2011-11-07
定款に記載ない財産引き受けの効力
1 会社が営業用財産を取得するには、有効な契約が会社に帰属する必要がある。本件契約は財産引き受け契約であるから、効力発生の要件として定款への記載等(28条)が必要である。ところが、この要件を満たさない場合については明文がない。そこでこの場合契約の効力はどうなるかが問題となる。
2 設立中の会社は設立を目的とした権利能力なき社団である。これは登記によって成立した会社と実質的に同一である。よって、発起人が会社のためにした行為は、実質的には設立中の会社に帰属し、成立によって形式的にも会社に帰属する。しかし、会社の財産的基盤確立のため、発起人がした行為のすべてが成立後の会社に帰属するわけではない。設立中の会社は会社設立のために存在するから、発起人の権限も目的の範囲によって定まる。とすれば、発起人は、設立のために必要な行為のみをすることができる。
3 本件財産引き受けは 設立のため必要な行為にあたらない。また、これを有効とすることは、株主間の平等と会社財産確保のため厳格な規制を置いた法の趣旨を没却する。よって、財産引き受けは会社に効果帰属しない。また、実質的権利能力の範囲外であるし、法の趣旨徹底の必要があるから、追認も認められない。よって、会社は当該営業用財産を取得できない。
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