おたずねもの。


おたずねもの。
どなたかの ハンドメイドのくつ。

あえてひもがありません。
直接存じ上げない 前の持ち主に伺っても 名古屋だったかなあと頼りない。
いろいろ調べても どなたがつくったか 見当つかず。

かたちのよい くたりとする上質の革。
前の持ち主の心無い 仕打ち かかとのあたる部分に
両面テープで貼られた 合皮。
気が付かず 摩擦で両面テープがずれにずれ 靴下ねちゃねちゃ
靴下は亡骸 靴の中は 大惨事。 靴が泣いています。

こんなに きちんと作られても 持ち主によって 靴の生涯は大きくかわる。



以前、ポルカ運転手が言った言葉がありました。

「女性って こ綺麗なかっこしてても ブーツや靴が汚れてる人多いよね。」


はっとさせられました。 ばっさり斬られた。
革の靴は手入れされれば いくらでも綺麗でいられること教えてもらいました。
所作の問題か 性質からか わたしのくつはすぐに傷つきすり減る 消耗品だと
はなっから あきらめていました。


うちに嫁いでくれたくつたちは 長持ち。
なにせ 靴磨きの才能の持ち主が おります。
わたしは なるべく傷がつかないように 履くだけなんですけど。




そういえば 昔 合コンの女王に 上質な男を見るには 
腕時計と 靴をみなさい と教えられました。

「汗や皮脂で汚れてたり ギトギトした時計は最悪。それがブランドものならなおさら。」
「革靴のかかとがすり減ってたり つま先がかさかさな人は 女子も大切にしない。」


「ものだけに執着のあるような マニアックなひとはどう見分けるの?」


「そんなものは 話してみれば わかるじゃない。」


彼女との話や 彼女と男性の駆け引きがおもしろくて うしろについてまわっていた時期が
なつかしく 思い出されます。


合コンという 俗っぽいところにいても 品のいいねえさんでありました。

なっぴねえさん、女子を大切にする 男性と過ごしてますか?
しあわせを 子分は 祈っています。




はなし、だいぶそれました。
まあ、いいか。



ポルカ運転手に わたしはこうかえしました。
「男性って スーツ綺麗に着てる人 意外と少ないよね。」
ねえさんの 教育のたまものであります。