、すごく地味〜な感じで、こういう言い方はなんですが、あんまり東京では見かけないようなタイプで、手ぶらでした。そう、手ぶらだったんです。スマホ以外。それってけっこう珍しくない?

 機会あらば、みなさんの名推理、お聞かせ願えれば幸いです。

(たぐちとしき:ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズ、バーニイ・ローデンバー・シリーズを手がける。趣味は競馬とパチンコ)



 f:id:honyakumystery:20130627043831j:image:w120  横山啓明

暑中お見舞い申し上げます。


暑い毎日がつづいていますが、

いかがお過ごしでしょう?


わたしは大量のゲラを前に

悪戦苦闘している毎日です。

仕事の合間に拾い読みしているのが

写真家の川内倫子『りんこ日記』

(FOIL)。写真とともに綴られた日記が

刺激的であり、また、妙に心を落ち

着かせてくれるのです。


もう終わっちゃったけど、

川内倫子とテリ・ワイフェンバックの写真展

Giftはとても良かった。空気の流れ、

光の粒子、静謐な時間を切り取った一枚一枚が

観る者の生命力を掻き立てるのです。


今の仕事が一段落したら

写真作家KiiroのLight展へ行く予定。

(よこやまひろあき:AB型のふたご座。音楽を聴きながらのジョギングが日課。主な訳書:ペレケーノス『夜は終わらない』、ダニング『愛書家の死』ゾウハー『ベルリン・コンスピラシー』アントニィ『ベヴァリー・クラブ』ラフ『バッド・モンキーズ』など。ツイッターアカウント@maddisco



 f:id:honyakumystery:20130524023841j:image:w120 鈴木恵

 ワイリー・キャッシュ『約束の道』は、ちょっぴりノスタルジックなダメ父・子連れロードノベル。時代はマーク・マグワイアとサミー・ソーサがホームラン記録を競っていた1998年。母親を亡くして施設に入れられた姉妹(12歳と7歳)のもとへ、3年前に彼らを捨てた父親がひょっこり現われる。けれども彼はすでに親権を放棄しているので、合法的にはふたりを連れ出せない。だから窓からこっそり誘い出し、ポンコツに乗せて逃避行を始める。あてもない旅だが、これまでの埋め合わせをしようと、彼はふたりをあちこちへ連れていって愉しませる。だがなぜ今ごろ迎えにきたのか? それにはわけのあることが、やがて姉にはわかってくる。自分たちは危険な逃避行につきあわされているのだと――。ダメ父の娘たちへの愛情、犯罪者からも警察からも逃げなければならない事情、それにマグワイアとソーサのホームラン競争。それが大詰めでひとつになり、しみじみとした読後感を残す。細かな伏線や小道具の使い方もいい。表紙も題名も地味だけれど、読み逃すのはもったいない。

(すずきめぐみ:文芸翻訳者・馬券研究家。最近の主な訳書:ウィンター『自堕落な凶器』 バリー『機械男』など。 最近の主な馬券:なし orz。ツイッターアカウント@FukigenM



  f:id:honyakumystery:20130912093838j:image:w80  白石朗

 6月の東京公演は数回の落選で涙をのんだものの、ライヴ映像作品『PHASE』とライヴCD『TECHNO RECITAL』の2タイトル同時発売で必然的な幸宏祭りで仕事どころでないところへもってきて、当サイトの連載『読んで、腐って、萌えつきて』で♪akiraさんが熱っぽくスーツ萌えを語ったドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』にハマり中。毎晩一話見ていて、もうじきシーズン2の録画ストックが切れてしまうのがいまいちばんの心配。

 そんなばたばたの毎日を寝床で心静かに締めくくってくれたのは、毎晩一篇二篇と大切に読んだトム・ラックマン『最後の紙面』。廃刊を目前にしたローマの小さな英字新聞社につどう人々のエピソードがどれもいい。味わいの異なる各短篇が少しずつ重なりあうにつれて、奥行きと広がりをもつ構成もなかなか。つづいての寝床の友として、おなじく短篇集、キジ・ジョンスン『霧に橋を架ける』を味読中です。

しらいしろう:1959年の亥年生まれ。最新訳書はヒル『NOS4A2―ノスフェラトゥ―』グリシャム『巨大訴訟』キング『11/22/63』アウル『聖なる洞窟の地』など。ツイッターアカウント@R_SRIS



  f:id:honyakumystery:20131127082907:image:w80 越前敏弥

 映画〈思い出のマーニー〉で、十一と書いて「といち」と読む老人が登場したとき、突如としてよみがえったのがあの名作〈雑居時代〉 の記憶。主人公ふたりがもうこの世にいないのが悲しい。それにしても、夏代のこの美しさには、いまも息が止まりそう。

 ところで、角川版原作ではその老人の名前を禁じ手気味に訳したんだが(あの訳語に賛否両論あるのは知っています)、いま思うとまさしく五女(杉田かおる)の名前とぴったり符合していて、何やら運命じみたものを感じないでもない。猛烈に観たくなってきた〈雑居時代〉のDVD、いまからでも入手しようか……

 今年も読書探偵作文コンクールを開催中です。締め切りは9月末。学校や作文教室など、団体用の応募用紙も用意しました。小学生のみなさんのご応募をお待ちしています。

(えちぜんとしや:1961年生。おもな訳書に『解錠師』『夜の真義を』『Yの悲劇』『ダ・ヴィンチ・コード』など。趣味は映画館めぐり、ラーメン屋めぐり、マッサージ屋めぐり、スカートめくり。ツイッターアカウント@t_echizen。公式ブログ「翻訳百景」 )



  f:id:honyakumystery:20130222205223j:image:w85 加賀山卓朗

 訳者の役得で、この秋に公開される『誰よりも狙われた男』の試写を見てきました。傑作。『裏切りのサーカス』のような華(カンバーパッチ?)はないけれど、ドイツの諜報部員バッハマンを演じるフィリップ・シーモア・ホフマンの存在感といったら。一見ただのオッサンなのに、どうしてあれほど絵になるのか。愛おしくすらある。無精ひげのホフマン、青ざめた顔のホフマン、ピアノをぽつぽつと弾くホフマン……映画のあいだじゅう煙草吸いまくり酒飲みまくりだけど。もういないことがわかっているからと言えばそれまでですが、ラストのあの姿は悲しすぎる。

(かがやまたくろう:ロバート・B・パーカー、デニス・ルヘイン、ジェイムズ・カルロス・ブレイク、ジョン・ル・カレなどを翻訳。運動は山歩きとテニス)



f:id:honyakumystery:20131128014219:image:w120 上條ひろみ

 毎日暑くてとけそうです。エルニーニョ現象はどこに行ってしまったのでしょう? 暑さのせいにしちゃいけないけど、このところ読書スピードが落ちているような。ひやっとぞくっとする本を読めばいいのかも。

 と思って読んだわけじゃないけど、S・J・ボルトン『緋の収穫祭』はぞぞぞーっとしました。閉鎖的な田舎町(村)ってやっぱり怖い! 地すべりで壊れた子供の墓から別の子供の遺体が出てきたりとか、廃墟の鐘楼とか、限られた人たちに聞こえる声とかももちろん怖いけど、いちばんぞぞっとしたのは収穫祭におこなわれる野蛮な儀式。小さな子供を三人も連れてこの町に移り住んだ一家はチャレンジャーだなあ。謎解きも読み応えがありました。

 一方、くすくす笑いながらさくさく読めて楽しかったのは、M・C・ビートンの『アガサ・レーズンと貴族館の死』。コッツウォルズ地方で隠居生活を楽しむアガサの身に、シリーズ四作目にして驚くべき展開が。次巻が気になる〜!

(かみじょうひろみ:英米文学翻訳者。おもな訳書はジョアン・フルークの〈お菓子探偵ハンナ〉シリーズ、カレン・マキナニーの〈朝食のおいしいB&B〉シリーズなど。趣味は読書とお菓子作りと宝塚観劇)



りんこ日記

りんこ日記

りんこ日記〈2〉

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PHASE (完全初回限定生産)(Blu-ray+DVD+2CD)

PHASE (完全初回限定生産)(Blu-ray+DVD+2CD)

裏切りのサーカス コレクターズ・エディション [DVD]

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●これまでの「長屋かわら版」はこちら