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horichu2の日記

2011-11-06

脱原発とNIMBY

10月21日に閣議決定した2011年度第3次補正予算案に、東日本大震災被災地産品の国際的な活用がひっそりと盛り込まれている。

特定被災区域で作られた加工食品や工業品を、途上国要望を踏まえた上で、政府開発援助(ODA)を通じ供与するもので総額50億円。補正予算案の「世界に開かれた復興」177億円に含まれている。

対象品目としては、被災地域で水揚げ・加工された魚の缶詰のほか、内視鏡や血液検査機器、車いす、消防車などを検討。放射線量に関しては、事前検査で日本の安全基準を下回っていることを確認し、証明書を付けた上で提供する方向だ。外務省では、被災地に貢献できるほか、途上国の発展や福祉向上に役立つ重要な事業と位置づけている。

一方で、複数の国々は日本製食品の輸入規制を継続している。農林水産省によると、10月26日現在で米国や欧州連合(EU)、中国韓国インドエジプトレバノンブルネイコンゴをはじめ、約40の国・地域が規制を実施。中国福島宮城など10都県の食品・飼料の輸入を停止しているほか、日本のODA食糧援助で実績の高いネパールは、47都道府県からの全ての食品に対し、自国でサンプル検査を行う念の入れようだ。


日本国内でも、被災地産品の活用に複雑な思いを抱える人は少なくない。復興支援のために自主的に被災地産品を購入する動きがある一方で、7月に発覚した肉牛の放射性セシウム汚染などを機に、産地選別の動きは続いている。福島原発事故がなければ、生産者が風評被害に苦しむことも、消費者が疑心暗鬼に陥ることもなかったと思うと残念でならない。

被災地支援とODAをあえて結び付けるならば、最終消費者となる途上国の人々のことを忘れてはならない。最近のODA食糧援助では、ガーナモザンビークなどの比率も高い。仮にこうした途上国被災地産品を要望した場合、厳しい貧困の中で人々は正しい情報を把握し自らの意思で選択する余地はあるのか、放射線量の高い物品が紛れ込んでしまった場合はどうするのか、課題は多い。日本への信頼を高めるはずのODAが、国際社会からの期待を裏切ることがないよう、国会の場を含めて議論を深めることが必要ではないだろうか。

討論×闘論「被災地支援とODAは両立するか」ロイターブログ
http://blogs.jp.reuters.com/blog/2011/10/28/%E8%A2%AB%E7%81%BD%E5%9C%B0%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%81%A8%EF%BC%AF%EF%BC%A4%EF%BC%A1%E3%81%AF%E4%B8%A1%E7%AB%8B%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%8B/


この事象に関して、主にネット界隈を中心とした反応がさほど大きくないことに少々驚いている。というのは、脱原発運動等を通じ、放射能に対する恐怖が殊更強調される現状において、例えそれが被災地支援という形をとっていたとしても、「汚染」が輸出されることに対するインパクトは小さくないと思うからだ。
個人的に原発の災禍というのは、NIMBY(NOT IN MY BACK YARD wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/NIMBY)に尽きると思っていて、社会的弱者の存在(原発を受け入れざるを得ない人たち、或いは、そこで働かざるを得ない人たち)の存在がその稼働に不可欠である、という点が大きいと思っている(このあたりはArisanのノートhttp://d.hatena.ne.jp/Arisan/20111013/p1なんかが詳しい)。その意味で社会構造の在り方を再認識させる手段としての「扇動」は、これを否定するものではない。
しかし一方で放射能への畏怖を理由とした度を越えた差別がまかり通っているのも事実で、「福島第一原発の汚染水は海ではなく猪苗代湖へ」とか「福島農作物は廃棄処分にせよ」というように、「穢れ」としての放射能を徹底的に排除できさえすればいいと思っている人も一定程度存在する。はっきりと述べておくが、このような動きには、明確に反対の意を示したい。敢えて言うならばセカンドレイプ的な要素に通じるものがあると思う。
見えないリスクである放射能は確かに恐ろしいものであるが、一連の運動において、「子どもを守りたい」という点が旗印、あるいは大きな動機になっているにも関わらず、この場合であればODAの対象となる貧困層―両方ともいわゆる「弱者」であるが―への意識がおろそかになっているのだとしたら、自分が良ければ何でも良いんだな、という感想を抱かざるを得ない。それこそがNIMBYなんじゃないかとは思うけど。

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