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2015-12-22

11月度の金の女子ミス・銀の女子ミス発表!(執筆者・大矢博子)

 

 デロリアンDMC-12でのドライブがお好きな奥様、こんにちは。理科室でラベンダーの香りを嗅いだことのあるお嬢様、ごきげんよう。11月度の金銀女子ミスですよ。え? 何かおかしいですか? 気のせいですよきっと。でなければ、デロリアンかラベンダーのせいですよ。ええ、きっと。

 

 何事もなかったように始めましょう。アラン・ブラッドリー『不思議なキジのサンドウィッチ』(古賀弥生訳・創元推理文庫)は化学オタクで小生意気な少女探偵フレーヴィアちゃんのシリーズ第6作。前作『春にはすべての謎が解ける』の最後で、十年前にヒマラヤで行方不明になっていたフレーヴィアのお母さんが「見つかった」と告げられて以来、もう続きが気になって気になって。

 本書は、お母さんの遺体がバックショー荘に運び込まれる場面に始まり、葬儀までが描かれる。11歳のフレーヴィアが、化学の力でお母さんを生き返らせようと一生懸命になるくだりなんて、ちょっと泣きそうになったわ。その一方で、徐々に明らかになっていく事実には度肝を抜かれた。キュートでマニアックなだけかと思っていたら、まさかこんな予想だにしない「真相」と「結末」が用意されていたとは! 本書はここまでの6巻すべてに跨る謎解きです。そうして思い返してみれば、第1作『パイは小さな秘密を運ぶ』のあんな場面とか、第2作『人形遣いと絞首台』のあんなセリフとか、いやそれ以前のあの大前提も、わあ、すべてがバチバチとハマっていくじゃないか。いやもうてっきり、少女探偵ナンシー・ドルーの理系版くらいのつもりで読んでたけど、まいりました。脱帽。

 次巻からは舞台を変えての第二部がスタートするのかな? たのしみー♪

 

 エメリー・シェップ『Ker 死神の刻印』(ヘレンハルメ美穂訳・集英社文庫)も読み始めたときには予想だにしなかった展開に翻弄された一冊。移民局の職員が殺され、妻が第一発見者。捜査するのはクールな上流階級出身の美人女性検事ヤナと、労働階級出身で子どもの頃からワルだった女性刑事のミア。でもってミアはヤナのことが大っ嫌い……っていう設定見たらさ、最近多いスウェーデンの一般的なフェミクリミだと思うじゃない? 事件の捜査とこのふたりの対立が並行して描かれるってパターンだと思うじゃない?

 それがまあ、いやまさか、こんな展開にするとはね! 事件は「子どもの殺し屋」を巡って進むんだけど、その過程で捜査側にいるヤナの過去が次第に明らかになっていく。違う、これ思ってたんと違う。通り一遍の警察捜査小説と違う。エグいったらありゃしない。半分も読まないうちに「これ女子ミス物件じゃないわ」と気づいたけど、もう遅い。止まらない。

 ぶっちゃけ、これプロットにはけっこう破綻があるような気がするのよ。「いきなりそんなこと言われても!」と戸惑う設定も多々あるし、ダークヒロインものと呼ぶには活劇的だし、どこまでリアルに受け取るべきなのかもわからない。でも迫力負けしたわ。小さいことなんかどうでもよくなるわ。いやあ、引っ張られました。

 

 パラノーマルから別名義でのヒストリカルまで、幅広い作風を誇るジェイン・アン・クレンツの約1年ぶりのロマサスは、『眠れない夜の秘密』(喜須海理子訳・二見文庫)。雇い主の死体を発見したヒロインがその後何者かに狙われるという、サスペンスの構造として実に王道パターンであり、ブラインドデートで知り合った金持ちのゴージャスな男とは第一印象最悪、その後惹かれ合うというロマンス部分でも王道。エピソードや人間関係、小道具も含め、いい意味で「凝ってない」ベーシックなロマサスです。

 それにしても、ヒロインの職業が自己啓発セミナーでアファメーション(前向きになれるようなちょっといい言葉)を作ることってのが、なんか妙にイマドキで面白い。てか、「自己啓発セミナーに勤務するベジタリアン」というヒロインの造形から受けるイメージって、アメリカと日本では異なるのかな。むしろヒロインの友人(悪い人じゃないんだけどおせっかいで少々ひとりよがりな)にありがちな設定のように見えるけども。

 

 ジュリー・ハイジー『クリスマスのシェフは命がけ』(赤尾秀子訳・原書房コージーブックス)は「大統領の料理人」シリーズ第2弾。前作『厨房のちいさな名探偵』の最後でホワイトハウスの厨房のエグゼクティブ・シェフになったオリーが、今度は爆弾騒ぎに巻き込まれます。これはとってもエキサイティング! 「いつ、何が起きるか」はわからないのに、何かが起きることだけはわかってる。見るからに怪しいのにそれがどうつながるかわからない小さな事故や事件が、終盤で一気に意味を持ち出す快感たるや。

 前巻で「あなたがたとえテフロン製でも、たぶんわたしは焦げつくわ」という名セリフとともに成就したオリーとトムのカップルは、今回はすれ違いで甘い場面は無し。代わりに主任特別捜査官のギャヴィン登場。最初はかなりクセのあるすっごい嫌なヤツなんだけど、だんだん可愛くなるぞ。今回限りの登場なのかな?

 巻末レシピはクリスマスがらみのイベント料理前菜 特集。でも個人的にはシェルターの中でオリーが大統領夫人のために用意した、非常食の缶詰を使った鶏丼に興味があるなあ。缶詰の鶏肉に醤油とピーナッツバターを少し加えて油をさっとかけてコショウを振ってレンジでチン。これ試してみたい。コストコにある鶏胸肉の水煮缶でいいのかしら。

 

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  11月の銀の女子ミスは、C・J・ボックス『ゼロ以下の死』(野口百合子訳・講談社文庫)。『沈黙の森』にはじまるワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ第8作です。七福神でも取り上げられてましたね。え、これって女子ミス物件? とお思いでしょう。確かにワイオミングの大自然(ララミー牧場だ!)を舞台にした冒険小説つったら女子度低そうだけども、実はどうしてなかなか読みどころ満載なのよ。

 まず、主人公のジョー・ピケットが、タフガイのようでいてけっこうキュート。奥さんのお母さんが苦手だったり、娘たちとも仲が良かったり。マッチョでタフで元特殊工作部隊なんつー硬派な男にして家庭を大事にするってポイント高くない? 今回は1ヶ月にショートメールを千通やりとりする女子高生文化にビビるジョーなのであった。

 そしてピケットの相棒ネイト・ロマノウスキがいい! すごくいい! これはピケットとは異なるタイプで、どこまでも孤高のアウトロー。長身・金髪・ポニーテール。人間より鷹が好き。容赦なし遠慮なし迷いなし。デニス・レヘインのアンジー&パトリックシリーズに於けるブッバみたいな存在といえばイメージできるかな? 何よりプロフィールが「FBIから追われてる鷹匠」って、意味不明すぎて笑えるわ。しかもピケットの長女シェルダンと仲がいいって。何そのキュートな設定。

 

 特に本作ではシェルダン大活躍。いつも以上にピケットの家族がクローズアップされ、しまいには家族総出である人物を追います。ジョー&ネイトのタッグもいいし、女の子たちも頑張る。チェイスに次ぐチェイスでのめり込むこと間違いなし。おまけに敵方のギャングの大ボスも、ちょっと切ないキャラ設定で手に握る汗も倍増だ。シリーズ8作目だけど、ここまでの人物関係は仲でちゃんと説明してくれてるから大丈夫。むしろここから読めば、きっと既刊が読みたくなるはず!

 ……ところでこのシリーズ、読むたびにデイナ・スタベノウのケイト・シュガック・シリーズを思い出すのよね。「自然」というざっくりした共通項しかないんだけども、なんでかしら。

 

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 さあ、11月の金の女子ミスカレン・ローズ『愛の炎が消せなくて』(辻早苗訳・二見文庫)に決定! 誰か、誰かあたしにカレン・ローズについて語る場所を下さい! 会う人ごとに勧めて回りたい。カレンの面白さはね、そもそもシングルタイトルの最初の邦訳『誰かに見られてる』がロマンスレーベルではなく文春文庫から、その次の『復讐の瞳』『暗闇に抱かれて』の2作はハヤカワ・ミステリ文庫から出たということが証明してると思うのよ。つまりロマサスの枠を超えて、一般サスペンスとして出されたわけで。そうなんですそれほどまでにカレンのロマサスは、「ロマンスのためのサスペンス」ではなく、サスペンスそのものが読ませるんです。なのに! なぜ! 片っ端から品切れなのかと!

 今回の『愛の炎が消せなくて』──原題 Silent Scream がこのタイトルになっちゃうのはロマンス文法なので仕方ない──は、大学生4人組が環境保護を訴えるためのデモ行為として湖畔に建設中のコンドミニアムに放火、ところが無人のはずのコンドミニアムには少女がいて、火事で亡くなってしまうという事件から始まります。これも一般レーベルから出てもおかしくない、とても硬派なサスペンスですよ。もう文句なし、さすがRITA賞受賞作

 

 ロマサスなので、女性刑事のオリヴィア(かっこいい!)と消防士のデイヴィッド(ゴージャス!)を巡るあれやこれやももちろんあるんだけど、いやもう、この作家のサスペンスはガチだからね? 緻密で、伏線ビシバシ張って、特に犯人にまつわるヒントの出し方が絶妙! 「え? あ? もしや……うわああこれかああ」ってなるよ。うまいわー、さすがカレンだわー。事件は思わぬ方向にどんどん展開し、先が気になってやめられない。登場人物もみんなしっかり描きこまれて魅力的。

 しかもね、「話を盛り上げるため主人公にひとりよがりな危険をおかさせる」という手法を、カレンはとりません。オリヴィアもデイヴィッドも情報が入ればちゃんとシェアするし保険もかけるし避妊もする。だからストレスなく読める。直立するくらい分厚い800ページ超の長さを、仕事も家事もほっぽり出して一気読みしちゃったからねあたし。

 そして全編を貫く「自分を責めるな」というメッセージが胸に刺さるよ。身近な誰かに不幸があったとき、自分がこうしていれば防げたかもしれないのにと悔やみ、そこから抜け出せなくなってしまうというのは、ままあること。でも、そうじゃないんだと、登場人物の複数のエピソードを通してカレンは力強く訴えてきます。

 で、どうやらこの作品の前日譚が未訳らしいのね。ぜひ出して欲しい。文春、ハヤカワ、扶桑社ロマンスと流転してきたカレンだけど、どうか二見で出し続けてくれますように!

  

大矢 博子(おおや ひろこ)

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 書評家。著書にドラゴンズ&リハビリエッセイ『脳天気にもホドがある。』(東洋経済新報社)、『読み出したら止まらない! 女子ミステリー マストリード100』(日経文芸文庫)、共著で『よりぬき読書相談室シリーズ(本の雑誌社)などがある。大分県出身、名古屋市在住。現在CBCラジオで本の紹介コーナーに出演中。ツイッターアカウントは @ohyeah1101

 

パイは小さな秘密を運ぶ (創元推理文庫)

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人形遣いと絞首台 (創元推理文庫)

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沈黙の森 (講談社文庫)

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誰かに見られてる (文春文庫)

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復讐の瞳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ロ 5-1)

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脳天気にもホドがある。 ―燃えドラ夫婦のリハビリ日記

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2015-10-13

6月度の金の女子ミス・銀の女子ミス発表!(執筆者・大矢博子)

 

 衣替えに余念のない奥様、こんにちは。秋のブーツを新調したお嬢様、ごきげんよう。あれほど暑かった夏も、過ぎてしまえば寂しいもの。今回は逝く夏を惜しんで、初夏を振り返りましょう。6月の金銀女子ミスです。こういう書き方をすると、まさかただ遅れていただけとはとても思えませんね。この世の中、たいていのことは何とでも理屈がつけられるもんですね。すごいですね。

 

 6月には嬉しいニュースがふたつありました。ひとつはジェイムズ・ヤッフェ『ママは何でも知っている』(小尾芙佐訳・ハヤカワミステリ文庫)がなんとポケミス刊行から38年の時を経て、初の文庫化&電子化! 伝説的・代表的な安楽椅子探偵モノであると同時に「やたらと頭のいい姑と戦う嫁に幸あれ!」と願わずにはいられない嫁姑モノでもあります。幸あれ、つっても2巻以降、嫁は死んじゃって出てこないんだけどね(絶対ストレスだと思う)。創元推理文庫の長編も復刊してくれないかな。

 

 もうひとつの「嬉しいニュース」はあとにまわすとして、6月の新刊をば。

 カーリン・イェルハルドセン『子守唄』(木村由利子訳・創元推理文庫)はショーベリ警視シリーズ第3弾。これまでのシリーズ2作『お菓子の家』『パパ、ママ、あたし』はもう暗くて重くて辛くて、子どもが理不尽に辛い目に遭う場面なんか直視できず、まるでエロビデオのモザイクを見透かそうとする男子高校生のような薄目で読んでいたけれど、それに比べると今回は辛さ半減。冒頭で殺される子どもも、眠ったまま一気に首を裂かれるので痛みも恐怖も感じないまま死ねたはず……って、おい、それを「よかった」って思っちまったよ判断基準おかしいよどうしてくれる北欧ミステリ!

 テーマは贖罪。相変わらず重い。重いけど読まされる。冒頭で殺される母子には殺されるような理由が見当たらない。ところが捜査の過程で思いがけない人物の名が浮かんで……というもので、読み始めてからの吸引力とドキドキは今月ナンバーワン。いやもうホント「気づけよ!」とショーベリたちの肩を掴んで揺さぶりたかったね。その後に待ち受ける結末と言ったら……おおぅ。

 ただ、シリーズ過去作から持ち越されてる問題とか、ショーベリ警視チームの個性とか、そのあたりがクローズアップされるので過去作読んでないとイマイチわかりにくいところがあるかもしれません。

 

 続いてはシェリー・コレール『ひびわれた心を抱いて』(藤井喜美枝訳・二見文庫)。テレビレポーターを狙った連続殺人事件をめぐるロマサスで、脇キャラがすごくいい! 特に靴マニアの巡査部長ロッティー(黄色い水玉の濃紺のハイヒールとか、チーター柄のハイヒールとか)(ヒョウ柄ではなくチーター柄なんだ)と、目が不自由なのにやたらとパワフルな70代の退役軍人スモーキー・ジョー。このふたりが光りまくり! 事件もエキサイティングで飽きさせない。文章も読みやすくてくいくい行けます。

 ただ、主役ふたりと犯人の背景や感情に関しては「テンプレの大盤振る舞い」になってて、ツーマッチな印象。まあ、盛り込み過ぎってのは第1作にはよくあることだし、しばらく追いかけましょう。これはどうやらヘイデンが所属する「十二使徒」と呼ばれるエキスパートグループのメンバーが順に主役になるシリーズらしく、今回チラリと出てくる他の十二使徒はなかなかいいキャラだったもんでね。

 

 ロマサスをもう一冊。エリザベス・ミシェルズ『愛は偽りの出会いから』(野村恵美子訳・マグノリアロマンス)。古道具屋で懐中時計を買った伯爵のあとをつけてきた謎の女性。伯爵はその女性と一夜のロマンスを楽しむが、目を覚ますと時計とともに彼女は消えていた……という、出だしななかなか面白そうだったんだけど、そこからの展開が雑! 泥棒(ヒロイン)と被害者(伯爵)が再会したのに、ヒロインは開き直るし、伯爵は激怒してた割に取り返そうとはせず、舞踏会で踊ったりして、えーっと、もうちょっと辻褄というものをだな。

 読みどころといえば、兄がヒロインを政略結婚させようと連れてきた四人の婚約者候補を、伯爵があの手この手で潰す過程かな。ラスボスとの戦いはかなり大掛かりな上、「ああ、そこにつながるのか!」というサプライズもあっただけに、設定の雑さが残念。ディテールさえ詰めればけっこう面白いものを書きそうな新人さんという印象。

 

 今月のコージーはM・C・ビートン『アガサ・レーズンの幻の新婚旅行』(羽田詩津子訳・原書房コージーブックス)。前作で、夫と離婚しないままジェームズと結婚しようとしていたことがばれ、ついに捨てられてしまったアガサ。しかも新婚旅行で行くはずだったキプロスにジェームズがひとりで旅立ったと聞いて、慌てて追いかけたが……。コージーのシリーズが続くと必ず入ってくる「旅行の回」ですね。なのでお馴染みの村人たちはほぼ出番なしだけど、キプロスでの長期バカンスのあれこれは興味深かった。トラベルミステリーとして読むが吉。

 しかも今回は『アガサ・レーズンと貴族館の死』に登場した準男爵がアガサと急接近! ジェームズにはベタ惚れだったアガサだけど、準男爵とは最初から喧嘩腰で、でもロマンスだとそういう始まりの方が往々にして……なんだけどさあどうでしょう? それにしても、あいかわらずイチイチ感情の起伏が激しくて疲れるわアガサ。五十路の女性が振られた男にいつまでもしがみつくって、冷静に考えるとあんまりかっこいいもんでもないぞ。

 

 はい、久しぶりに出ましたよ、ジェマ&キンケイドが! デボラ・クロンビー『警視の因縁』(西田佳子訳・講談社文庫)。ここに来て骨太な社会派テーマが目立つようになってきた本シリーズ、今回は移民問題がテーマ。

 夫と二歳の娘を残し、忽然と姿を消したイギリス人の母。妻を探すパキスタン人の夫も行方がわからなくなり、後日他殺体で発見される。先に失踪した妻はどうなったのか? そして遺児の運命は? というのが今回のストーリーで、なかなかにおぞましい展開に胸を揺さぶられるけど、読みどころはむしろサイドストーリーにある。特に、結婚式に悩むジェマ!

 ジェマ&キンケイドは双方子連れでの事実婚だけど、いよいよ正式な結婚が見えてきた。ところが親の望む結婚式と自分のしたい式が食い違い、すっかりマリッジブルー……って、わあ、まさか13作目でそんな二十代みたいな問題が登場するとは(笑)。だってほら、読者はふたりと20年付き合ってるわけで、脳内では酸いも甘いも噛み分けたベテラン夫婦に近かったんだもん。でもここまで辛いことが多かったから、これはこれで長年の読者としては幸せ気分。このシリーズ、意外と途中から読んでもどうにかなるから、試しにどうぞ。

 そうそう、読み終わって殆どの読者が叫んだであろう一言を書いておきます。「そうなる気がしたよ!」

 

 ネレ・ノイハウス『悪女は自殺しない』(酒寄進一訳・創元推理文庫)は、『深い疵』『白雪姫には死んでもらう』から遡る刑事オリヴァー&ピア・シリーズ第1作。飛び降り自殺に偽装された女性の死体の謎にオリヴァーと、夫と別居して警察に戻ったばかりのピアが挑む、コンビとしては初の事件ですね。既刊2冊に比べると事件は小ぶりでシンプルな印象。でも丁寧な作りで、その分読みやすい。てか登場人物は多いんだけど、これ以上複雑にするとワケわかんなくなるというギリギリのところで止まってます。なんとなくこれまでノイハウスを読んでなかったという人も、時系列的には最初のこれから手を出してみるってのはありかも。しかもオリヴァーが過去の恋愛を引きずってたりするよ! ピアがまだ離婚してないよ! 馬好きさんにもオススメだよ!

 

 ところで『悪女は自殺しない』の被害者は、あちこち敵だらけの嫌われ者で殺される理由がグロスでありそうな悪女イザベル。悪女とくれば連想するのはジェゼベルで、あれ?と思ったけど、ジェゼベルはイゼベル(Jezebel)でイザベル(Isabelle)とは違うのね。

 でもって悪女ジェゼベルといえばクリスチアナ・ブランドの代表作『ジェゼベルの死』が浮かぶけども、実はブランド作品の中で最も女子ミス度が高いのは『猫とねずみ』『ハイヒールの死』の二作だと思うの。どっちも入手不可だけど。でも、その『猫とねずみ』のキャラクタが再登場する作品が本邦初訳とあっては、これは読まずにはいられますまい!

 

 それがクリスチアナ・ブランド『薔薇の輪』(猪俣美江子訳・創元推理文庫)。たぶん舞台は70年代。ロンドンの人気女優エステラは、その美貌と、障碍を持つ我が子との交流をを新聞に連載することで人気と富を得ていた。ところがアメリカで服役中だったその子の父親が出所して会いにくるという。そしてその子を預けている農場で事件は起きた……。

 もうね、この作品に関してはストラングル成田さんのクラシック・ミステリ玉手箱「推理のグルーヴの果てに」をお読みください。推理してつぶされて推理してつぶされてという、これぞブランド本格の醍醐味。『猫とねずみ』のチャッキー警部とその夫人(わぁい!)が出てきたときはニヤニヤしちゃった。ひとつだけ、完全に個人的な好みを言わせていただければ、古い作品なんだから、バターつきパンじゃなくてそこは「バタつきパン」と表記して欲しかったなあ!

 

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 6月の銀の女子ミスロン・ラッシュ『セリーナ』(峯村利哉訳・集英社文庫)に決定!

 1929年、ノースカロライナで材木業を営むジョージ・ペンバートン。彼の新妻セリーナは、欲しいもののためには手段を問わない冷酷な女性。毒蛇を退治すべく鷲を手懐け(鷹匠か!)ヒグマを倒すんだぞ、なんだその造形! でもって彼女の周囲では次々と人が死んで、あからさまに彼女の関与が読者に仄めかされる。

 これね、普通だとセリーナの目的は何なのかとか、過去に何があったのかってところに話がいきそうだけど、そういうの一切なし! 彼女はただ非情な野心家としてしか描かれない。そこを物足りないと感じるかクールと感じるかで評価が分かれそう。後半、彼女の殺人ターゲットは一組に絞られます。その理由がミソ。セリーナのターゲットとなった人物の逃避行は手に汗握るぞ。

 それと興味深いのは、当時のアパラチアの材木業の様子。どんだけ命知らずな力仕事かと! しかも読んでくとね、「あ、こいつ次に殺されるぞ」てのがわかるのよ。でも、殺人シーンは出てこない。次に出てくるときはもう死体。もしくはそれすらない。でもセリーナが何をしたかは読者にはわかって、しかも殺される方法がみんな違うというね……。いやあ、これはたいしたノワールですよ。ラストシーンは荘厳ですらあったわ。

 

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 さて皆さん。6月最大の女子ミス的ニュースといえば……セーラ・ケリング・リターンズ! 刊行を決めてくれた編集者さんへの感謝を込めて、19年ぶりのシリーズ新刊、シャーロット・マクラウド『おかしな遺産』(戸田早紀訳・創元推理文庫)に金の女子ミスを進呈します。

 いやあ、よくぞ出してくださった! 90年代コージー全盛期の読者は必ず通った、代表格のようなシリーズで、これでコージーの面白さを知ったという人も多いんですのよお嬢さん方。金の女子ミスにしといてこういうこと言うのもアレだけど、決してシリーズ上位の出来というわけではないんだが(こら)、コージーの邦訳がどんどんストップする中で、まさか今になってセーラに会えるなんて……長生きはするもんです(感涙)。もうこれだけで金の女子ミスの価値があるでしょ。

 今回は、過去にちょっと関わりのあった人物が亡くなり、遺言執行人にセーラが指名されるというお話。単なる通りすがりの関係でしかなかったのになぜ? 残念ながら本書では夫のマックスは海外出張中、従兄夫妻も旅行中。久々のセーラ・シリーズだというのに馴染みの顔が少ないのはかなり残念。特に推しキャラNo.1のシオニアが出てこないなんて! でもマックスの姉一家や親戚の助けを借りて見事に事件を解決するセーラには、まったく変化なし。謎解きと生活感がみごとにブレンドされたコージーのお手本です。

 

 ただ、このシリーズの醍醐味は人間関係の変化にあるので、これだけ読んでも面白さは半分くらいしか味わえない。しかも過去作での事件がベースにあるから(一応、これだけでもわかるように書かれてはいるけど)、置いてけぼり感も否めない。私が書いた文庫解説でここまでのおさらいはしましたが、やっぱり続けて読んでナンボなんですよこれは。

 ということで、9月には第1作『納骨堂の奥に』が復刊されたので併せてお読みください。でもね、なんといってもセーラ・ケリング・シリーズが本格的に始動するのは第二作『下宿人が死んでいく』からなのよこれが傑作なのよいちばん好きなのよ! 復刊プリーズ!


 

大矢 博子(おおや ひろこ)

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 書評家。著書にドラゴンズ&リハビリエッセイ『脳天気にもホドがある。』(東洋経済新報社)、『読み出したら止まらない! 女子ミステリー マストリード100』(日経文芸文庫)、共著で『よりぬき読書相談室シリーズ(本の雑誌社)などがある。大分県出身、名古屋市在住。現在CBCラジオで本の紹介コーナーに出演中。ツイッターアカウントは @ohyeah1101

 

今月とりあげた書籍のKindle版はこちら

 

警視の偽装 (講談社文庫)

警視の偽装 (講談社文庫)

警視の覚悟 (講談社文庫)

警視の覚悟 (講談社文庫)

深い疵 (創元推理文庫)

深い疵 (創元推理文庫)

納骨堂の奥に (創元推理文庫)

納骨堂の奥に (創元推理文庫)

脳天気にもホドがある。 ―燃えドラ夫婦のリハビリ日記

脳天気にもホドがある。 ―燃えドラ夫婦のリハビリ日記

  

【毎月更新】金の女子ミス・銀の女子ミス バックナンバー

 

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2015-08-12

5月度の金の女子ミス・銀の女子ミス発表!(執筆者・大矢博子)

 

 暑い夜にはミントを利かせたモヒートを嗜む奥様、こんにちは。リーデルのビールグラスがお気に入りのお嬢様、ごきげんよう。人類がこの世界に誕生したのは6千万年前と言われています。月になおせば7億2千万ヶ月です。その悠久の歳月を思えば、4ヶ月の違いなんて無いに等しい。そうは思いませんか? 思うでしょうそうでしょう。ということで5月分です。何の問題もありません。ええ、ありませんとも。

 

 でもこの間、無為に過ごしていたわけではありません。いえ、言い訳じゃなくて! えーっと、宣伝していい? 『読み出したら止まらない! 女子ミステリー マストリード100』(日経文芸文庫)が発売になりました〜!

 本コーナーで紹介するような作品に加え、ミステリ趣向のある少女小説・女性文学、実は女子読み可能な名作ミステリー、ジェンダーに関する小説、BL風味、かっこいい男たちがたくさん出てくる小説など、女性のときめきポイントに満ちたブックガイドになりました。ミステリ好きの奥様お嬢様、そしてそんな奥様お嬢様をお持ちの旦那様お父様、ぜひお手にとってみてください。

 

 その中でも紹介したのが、この5月に文庫化された往年の名作、パトリック・レドモンド『霊応ゲーム』(ハヤカワ文庫)です。文庫化だから金銀女子ミスの対象にはならないけど、永遠のf:id:honyakumystery:20140923091321p:image金の女子ミスですよこれは。文庫解説を頼まれた際、「ええええ文庫化っすか!」と電話口で飛び上がり、直後、すでに決まっていたマストリード100のラインナップを無理やり差し替えたね。

 イギリスのパブリックスクールを舞台にした、少年たちの物語。腐要素をお持ちの方もそうでない方も、決して素通りしないでください。邪悪で強烈で張り詰めた、独占欲と嫉妬の嵐。しばらくうなされるくらい残ります。霊応ゲームこじらせ女子が増殖中です。詳細は♪akiraさんの『読んで、腐って、萌えつきて』にてどうぞ。

 

悪魔の羽根 (創元推理文庫) さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫) 歪められた旋律(上) (扶桑社ミステリー) 歪められた旋律(下) (扶桑社ミステリー) 闇からの贈り物 上 (集英社文庫) 闇からの贈り物 下 (集英社文庫) 夏の沈黙

 さて、5月の女子ミスですが、今月はめちゃくちゃ豊作! ぜんぶ紹介するスペースはないので、ミネット・ウォルターズ『悪魔の羽根』(成川裕子訳・創元推理文庫)、バリー・ライガ『さよなら、シリアルキラー』(満園真木訳・創元推理文庫)、ジェニファー・ヒリアー『歪められた旋律』(上下巻・高山真由美訳・扶桑社ミステリー)、V・M・ジャンバンコ『闇からの贈り物』(上下巻・谷垣暁美訳・集英社文庫)、ルネ・ナイト『夏の沈黙』(古賀弥生訳・東京創元社)ってあたりはタイトルだけの紹介にとどめますが、どれも面白いよ! 七福神で紹介されたのもあるし、これら、他の月なら金銀レベルっすよマジで。あ、ミネット・ウォルターズは『読み出したら止まらない! 女子ミステリー マストリード100』にももちろん入ってます。取りあげた作品は、3F的女性私立探偵小説っぽい造形のアレだ! どれだ! 読めばわかる!

 

 ということで以下、ここまで他の記事に登場していないものをメインに紹介しますね。

 ジェーン・K・クリーランド『落札された死』(高橋まり子訳・創元推理文庫)は『出張鑑定にご用心』に続く、アンティーク鑑定士ジョシーのシリーズ第2弾。オークション会場で青酸カリ入りのワインを飲んだ女性が死に、警察はまずジョシーを疑います。ついで浮上した可能性が、犯人の狙いは被害者ではなくジョシーだったのではないかということ。はたして?

 アンティーク鑑定士というと昨今流行りのお仕事コージーっぽいけど、これはキャラクタやお仕事情報やロマンスがミステリの邪魔をしない、とても姿勢のいいミステリです。ジョシーはいきあたりばったりで人を疑って詮索したりしません。好奇心だの正義感だので丸腰で危険な場所に入り込んだりしません。うじうじ悩むところはあるけれど、弁護士に相談し、ボディガードを雇い、常識的に行動します。何より、探偵ごっこに飛び回ったりせずちゃんと仕事をします。すべて当然のことだと思うんだけど、コージーでは意外と少ないのよねえ。これだけで余計なストレスなく読める! テンプレキャラ設定のお仕事コージーにうんざりしてる人におすすめ。

 

 ジュリー・ハイジー『厨房のちいさな名探偵』(赤尾秀子訳・原書房コージーブックス)は《大統領の料理人》シリーズ第1作。お料理コージーは多々あれど、ホワイトハウスのシェフが主人公ってのは他と一線を画すアイディア。和物だと、小早川涼の文庫書き下ろし時代小説『将軍の料理番 庖丁人侍事件帖』(角川文庫)のシリーズのファンにオススメ。いやあ、これが予想以上に良かった。

 ホワイトハウスを揺るがす侵入者事件と、厨房内での次期エグゼクティブ・シェフ争いの二本立てで、料理のレシピ、ホワイトハウスの厨房の内幕(「厨房はいつも誰かがみじん切りをしている」ってのは巧い表現!)、ロマンス、サスペンスのどれをとっても標準以上の出来と言っていいんじゃないかな。パワーゲームでの敵役はあからさまに「嫌な奴」だけど、コージーの場合は最後にはちゃんと溜飲が下がるようにしてくれるので、安心して読めます。

 そうそう、クライマックスのロマンス場面に登場した名(迷?)セリフがこれ。「あなたがたとえテフロン製でも、わたしはたぶん焦げつくわ」──ごめん、コーヒー噴いたわww。

 

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 今月の銀の女子ミスは、エミリー・ブライトウェル『家政婦は名探偵』(田辺千幸訳・創元推理文庫)。楽しい! 面白い! 善人だけど捜査能力はからっきしのウィザースプーン警部補。そんな彼を助けるべく、ウィザースプーン家の家政婦ジェフリーズ夫人を筆頭に、料理人、御者、従僕、メイドで結成された「使用人探偵団」が走り回る。メンバーの集めた情報をジェフリーズ夫人が組み立て、真相を推理して、ウィザースプーン警部を誘導。いいですか、ここ大事ですよ。教えるんじゃないんです、警部補が自分で気づいたと思わせるように誘導するんです。

 使用人が謎を解くってのは、黒後家蜘蛛とかディナーの後とかたくさんあるけど、基本、使用人が主人より賢いという逆転の構図を楽しむケースが多い。その賢さの証明として彼らは話を聞いただけで神のような推理をきらめかせる安楽椅子探偵として活躍する。でもね、本書は違うの。使用人たちが、大好きなご主人様のために、それぞれが自分の得意分野で懸命に情報を集めるのよ。この探偵団もみんな個性的で、探偵仕事が大好き。「こんな情報入手したよ、どうよ!」とドヤ顔で報告するのが可愛いやら微笑ましいやら。

 4月度のこの項で紹介したM・C・ビートン『メイフェアの不運な花嫁 英国貴族の結婚騒動』(桐谷知未訳・ラズベリーブックス)と構造は似てるけど、あっちはロマンス、こっちはコージーミステリ。読み比べてみるのも楽しい。いやあ、これは楽しみなシリーズが始まりましたよ。続編は、本書に登場した強烈なおばちゃんも仲間に加わるらしくて、今からワクワク!

 

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 ここまでコージーで来たけれど、ぐっと趣向が変わって今月の金の女子ミスサマンサ・ヘイズ『ユー・アー・マイン』(奥村章子訳・ハヤカワミステリ文庫)に決定! これすごいよひっくり返ったよ!

 臨月の妊婦が腹を裂かれるという猟奇的な殺人事件が発生。ちょうどその頃、まもなく女児が誕生予定という家庭からの求人を受けて、ゾーイと名乗るベビーシッターが現れた。彼女はなかなか優秀なシッターだったが、何か企んでいるらしいことが読者にだけほのめかされる……。

 いやあ、これは言えない。具体的なことが何も書けない。でもね、あのね、すっげー色々ほのめかされるのよ。はっきりとはわかんないけど「こういうことなのかなー」ってのがなんとなく見えてくるのよ。で、終盤に入ったとき……「へ?」って声が出たね。慌てて数ページ戻ったね。うわあ。女子ミス云々というより、一般的なミステリとしてまず面白い。心拍上がる。騙される。

 その上で、女子ミス的読みどころとして、「子どもが欲しいのにできない」「子どもなんか要らないのにできた」「育てられないのに生んだ」「育てたかったのに生まれなかった」という、さまざまな環境の女性たちが登場して、それが混じり合ってぶつかりあって、でも表面的には和やかで、なんかもうね……うぐぐぐ。驚くとともに理解できちゃうのは、それらは女だけの問題として描かれること。男(夫)の存在感なし。ここにも著者の意図が見えます。

 でもってそんな事件の捜査をする二人の刑事が夫婦っていうのも面白い。ここは夫の一度の浮気を妻はずーっと許してなくて、しかも娘が家出してという問題家庭。びっくりするようなミステリ的仕掛けと、「夫婦」「出産」というものに対する問題提起が、実に高いところで融合した作品です。今年はこれを読み逃しちゃダメだゾ!

 

大矢 博子(おおや ひろこ)

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  書評家。著書にドラゴンズ&リハビリエッセイ『脳天気にもホドがある。』(東洋経済新報社)、共著で『よりぬき読書相談室シリーズ(本の雑誌社)などがある。大分県出身、名古屋市在住。現在CBCラジオで本の紹介コーナーに出演中。ツイッターアカウントは @ohyeah1101

 

夏の沈黙

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