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2011-01-19

文化人類学的には、ありあり?新幹線デッキで全裸して32歳男を逮捕事件

| 00:39 | 文化人類学的には、ありあり?新幹線デッキで全裸して32歳男を逮捕事件を含むブックマーク 文化人類学的には、ありあり?新幹線デッキで全裸して32歳男を逮捕事件のブックマークコメント

 がんばって入試現代文へのアクセス(河合出版)を解いてるんですが、まるでP22の例題Cがそのまま事件になったようなのがはてなブックマークに出ていたんでちょっと記述。

http://b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/affairs/news/110118/crm11011818040192-n1.htm

 岩手県警が、JR盛岡駅に停車中の新幹線のデッキで全裸になったとして公然わいせつの疑いで自称無職の32歳の男を逮捕。容疑者本人は容疑を認めている。

 容疑者は県警の調べに対して、新青森東京行きの「はやて18号」のデッキで服を脱いで全裸になった理由について、「(福島県郡山から山形に帰省する予定だったが、乗り間違えた。自分のふがいなさを腹立たしく思った」と話しているとのこと。

 例題Cは山口昌男の著書・「文化人類学の視角」を取り上げていて、パプアニューギニア共和国の、アサロ河流域のグルンバ族の住民は、時々発作的な行為に走って、プチ強盗を繰り返したり、インドネシアジャワ島のある村では、ある男が突然刃物を振り回して人を傷つける通り魔に大変身する「アモック」と呼ばれる現象というのがあることを紹介している。

 それで、文章の読み手が、「グルンバ族の住民はどうして発作的なプチ強盗行為に走るのだろうか。住民は“野ブタ”の如く変身したプチ強盗人が、怖くないのだろうか。」と疑問を持つあたりで、著者はこう書き記している。

こうした振舞いは、グルンバ族の間では文化の中の許容範囲に入っている。男は、森の中に身体中の緊張をしぼり出して来たというふうに理解され、彼はふだんの生活に戻っていく。しかし、何日もたたないうちに、また別の男が、“野ブタになる。”

ある意味では、こうした行為は、ストレスに対する解放装置になっているといってもよいかも知れない。

 さて、この文を読んだ後、すぐに新幹線デッキで全裸して逮捕事件をクリックしてみます。郡山から山形に帰ろうかと思いながら新幹線に乗った容疑者。その新幹線の扉が閉まり、まったく違う方向に走り出したときの容疑者さんのショックは、よほど大きかったのではないでしょうか。それはそれは、はやての新幹線デッキで全裸になりたくなる気持ちもわかりますよ。ええ、わかります。

 産経新聞の記事を読む限り、逮捕された容疑者は「どうしてこうなった」と深く反省してると私は解釈しました。私は容疑者に、慰める意味で、この文をプレゼントしたいです。例題C問題文の最後の文章です。

考えようによっては、社会がむしろこうした男の出現を心待ちにしているといえないこともないのである。こうした男を追いつめることによって、社会もまた、その社会が抱えている内側の危機をのり越える、つまり、カタルシス(浄化作用)を行っていると言えないことはないのである。

 容疑者さん、お元気で。

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