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2010-03-13 11倍は高すぎ。

[] 体外受精で生まれた子供の1/3以上がADHDと診断。

いやー、びっくりした。

IVF Babies' Risk for ADHD: Eleven Times Higher Than in Traditional Births

http://www.additudemag.com/addnews/71/7049.html

Beydoun HA, Sicignano N, Beydoun MA, Matson DO, Bocca S, Stadtmauer L, Oehninger S. A cross-sectional evaluation of the first cohort of young adults conceived by in vitro fertilization in the United States. Fertil Steril. 2010 Feb 3. [Epub ahead of print]

http://www.fertstert.org/article/S0015-0282%2809%2904209-5/abstract

調査の対象: 1981年から1990年に体外受精(IVF)で生まれた成人

調査された場所: 一施設

調査の手法: 自記式質問紙

結果:

  • 560例中の173例(31%)が回答
  • 平均21.2歳(18-26歳)
  • 男性:女性=3:4
  • 65%以上が慢性疾患と診断
  • 33%以上がADD/ADHDと診断

twitterで紹介した記事はリスク11倍と書いているけど、この数字は極端だと思う(児童期のADHDの一般人口における有病率は3%より高い)。体外受精で生まれた人は恐らく出生時の父母の年齢が高いのでそれも少し関係があるかもしれない。何らかの問題を持っていた人が回答することが多かったというバイアスもあるかもしれない。例えば、回答しなかった人の中に一般人口と同じく5%程度しかADHDがいなかったと仮定すると、ADHDの有病率は13%ぐらいまで低下する。

@guriko_ これ、人工受精による両親のストレスとかアルコール、抑うつが原因ってことですか?

http://twitter.com/guriko_/status/10403279656

それもあるかもしれないけど、調査されてなさそう。

まあ、最低限に見積もったとしてもかなり高い数字であり、警戒するに越したことはないと思う。発達障害の家族歴とか、母体の喫煙、飲酒、精神障害といったリスクが累積している場合はなおさら。

追記(2010/03/14):

しかしコントロールを取ってないことなどは論外だろ、と私なんかは思うのですが。

http://d.hatena.ne.jp/what_a_dude/20100314/1268550082

臨床疫学では、一例でも立派なエビデンスですよ*1。ぼくは産科医ではありませんが、侵襲的介入をする時にリスクがあるかと聞かれた場合には、エビデンスレベルの低いものを含めて、知ってることを一通り答えることにしています。

体外受精の場合、発達障害の生じるリスクを過少に伝えることはデメリットが大きいような気がするんですよね*2。心ある専門家からより良質なエビデンスが出てくるのを望みます。

*1:詳しくは ASIN:4895924548 を参照のこと。

*2:早期のIVFを優先する考え方もある。この立場からはIVFのリスクを過大に伝えることは望ましくないということになるだろう。ASIN:4072333077

AFCPAFCP 2010/03/13 12:40 1981年から1990年に体外受精ができたということは、社会-経済的にはかなり高い階層なんじゃないかと思うんですよね。それでもADHDの有病率が高いとすると、なかなか興味深いですねえ。

hotsumahotsuma 2010/03/13 13:05 この研究で回答した人達はうつ病の有病率が一般人口と大差ないとも書いてありました。ADHDの有病率の増加は低出生体重の擬似相関ではないかと@han_org先生がコメントしておられましたが、だとしたら、何故、うつ病の有病率は増加しないのか。http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=low+birth+weight+depression 恵まれた家庭のご出身の方が多いということが保護的に働いていたのかもしれないですね。

what_a_dudewhat_a_dude 2010/03/14 21:38 言及ありがとうございます。

"体外受精の場合、発達障害の生じるリスクを過少に伝えることはデメリットが大きいような気がするんですよね"
なるほど。その考え方は理解できます。

私もスナップショットが無意味であるとは思いません。

追跡調査はものすごく時間がかかるものですから、
それが出てくるまでに、スナップショットから理解できることを調べる
努力はもちろん重要な仕事です。

しかし私が言ったコントロールは
極端な話今からでも取れると思うのですが・・・。

"侵襲的介入をする時にリスクがあるかと聞かれた場合には、エビデンスレベルの低いものを含めて、知ってることを一通り答えることにしています。"

医療分野はやっぱりややこしそうですね・・。

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