太鼓野郎との出会い

29日日曜日の午前、子供につきあって綾瀬川左岸広場の子供フェスタへ。
ラテンっぽいバンドがステージで演奏していました。
激しいリズムの中に不思議な弦楽器の音が混じっています。
見ると、バンドの中心で黒人が三味線を弾きながら歌っているではありませんか。
バチを弦に叩きつける、固い打楽器のような三味線は、ちょっとほおずき連のエース三味線奏者の音を連想しました。

午後、ひとりで電車に乗って春日部に行きました。
目的地は以前プラスチック管の篠笛を買ったサトウ楽器。
店に着いたら以前から目をつけていたプチ締太鼓(大) 商品番号175 価格7,440円(税込) 直径23.8cmを迷わず速やかに買いました。

すぐに駅に戻って上りの電車に飛び乗り、越谷で下車して急ぎ足。
目的地は越谷の中央公民館。そこで中学時代の同窓会が行われているのでした。


懐かしい顔に挨拶しまくってから、別室へ。
今回の幹事を務めるFさんの息子さんがいました。
中学2年生。
2週間ほど前からFさんとメールでやりとりする間に、僕と息子さんがともに太鼓野郎であることが判明し、息子さんを同窓会に連れてくることになったのです。
挨拶もそこそこに、僕はバッグから各種バチと篠笛、そして譜面を出しました。
息子さんも自分のバチと笛と譜面を出しました。


「ぶちあわせをやるんだって?」と僕が聞いたら、彼は「うん」と答えてバチを持った両手を天に向かって突き上げ、それから右手をびゅんと振り下ろしました。手足が長いので、すごい迫力です。指でバチをくるくる回したりなかなか器用さもあります。
「三宅もやるんだって?」と僕が聞いたら、彼は両足をものすごく開いて、腰をぐんと落とし込み、太鼓を叩く動作をやってみせました。
はっきりわかりました。
彼は僕よりもはるかにうまいです。
うまさがわかる程度には僕も太鼓ができるわけです。


聞くと、中2にして太鼓歴6年だそうです。
僕は「秘密兵器があるんだ」と、さっき買ったばかりのプチ締太鼓を出しました。
彼は目を輝かせました。
「叩いていいよ」と言うと、タンタタ・タンタタ叩き出しました。
熱中して叩き続ける彼をその部屋に残し、ドアを閉め、僕は同窓会の部屋に戻りました。
(じつに)