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2017-04-11

第3回 フランス語短篇翻訳コンテスト これまでの受賞作は?(執筆者・高野優,竹若理衣)

 

 皆さま、こんにちは。高野優です。翻訳ミステリー大賞の発表も間近に迫ってきました。投票結果、楽しみですね。

 さて、「フレンチミステリー便り」では、第1回で「フランス語未訳短篇発掘プロジェクト」とそれに伴って実施されている「フランス語短篇翻訳コンテスト」のご紹介。第2回では2015年に翻訳大賞の小部屋企画で行なわれた「フランスミステリ座談会」の模様をお届けいたしました。

 

 今回は2014年度、2015年度の「フランス語短篇翻訳コンテスト」の上位入賞作をご紹介し、コンテストで人気だった作家の関連情報をお知らせします。ご案内役は「フランス語未訳短篇発掘プロジェクト」事務局の竹若理衣が務めます。

 

 それから、いちばん最後に、第2回のコンテストで第1位を獲得したボワロー&ナルスジャックの短篇「爺さんと孫夫婦」(川口明百美 訳)をお届けします。どうぞお楽しみください。

 

 

 

■フランス語短篇翻訳コンテスト 第1回・第2回 受賞作品

=高野優推奨作品)

 

  • 2014年度 第1回
    • 1位 ジャン・モラ「列車の中の見知らぬ女」那須英子 訳
    • 2位 ジャン=フランソワ・コアトムール「新婚旅行の夜」吉野さやか 訳 
    • 3位 ジャン・マザラン「殺し屋の話」江副琴美 訳 
    • 4位 マルセル・エイメ「三つの事件」島津智子 訳   
    • 5位 ブリジット・オベール&ジゼル・カヴァリ「コレットのお返し」宮嶋聡 訳
    • 同率5位 ルイ・C・トーマ「上には上が」広野和美 訳
    • 同率5位 コアトムール「太陽の男・ボン・オンム・ソレイユ」中村忍 訳  
    • ピエール・ヴェリ「クローゼットの中の神」宮嶋聡 訳
    • フレデリック・ファジャルディ「狼の耳をつかんで」白瀬コウ 訳

 

  • 2015年度 第2回
    • 1位 ボワロー&ナルスジャック「爺さんと孫夫婦」川口明百美 訳 
    • 2位 ピエール・シニアック「フォレスティエ氏の午後」澤田理恵 訳 
    • 3位 ピエール・ヴェリ「緑の部屋の謎」竹若理衣 訳 
    • 4位 エリック=エマニュエル・シュミット「駄本」江村諭実香 訳 
    • 5位 ピエール・シニアック「いいはなし」川瀬順子 訳 
    • ジャン=バプティスト・バロニアン「向かいの女」森田有美子 訳
    • フランソワ・プリウール「マーブル模様のコーヒー」光森ちづこ 訳

 

 当プロジェクトでは、企画に参加資格のある人たちによる投票によって優秀作品を決定してきました。第1回開催で圧倒的な人気を集めたのが、ジャン・モラ作「列車の中の見知らぬ女」(Jean Molla 原題:L'inconnues du train)という作品でした。1958年生まれのモラは、非常に面白い経歴の持ち主。最初は養蜂家としてスタートし、その後クラシックギターの教師と美術館のガイド係に。さらにその後、“たまたま縁があって”中学校の教師になったという変わり種。その教師をしている42歳の時に、作家デビューをしたのでした。これまで数多くの児童書を手がけ、Prix des Incorruptibles という児童文学を対象にした賞も授賞しています。この作品は、出版社が企画したオムニバス本向けに書いた1篇でした。奇想天外な展開やトリックがあるわけではありませんが、子供向けと侮るなかれ。オチにいたるまでのしっかりと読ませる作品になっています。

 版権の都合で作品訳はご紹介できないので、簡単にあらすじをのせておきます。

 私立探偵のアントワーヌは、人気作家ヴァンティヤムからかつて依頼された調査について恋人に語りだした。病いで余命宣告されていたヴァンティヤムは、死ぬ前にもう一度、25年前に駅のホームで見かけた美しい女性に会いたいとのことだった。名前も年齢もわからないその女性を探しだすアントワーヌ。身元が判明するが、その女性は作家が語った容貌とはまったく異なっていた……。

 

 ジャン・モラは現代の作家ですが、これまでのところコンテストでは往年の作家の作品が底力をみせて上位に食いこみました。

 

 第1回で応募の多かった作家が、マルセル・エイメ(1902〜1967)でした。エイメは、『壁抜け男』や動物シリーズのイメージが強いですが、エイメ独特の“おかしみ”はミステリとの相性も悪くありません。第1回で入賞した「三つの事件」は、「ミステリマガジン」誌の2015年5月号に掲載されました。このほか、入賞はしませんでしたが、みなさんにご紹介したい隠し球の短篇が数多くあります。引き続き良作の発掘を続けていきたい作家です。

 

 往年の作家で言うと、第2回に最多得票数を誇ったのがピエール・ヴェリ(1900〜1960)でした。日本では弁護士プロスペール・ルピックの活躍を描いた『サンタクロース殺人事件』晶文社 村上光彦 訳)が訳されており、古本でなら今でも手に入ります。いかにもフランス風といったウィットに富んだ作風が特徴で、なかにはこれぞバカミスといった短篇も多く残しています。1930年代に活躍した作家ということは昭和初期になりますから、ひと昔ではきかない時代の作家ですが、ユーモアミステリ好きのみなさまには、エイメ同様、今の時代でも楽しんでいただけるのではと思います。ご紹介できる機会をなんとか作りたいものです。

 

 もうひとり、というよりもうひと組ですが、ボワロー&ナルスジャック(ピエール・ボワローとトーマ・ナルスジャックが共同で創作活動をした時のペンネーム)も忘れてはいけません。このふたりは『悪魔のような女』『めまい』といった映画化された作品を始め、数々の長篇作品を残しておりますが、短篇集としては、ハヤカワポケットミステリから『贋作展覧会』(トーマ・ナルスジャック 稲葉明雄、北村良三訳)が刊行されています。これは様々なミステリ作家の手法をパスティーシュした『Usurpation d’identit?』(原書はボワロー&ナルスジャック名義)の全18篇から7篇を抜粋したもの。残る11篇のうちいくつかは「ミステリマガジン」誌で紹介されていますが(アガサ・クリスティパスティーシュした「ブリス湖の怪物」、ウィリアム・アイリッシュ風の「ブラッキー」など。ほかにレオ・マレやジェラール・ド・ヴィリエのパスティーシュもあり。高野優訳)、まだ未訳のまま残されているものが数篇あります。今回の記事では、そのうちの1篇で、第2回短篇コンテストで1位に輝いた「爺さんと孫夫婦」(原題:ACROCHE−TOI,PÉPÉ)をいちばん最後にご紹介します。

 

 マルセル・エイメやピエール・ヴェリほど古くないものの、ボアロー&ナルスジャックと同時代か、その少しあとくらいから活躍した作家の作品も多く入っています。ここではコアトムールルイ・C・トーマを簡単に紹介しておきましょう。

 

  • ジャン=フランソワ・コアトムール(1925―)

「新婚旅行の夜」(La nuit de noce 第1回コンテスト第2位)、「太陽の男・ボン・オンム・ソレイユ」(Bonhommes soleil第1回入賞)。コアトムールの既訳作品はこれまで何度か、「ミステリマガジン」誌にも掲載されており、「葬送爆弾」(1983/11)、「余分な二回転」(2003/7)、「別離」(2004/11)、「ガストンが死んだら」(2008/4)などがあります。長篇には『血塗られた夜』『引き裂かれた夜』『真夜中の汽笛』(いずれも角川文庫、長島良三 訳)。

 

  • ルイ=C・トーマ(1921ー2003)

『上には上が』(A farceur farceur et demi第1回入賞)。既訳作品としては、「ミステリマガジン」誌で紹介された「つき」(1966/5,1984/3)、「闇の中の目」(2003/7)、「名高いヴィエロ氏の復活」(2006/11)などがあります。長篇は『悪魔のようなあなた』『カトリーヌはどこへ』『死のミストラルなど(いずれもハヤカワポケットミステリ 岡村孝一 訳)。

 

 またこれまで日本では邦訳されていない作家では、フレデリック・ファジャルディ(1947ー2008)がいます。1979年 Tueurs de flics(警官殺し)でデビューし、マンシェットと共にネオ・ポラールの旗手とされた、ノワールの重要な作家です。自らの思想を作風に色濃く反映させた作品を数多く書いているのですが、全300篇を越える短篇がまったく手つかずのまま未訳で残されていますので、こちらもコンテストを通じてみなさまへご紹介できる作品を発掘していこうと思います。

 

 第3回の入賞作品については、来る4月22日の第八回翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンションのなかで行なわれる第3回「フランス語短篇翻訳コンテスト表彰式」で発表後、このサイトでもまた機会をいただいてご紹介したいと思います。過去2回とは作家陣の顔ぶれがだいぶ変わり、現在活躍中の作家が入ってきました。翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンションの当日の会場では、ご紹介資料を配布させていただこうとも考えております。今後も新しいフランスミステリのご紹介できる機会が少しでも出来ますように。どうぞその時をお楽しみに。

 

 では、最後に第2回短篇コンテストで1位に輝いた「爺さんと孫夫婦」(川口明百美 訳)をお届けします。これはシャルル・エクスブライヤ(1906ー1989)をパスティーシュした作品。エクスブライヤは、日本ではそれほど紹介されていませんが、『パコを憶えているか』(ハヤカワポケットミステリ、小島俊明 訳)『火の玉イモジェーヌ』(ハヤカワポケットミステリ 荒川比呂志 訳)『死体をどうぞ』(ハヤカワポケットミステリ 三輪秀彦 訳)を始めとして、いくつかの傑作、秀作が訳されています。コミカルな中にもシニカルな味わいのある作風で、フランスでは90篇以上の作品がいまだに愛読されている人気作家です。

 

 それでは、ボワロー&ナルスジャック「爺さんと孫夫婦」(川口明百美 訳)。どうぞお楽しみください。

 

f:id:honyakumystery:20150810140013j:imageフレンチミステリ短篇 爺さんと孫夫婦.pdf 直

(PDFファイルでの提供です。上記リンクをクリックで閲覧できます。ダウンロード希望の場合には右端のダウンロードアイコンをクリックしてください)

 

高野優(たかの ゆう)

 フランス語翻訳家。高野優フランス語翻訳教室主宰。白百合女子大学大学院非常勤講師。訳書にヴォートラン『パパはビリー・ズ・キックをつかまえられない』『グルーム』、カミ『機械探偵クリク・ロボット』『ルーフォック・オルメスの冒険』ほか多数。

 

●マルセル・エイメ「三つの事件」収録

 

 

グルーム (文春文庫)

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2017-03-08

第2回 フレンチミステリーの魅力ってなあに?(執筆者・高野優)

 

 皆さまこんにちは、フランス語翻訳家の高野優です。

 さて、先月は高野が主宰するフランス語翻訳教室で行なっている「フランス語短編翻訳コンテスト」のご紹介をさせていただきましたが、実はこのコンテストの第1回の表彰式が実施された2015年の4月の第六回翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンション大田区産業プラザPiO)では、ミステリ研究家の小山正さん、ミステリ書評家で本コンテストの顧問でもある吉野仁さんという、フレンチミステリーをこよなく愛し、また造詣の深いおふたかたと、『その女アレックス』の訳者の橘明美さんをゲストにお招きして、高野が進行役を務めて、座談会が行なわれました。その時の模様が録音してありましたので、本日はそちらを記事におこしたものをご紹介します。

 

 皆さん、フレンチミステリーの魅力をたっぷり語ってくださっています。また、〈気まぐれな猫〉のようなフレンチミステリーとのつきあい方や、フレンチミステリーを読むならこれというお勧め本も紹介してくださっています。フレンチミステリーに少しでも興味のある方には必読の記事。これまでそれほど興味のなかった方には、新しい出会いが待っているかも……。

 どうぞお楽しみください。

 なお、4月22日に開催される第八回翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンションのなかでも、第3回「フランス語短篇翻訳コンテスト」の表彰式が行なわれます。皆さまよろしくお願いいたします。

  

フレンチミステリーの魅力を探っていこう

 

出席者

小山正さん(ミステリ研究家)

吉野仁さん(ミステリ書評家)

橘明美さん(翻訳家)

進行:高野優(翻訳家)

 

f:id:honyakumystery:20170307093613j:image:w500

(橘明美さん、高野優さん、吉野仁さん、小山正さん:事務局撮影)

 

2015年4月25日 翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンション

〈フランスミステリの小部屋〉にて(構成 竹若理衣)

 

■ミステリの発祥はフランス!?■

 

高野:本日はフランスミステリの魅力について、皆さまのお話を伺いたいと思います。

小山:近代ミステリの発祥は、通常はポー『モルグ街の殺人』(1841年)といわれますが、僕は、もっと遡ってフランス発祥ではないかと考えているんです。フランソワ・ヴィドックによる近代捜査が始まり、そのヴィドック回想録』1827年)を元に小説を書いたのが、ポー。そういう意味では、源泉はフランスだと言えるんじゃないでしょうか。実は、ハードボイルドの源泉もフランスだと、僕は考えているのですよ。

高野:ハードボイルドはフランスの読者も好きですね。ボリス・ヴィアンがセリ・ノワールでレイモンド・チャンドラーを訳している。ほかのジャンルでみるとどうでしょうか。ミステリというと本格を指すことが多いですが。

吉野:まず言えるのは、日本人の考えるミステリとフランスでは異なるということですね。もともと日本では、英米の探偵小説が中心で、謎解きの探偵ものが〈本格〉と呼ばれたわけですから。ミステリ=推理小説=誰も考えなかった斬新なトリック、探偵による真犯人探し、読者に対するフェアな姿勢=本格という意識ですね。その見方からするとフランスは風変わりで、いくつもの作品が〈変格〉というような扱いをされてきました。今は、そういう意識が変わってきているし,犯人捜しではないサスペンスものも評価されるので、受け入れやすくなっているのではないでしょうか。

高野:変格には、トリックはあまり関係がない?

吉野:人にもよるでしょうけど、一般にフランス人はトリックにこだわって読んではないじゃないかと思うことがあります。トリックが苦しいものやフェアでないものが多くある。ただ、だから駄目だと言いきれない、また違う面白みがあるんですね。

小山:元々、ヘンな小説を評価する土壌がありますよね。例えば、パトリシア・ハイスミスはフランスでは巨匠扱い。チェスター・ハイムズもそう。〈墓掘りジョーンズと棺桶エド〉の黒人刑事ものの作品も、作家の情熱が伝わって面白いけれど、小説としては破綻している。でもフランスでは評価が高いんです。

:本のあり方が、もう違いますよね。原書読んでいても、なんだこれはって作品もあるんですが、そういう本のほうが印象に残っていたりするんです。

小山:かっちりしとした謎解きする本格作品もないわけじゃないだろうけど、別にそうじゃなくてもOKだという。一発芸に寛容な世界かな。

:多分、フランス人は枠が嫌いなんです。お弁当箱の中に物をおさめるのが嫌い。まず枠を壊す。ミステリでも同じですね。

高野:枠をこわすのが一番の目的みたいな。

小山:犬飼道子さんが『ヨーロッパの心』岩波新書)の中で、フランス人は100人が100人、違うチーズを作るということを書いているんです。

:こういうものがチーズだという概念がないんですね。ミステリもそう。意識してミステリの型を壊すというより、元々の概念がないですね。

高野:ミステリを書こうという気がない?

:私たちが思っている、ミステリの概念はないですね。

吉野:精神分析医の加賀乙彦さんも、日本人は「自分はまわりの人と違ってる」という心配で精神科に来るけれどで、フランス人は「みんなと同じじゃないか」と不安で病院にくると書いていましたよ。

高野:やっぱり、フランス人はミステリを書くつもりがない? えーと……今日はフランスミステリの魅力について、皆さんに語っていただいております(爆笑)。

吉野:いえ、今言っているミステリというのは、なんというか英米の見方のミステリで、フランス人も多分、一生懸命に自分なりの面白いミステリを書いているんですよ(笑)

高野:本格の作品というと、ガストン・ルルー『黄色い部屋の秘密』がありますよね。

吉野:この作品について、僕は語りたいことがあります。日本では密室ものとして評価されてきています。でも、作者は主人公ルールタビーユのを中心とした、別のテーマを書きたかった小説だと思うんです。もちろん密室の要素はありますが、トリックもトリックなので(苦笑)、作者が書きたかったのは、それだけじゃない。まだ、面白さが語られていない部分があると思います。

小山:おっしゃる通りで、ルールタビーユを主人公にした作品の多くは、冒険小説ですよね。本格ミステリとは違う興味があるのは明らかです。でも『黄色い部屋の秘密』に関しては、映像版が傑作ですよ。一瞬でいなくなるというトリックが、笑いなしでは見られない(爆笑)。瞬間芸、一発芸みたいな。日本で公開されていないので、どこかで上演されたらぜひ。フランスで本格が好きな人は、異端なのでは。

高野ポール・アルテはどうでしょう?

小山:あれは、本格ミステリマニア向けだと思います。フランスの読者にもいるんですよ、本格マニアが。例えば、ジョン・ディクスン・カーのラジオドラマ全集が、マニアによってフランスだけで出版されているんです。全4巻計2000ページを越える立派な本です。異端の人たちも頑張っているんですね。でも本格は本流にはならない。

高野:他の人と同じことをしたくないから、本格をやっている?

小山:アルテは評価が高いですね。人と違うことをやっているから(笑)

 

■未開の領域 ネオポラール&ノワール■

 

高野:サスペンスは最近、どうでしょうか?

:得意だけれど、ちょっと毛色が違うところもありますね。

高野:昔は、カトリーヌ・アルレーや、ルイ・C・トーマなんかがあったんですが。

小山:最近だとセバスチャン・ジャプリゾ『シンデレラの罠』の平岡敦さんによる新訳が創元推理文庫から出ましたね。あれはいいですよ。しっかりサスペンスですし。サスペンスとフランスは肌があうんでしょう。

高野:ついで、警察小説はどうでしょう。ピエール・ルメートル『その女アレックス』もそうですよね。

:ただ、そんなにかっちりと描かれているわけではないんです。警察内部に関しては、パリ警視庁賞作品がまともですね。作品がちょっと地味にまとまっているのが残念ですが。

高野:ただ、警察関係者が審査員になってというのが面白いよね。

小山:そこがおしゃれ。

高野:日本も、桜田門賞とかあったらね(笑)

小山:そういえば、パリにあるミステリ図書館が素敵ですよ。BiLiPoという図書館で (Bibliothèque des lettératures policières )、ミステリを大切にしているんですね。警察官がミステリを丁寧に審査するだけあって。だって、シテのパリ警視庁にいくと、メグレの碑があるんですよ。ここで働いていたって。

高野:働いていた!?

小山:そう。架空のキャラクターなのに、日常に溶けこんでいる。愛されているんですね。

高野:次に、ノワールはどうでしょう。

吉野:戦後、ネオポラールという、若い作家たちがでてきたんですよね。そもそも第一次大戦で従軍していた人たちが、戦後、英米のいわゆるハードボイルド派を紹介しようとセリノワールを立ち上げ出来たジャンルですが、戦後になってからジャン=パトリック・マンシェットをはじめ、影響力のある自国の作家がでています。ただ、日本ではまだ全貌がわかっていない。〈ノワール〉という言葉だけが多用されるけれど、実際、未訳の作家、作品が多いですからね。今回、短篇企画のなかにも何作かあって、非常に面白かったです。文体からちがったり、調べると作者の経歴が面白かったり、エリートなのに労働階級だったりとか。背景も含めて面白い。

高野:80年代のネオポラールの作家は、本当にまだ日本で紹介されていないんです。ティエリー・ジョンケ『私が、生きる肌』『蜘蛛の微笑』改題)1冊だけですからね。あの辺りが、全然紹介されていないんです。ただ、わけわからないものもあるので、いい作品を厳選していかないと……。

:本当にノワールになっちゃう?(笑)

小山:僕は、A.D.G. に興味あります。右翼系社会派ノワールといった感じの作家です。『病める巨犬たちの夜』は、一人称複数小説、我々が主人公というかわった作品です。早川から出てますが、これも厳選したんでしょう。他の作品は、辞書ひいてもわからない言葉が多くて。言葉遊びの極致だから、翻訳不可能なんですよ。あ、いや、高野先生なら可能かも(笑)

高野:今回短篇企画をやって、フレデリック・ファジャルディの作品はすごいなって思いましたが。

小山:いやぁ、まったくノーマークだったんです、僕、ファジャルディは。『ミステリ百科事典』みたら、しっかりでていましたが。

吉野:向こうではメジャーなんですか?

高野:80年代半ばには名前でてきますね。あの頃、ヌーベル・エディッション・オズワルドという出版社があって、そこにはフレデリック・ダールピエール・シニアックと一緒に、かなり入っています。

小山:ああ、その二人はもっと読みたいね。

高野シニアックはもっといきたいですね。

吉野:短篇企画にあった「血の海に映る移ろいゆく影」も、すごい作品だと思いました。戦争で壊れていく若者の心理を描いた、戦争批判小説のような内容ですが。なんでもっと訳されないんでしょうね。

 

■フランスものの強みは人間観察力!■

 

高野:読者には、フランスものの読み方というのを、英米からずらしていってもらうとして。さしあたって、どこを読んでもらいましょう?

吉野:多様な面白さを読んで欲しい。それが一番。

高野:トリックはもう諦めて欲しい?

吉野:今の読者は、そういうところを気にしないのではないかと。あとは、短篇企画でもあった、リンダ・レみたいな作家。ベトナム人女性作家なんですけど、短篇がどれも奇妙。マネキンの視点で書いた作品とか、父親との手紙のやりとりで親子の確執を描いた作品とか。女性の様々な人生模様に、意外な真相が結びついているというのが、読みどころでしたね。

:フランスの一番の強みは人間観察力ですよね。それがおかしみや悲しみを生んでいる。その要素は、必ずミステリにも入っているんです。

吉野:うまくオチがきれいにきまったのは、英米小説にもあるので。風変わりなもののほうが残るし、今、うけるのではないかな。

:読後感はどうでしょう? わりと不条理をえぐるものが多いように思いますが。

吉野:それが面白さでもあるんです。エスプリとかユーモアとか奇想天外な発想が、そのあたりを助けてくれる要素かと。

:確かに、奇想天外ではありますね。例えば、ラブレー『パンタグリュエル物語』みたいな感覚は、未だにフランス人に生きているのでは。発想がトリックではなく、違うところにいく。

ただ、多くは失敗して、崖から飛び降りちゃうんですが。

小山:エスプリは、フランスの小説を読む醍醐味だと思うんです。『その女アレックス』を読んでも僕は、刑事のキャラクターで笑ってしまうぐらい。あの突き抜けたキャラはもっと論じて欲しい。この作品は暗いだけじゃない、というものにしているんです、あの三人は。

:私も、あのキャラがないとちょっと訳せなかったです。

小山:余談なんですが、カミュ『ペスト』を読み返してみたら、昔と感じ方が違ったんです。現代の日本に通じる作品だと思いました。暗いだけでなく、人生のプラス面と二つの側面が描かれている。一方で、カミはくだらないけど、人生観を感じるんです。ペーソスがあるんですね。笑いだけではない、深みがあると特に思います。

高野:カミは落語ですね。ちょっと宣伝になるんですが、『名探偵オルメス』が新訳で出ます。東京創元社さんから。僕の宣伝です(笑)。あれは、落語です。馬鹿な設定なのに、みんな切実なんです。(編集部注:コンベンション後の2016年5月に『ルーフォック・オルメスの冒険』として創元推理文庫より刊行)

吉野:頭の使いどころが違うのかもしれませんね。ときおり感性の鋭さが突出した作家はいますよね。いつもそうだとは限らないだけど。

:論理的な頭のよさじゃないんですね。だから筋だけを読むと、あれってなっちゃう。

小山:筋がないときもありますよね。

:きっと、筋がないといけないと誰がきめたのって、フランス人作家はいうでしょうね。

小山:昔、世界中の映画監督に各国の映画を語らせるという本があったんです。他の人は真面目に歴史を語っているのに、ジャン・リュック・ゴダールだけは、なぜか喫茶店の会話。ところがちゃんと会話の中で、映画史になっている。対話のなかで本質的なものをつきつめていく。頭の使っているところが違うんです。

:違いますね。感覚が簡単に分析できない。それが魅力なんですけれど。

高野:作品としては、何を読めばいいでしょう?

吉野:その人が何を好きによるでしょうが。名作がわかりやすいんじゃないかな。ピエール・シニアック『ウサギ料理は殺しの味』とか、セバスチャン・ジャプリゾ、僕の好きなジャン・ヴォートランとかがおすすめ。読む体力があればジョルジュ・シムノンもいいけれど。

高野シャルル・エクスブライヤも面白いですよ。そういえば共同体が舞台なのが共通してますね。

吉野:人をくった感じがある作風ですよね。

:その、人を食った感じが頭に来ることあります(笑)

吉野:ただ、今、手に入りにくいんです。

小山:リアルタイムで手に入る、フランスミステリは少ないですね。小説はあるんですが。シムノンといえば、ある日、池波正太郎鬼平犯科帳じゃないかと思ったら、すっと読めるようになったんです。時代小説好きな人は、意外とメグレにフィットすると思いますよ。

高野:ちょっと読み方をずらしてやると、これ面白いと思うのはいい切り口ですね。

:カミの落語もそうですけれど、江戸のエスプリが通じるかも。

小山:江戸の意気みたいなのは、似ているかもしれませんね。最近刊行されたものでいうとエルヴェ・コメール『悪意の波紋』は評判いいですよ。

吉野:あれも変な話です。

小山:僕は、ジャック・ルーボー『麗しのオルタンス』が好き。いい歳のおじさんが書いているんですけれど、作品はとても若々しい。翻訳は、まだ一冊目だけなんです。売れてないのかな。声を大にして、読んで欲しい!(編集部注:その後2017年3月に『誘拐されたオルタンス』創元推理文庫より刊行された) あとフレッド・ヴァルガス『青チョークの男』などアダムスベルグ警視ものは、伏線も絶妙で本当に面白い。今、一番素敵な作家じゃないかな。

吉野:英語にも多く翻訳されていますね。CWA賞とっているし。イギリスでは、ヴァルガスルメートルが双璧でしょう。

高野:じゃあ、ぜひそのあたりからフランス物に入ってもらってと。

小山:あともう一冊、ユーベル・モンティエ『完全犯罪売ります』。これ、究極のフランスエスプリです。振り切れているぐらい。

高野モンティエも作品が多いわりに、あんまり訳されていないんです。

小山:結構、歯ごたえあるんで、途中読み直さないとわからなかったりするですが。でもおすすめです。一回読んでも諦めず、時間をおいて、何度かチャレンジして欲しい。

吉野:僕はあと、最近『眠りなき狙撃者』が文庫になったのでジャン=パトリック・マンシェットも、読んで欲しいですね。

小山:不思議な作家ですよね。どこがいいって言えないけど、どこかパッションがあるんです。フランス独特の。それがいい。

吉野:子供の頃に読んでも、多分わからなかったでしょうね。どんどん省略されて行く感じが、すごいなと。筋も単純、でもそぎ落として書いているという。ただ、好きということでは、やっぱりジャン・ヴォートランが好きですね。もっと読みたいなあ(高野をチラリ)。『グルーム』みたいなの。

高野:はい、再来年ぐらいには、出せるように。頑張ります(高野注:あと、もう二、三年待ってください。『ゴミの王』を翻訳します――2017年2月記)。

:私は、じゃあ、名前が出なかったところで。ミステリには絞れないでしょうが、マルセル・エイメをあげておきます。おかしくて、悲しい。大好きです。

高野:そうですね、短篇企画の作品からも、「三つの事件」というエイメの作品が『ミステリマガジン』の2015年5月号に島津智子さんの翻訳で掲載されました。

吉野:同じく短篇企画にあった「ひと組の男女」も面白かった。男女がひとつになってしまうという。しかも二人は、それで幸福なんですよね。ものすごく寓話的で。

高野:あれも、そのうち皆さんに読んでいただきたいですね。(時計を見て)あらら、楽しい話をうかがっているうちに、あっというまにお時間が来てしまいました。本日はありがとうございました。

 

高野優(たかの ゆう)

 フランス語翻訳家。高野優フランス語翻訳教室主宰。白百合女子大学大学院非常勤講師。訳書にヴォートラン『パパはビリー・ズ・キックをつかまえられない』『グルーム』、カミ『機械探偵クリク・ロボット』『ルーフォック・オルメスの冒険』ほか多数。

 

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2017-02-08

第1回 フランス語未訳短篇発掘プロジェクトって何?(執筆者・高野優)

 

 皆さまこんにちは。フランス語翻訳家の高野優です。毎日、寒い日が続きますね。それでも窓から入ってくる日差しは明るく、それだけを見ているともう春が来たようです。まさに「光の春」ですね。このまま暖かくなって、本格的な春を迎えたら、翻訳ミステリー大賞の発表もまもなくです。

 

 さて、翻訳ミステリー大賞の授賞式では、一昨年から「フランス語短篇翻訳コンテスト」の表彰式を行ってきました。これは会を運営するシンジケートのご好意によるものですが、参加者の皆さまには、いったいこの表彰式はなんなのだろう? どんなところが主催して、どんな目的があるのだろうと不思議に思っていらっしゃる方がいるかと存じます。そこで、本稿ではそういった皆さまの疑問にお答えし、私どものプロジェクト、そして表彰式にご理解をいただきたいと思っております。

  

 まず、主催するのは、「フランス語未訳短篇発掘プロジェクト事務局」で、その母体は高野が主宰するフランス語翻訳教室で、メンバーは教室で一定の課程を修了なさった方に限られています(メンバーは100人ほどで、そのなかには以前高野が教鞭をとっていた翻訳学校 Babel University時代の修了生も含まれています)。また、顧問は文芸・ミステリの分野で幅広い活躍をしていらっしゃる書評家の吉野仁さんにお願いし、毎回、全作品に目を通していただいて、ご講評をいただいています。

 

■フレンチミステリの魅力を紹介したい

 目的は、その名前のとおり、フランス語で書かれた未訳短篇を発掘することです。皆さまもご存じのように、ここ数年、文春文庫で刊行された『その女アレックス』をかわきりに(訳者の橘明美さんはBaBel時代の修了生です)、フレンチミステリが注目されていますが、その独特の味わいもあって、その魅力が十分に理解されているとは言えません。その一方で、フランスにはそのちょっとひねった魅力を理解していただければ、面白い作品がたくさん眠っています。

 そうなったら、まずフレンチミステリの独特の魅力を伝える作品を読者の皆さんにご紹介するのが一番だということになりますが、いきなり長篇となるとなかなか出版が難しく、かといってレジュメだけではその魅力が十分に伝わりません。作品の魅力を理解していただくためには、作品を読んでいただくしかないからです。もしそうなら、短篇のほうが雑誌などで紹介しやすく、気楽に作品を読んでいただけるという利点があります(実際、第1回の優秀作品は早川書房の『ミステリマガジン』2015年5月号で紹介されています)。また優れた短篇の作者は当然のことながら、優れた長篇も書くと思われます。したがって、未訳短篇の発掘が未訳長篇の発掘にもつながると考えています。ともかく、フレンチミステリならではの魅力を皆さんに味わっていただきたいというところから始まって、未訳短篇の発掘がそのきっかけとなればというのが、このプロジェクトの第一の目的です。

 

■フレンチミステリの訳者を育てたい

 もうひとつの目的は、フレンスミステリを訳す翻訳者を養成することです。あたりまえのことですが、海外ミステリを出版して、読者の皆さんに楽しんでいただくためには、そのミステリを日本語にする翻訳者が必要です。けれども、その翻訳者を養成するには、それなりの時間がかかります。ミステリを単独で翻訳するには、勉強を始めてから早くても5年は必要ではないでしょうか? といっても、教室のほうは2年から3年で修了になりますので、翻訳者を目指す人は、教室での勉強とはちがうかたちで腕を磨く必要が出てきます。だとしたら、翻訳者を目指す人に面白い未訳短篇を発掘してもらい(これによって、作品を見る目が鍛えられます)、その面白さを伝える訳をつくって、メンバーがひとりの読者としてその作品を読み、コンテストをしたら、優秀な作品が発掘できるいっぽう、翻訳者を目指す人のステップアップにつながるのではないか? そう考えたわけです。翻訳を勉強して教室で優秀な成績を収めた人がプロの翻訳者になるためには目に見えない壁を越える必要があって、その壁は自分の訳したものが読者の目にさらされることによってはじめて越えられます。未訳短篇発掘プロジェクトの一環として短篇翻訳コンテストをするのは、そういった目的があるのです。 

 

 そういった目的で、3年前から始めたこのプロジェクトですが、現在、ミステリを中心に50冊ほどの短篇集に収められた1000以上の短篇(古典から現代まで、またノワールからサスペンスまで幅広い分野にわたっています)から傑作を見つけようと、メンバーが片端から読んでいき、その結果、これは面白そうだと選んだ短篇が2014年度は42篇、2015年度が39篇、そして2016年度は38篇、合計で119篇訳されています。

 

 そして、2016年度の優秀作品については、本年も翻訳ミステリー大賞を運営するシンジケートのご好意により、4月22日に行なわれる大賞の公開開票式&授賞式で、表彰式を行なう予定になっています。ただ、版権の問題があって、せっかく優秀作品を表彰しても、その作品を皆さまに直接ご紹介することができません。これは大変残念です。また、皆さまのほうも、「作品を読んだこともないのに、またすぐに読めるわけでもないのに、コンテストの結果だけ知らされても」というお気持ちがあるだろうと思います。その点につきましては、受賞の決まった作品の内容や作家についての情報を別途お知らせするいっぽう、たとえば、そのうちに翻訳された短篇がたまったら、顧問である吉野仁さんに選者になっていただき、『フランスミステリ短篇傑作集』を編んでいただくなど、なるべく早い機会に、皆さまに素晴らしい作品をご紹介し、フレンチミステリの魅力を味わっていただけるような企画を考えていきたいと思っています。

 

 というわけで、現在のところ、きわめて地味なプロジェクトではありますが、こういった地道な活動がやがて、フレンチミステリの傑作の発見につながり、その傑作を『その女アレックス』の橘さんの訳のような素晴らしい訳で読んでいただけることにつながるのではないかと考えています。

 どうぞこの「フランス語未訳短篇発掘プロジェクト」及び「フランス語短篇翻訳コンテスト」を温かい目で見守ってくださるよう、よろしくお願いいたします。

 

高野優(たかの ゆう)

 フランス語翻訳家。高野優フランス語翻訳教室主宰。白百合女子大学大学院非常勤講師。訳書にヴォートラン『パパはビリー・ズ・キックをつかまえられない』『グルーム』、カミ『機械探偵クリク・ロボット』『ルーフォック・オルメスの冒険』ほか多数。

 

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