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2016-08-29

[]「冷却カメラ」補足 23:58 「冷却カメラ」補足を含むブックマーク

先日の冷却カメラの記事についての補足です。


フルウェルキャパシティとADコンバータのビット数について

イメージセンサーは、画素に入射した光を電子に置き換えて蓄積しますが、ピクセルあたりに蓄積できる電子の容量(数)を「フルウェルキャパシティ」といいます。フルウェルキャパシティはおおよそピクセルの面積に比例します。

そして、ピクセルごとに蓄積された電子はコンデンサに移され、ここで発生した電圧(電子数に比例します)をADコンバータでアナログ-デジタル変換し、データを読み出しています。この変換の際、電圧をどの程度の細かさで読み取ってデジタル信号に変換するかを示すのが「ADコンバータのビット数」です。

12bitなら4096段階、14bitなら16384段階、16bitなら65536段階の細かさで電圧を読み取ることになります。つまり、ビット数が大きいほど、わずかな電圧変化=電子数の差=光強度の差をシグナルとして抽出することができるということになります。

ここで、たとえばフルウェルキャパシティ=256e-のセンサーがあったとすると、ADコンバータのビット数が8bit(=256段階)あれば、ちょうど電子1個の差を検出できることになります*1。このセンサーに対して16bit(65536段階)で変換しても、電子数は整数なので無駄が出ますし、逆に4bit(=16段階)ではせっかくのセンサーの性能を生かし切れません。


耐光害性能について

ノイズがある程度以上あると、ADコンバータのビット数が高くても無駄……というところですが、一面では真実でしょう。ただ、コンポジットによってS/N比が上がってくると、コンバータの精度の差が出てくる場面もあるかと思います。

「ビット数が高いから細かい明暗も検出できる」というほど単純な話ではないですが、上記のような状況、あるいは後述するようにビニング時には、ビット数が意味を持つ場面も出てくるはず。多少の余裕は見ておきたいところです。

*1:ここではノイズはないものと仮定します。

忍者忍者 2016/08/30 14:59 解説までしていただきありがとうございました。フルウェルキャパシティ、フィルターワーク、階調などから考えると今の時点ではやはり冷却CCDですね。メシエ制覇後は、惑星状星雲の追究orビジュアル系(網状等)を次の課題にと考えていましたが、どちらを見ても冷却CCDで考えます。今セール中でチャンスですが、少し冷却期間を設けて準備します。これまで、私なりに機種を色々表でまとめていたのですが、決断ポイントが価格以外見つけられなかったのがこれですっきりしました。ただ、余裕があれば、CMOSが面白いかもしれませんね。残業?させて申し訳ありませんでした。

HIROPONHIROPON 2016/08/30 22:57 いえいえ、こちらこそ。夏場は毎年「冷却カメラ欲しい病」に罹るのですが、今回、
色々調べていく中で、自分の頭もだいぶ整理できてきた気がします。


> 冷却CMOS

本文にも少し書きましたが、冷却CMOSについては、高速シャッター性能を生かすことで
冷却CCDでは得られないような高精細な画像を得られる可能性が十分あると思っています。
現時点では基礎体力や汎用性で冷却CCDに負けるでしょうし、使用実績も乏しいので
どの程度のものか判断が付きづらい部分はありますが、あれはあれで結構魅力的な存在だとは思います。

価格もミドルクラスの一眼レフと大差ないですしねぇ…。

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