星のつぶやき このページをアンテナに追加 RSSフィード


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2017-01-23

[]光の国 19:58 光の国を含むブックマーク

21日の土曜は天気が下り坂だったものの、GPVの予想では22時ごろまでは天気が持ちそうな感じ。この時間帯なら月も昇っていませんので、好機とばかりに望遠鏡を引っ張り出しました。

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何を狙おうか少し迷ったのですが、そろそろ冬の天体もシーズン終盤に差し掛かること、この日は強風で長焦点での撮影が難しそうなことなども考え、今まで撮ったことのないM78を狙ってみることにしました。ちなみにM78というとウルトラマンの故郷としておなじみですが、企画段階ではM87(おとめ座にある楕円銀河)だったところ、脚本印刷時のミスでM78になってしまったというのは有名な話です。

M78自体は星間ガスが星の光に照らされて輝いている「反射星雲」で、その周辺には同様の反射星雲や暗黒星雲が入り乱れています。このタイプの天体は特徴的な色彩に乏しいため、光害の激しい街なかからでは難易度の高い対象です。そうしたこともあって今まで撮影を避けてきたのですが、撮ってみないことには難しさの程度も分かりません。

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21〜22時ごろには雲が増えてくる予報だったので、少し早めに19時ごろから撮影を始めたのですが、時間帯が早いこともあって光害が顕著。まぁ、「撮って出し」で被写体がほとんど見えないのはいつものことではあるのですが……( ̄w ̄;ゞ


雲は予報より早く20時半過ぎには広がってきたので、ここで撮影を切り上げ。それでもどうにか最低限の予定枚数は確保しました。で、これをこねくりまわして最終的に出てきたのがこちら。

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2017年1月21日 ED103S+レデューサーED(D103mm, f533mm) SXP赤道儀

Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用, ISO100, 露出600秒×8コマ

ペンシルボーグ(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド

ステライメージVer.7.1eほかで画像処理、中心部をトリミング

いやはや、案の定難しい!

もう少し暗黒星雲の濃淡などを出せるかと思ったのですが、光害の酷い早い時間帯ではこれ以上露出時間を稼ぐこともできず。ちゃんと撮るなら、夜半過ぎに南中するような季節に狙う必要がありそうです。


また、光学系の素性の悪さも問題。レデューサーをかませた場合……特にこのED103S+レデューサーEDの組み合わせで顕著ですが、フラットが合ったためしがありません。おそらく元々の周辺減光の大きさに加え、光害カットフィルターへの光束入射角の大きさに伴う分光特性の変化*1なども影響しているのではないかと思われますが、結果的に画像周辺部は全く使い物になりませんでした。


なお、写真左上がわずかに赤みがかっていますが、これは背景の補正ムラではなく、オリオン座全体を覆う超新星残骸「バーナードループ」の一部が見えているもの。このあたりも含めてきっちり表現できれば、本来かなりカラフルな領域なのですが……やはり宵のうちの撮影では限界があるようです。

*1:LPS-P2-FFの製造元であるIDASの情報によれば、レンズ後方にフィルターをセットした場合、F値2以上のレンズであれば平均最大入射角は約17゜以内に収まり、ほとんど影響は出ないとのことですが、入射角の違いによって分光特性に差が生じるのは間違いなく、強い画像処理によってこれが顕著に現れるのではないかと。

KENKEN 2017/01/23 23:32 こんばんは!
あいかわらずマゾいチャレンジをしてますな〜(笑)
それにしてもHIROPONさんをもってしても、M78の背景の淡い部分は難しかったみたいですね

まあその前に都内でココまで写るというのは、十分驚異的ですが
さいきんココで普通に写っている星雲を見て、コレが都内からなんだってトコロを忘れてますね(笑)

HIROPONHIROPON 2017/01/24 20:25 変態とかマゾとか、完全にご褒美です。ありがとうござ(ry

今回の「敗因」は、撮影時間帯の早さとF値を優先した鏡筒選びでしたね。
前者については天気や月齢の関係もあったのでともかく、後者については
フラット補正が難しくなるのが以前から分かっていたのに……。
ある程度のトリミングは当初から織り込み済みでしたが、それにしても
完全に失着でした。

破綻覚悟で補正前の画像を強調すると、背景に暗黒星雲の濃淡らしき
ムラも見えたので、きっちりフラット補正さえできれば、可能性は
ゼロではないと思います。こいつは次シーズンに向けての「宿題」ですね。

上杉蒼太上杉蒼太 2017/01/25 19:13 こんばんは。
M78とはまた大変なものに挑戦しましたね〜。自分が自宅前から試みた時には暗黒星雲すらも写らず、ただ二重星のみがぽつりと写っている悲惨な有様でした。でも、工夫次第でここまで写るものですね。低感度+長時間露出の組み合わせももっと試してみたいです。低感度ならばノイズも出づらいですよね?

HIROPONHIROPON 2017/01/25 22:36 フラット補正さえきっちり決まれば、もう少し行けそうな感触はあるので
次はそのあたりを重視して……ですね。今回は背景を何とかしようと苦戦しているうちに
微妙な濃淡が消え失せてしまいました(^^;

M78本体は、反射星雲としては最も明るいものの1つなので、写すだけなら
割と簡単に捉えられると思います。


> 低感度ならばノイズも出づらいですよね?

ここがややこしいところで、「撮って出し」なら確かにそうなんですが、
強調処理を行うと相応にノイズが見えてきます。

結局のところ、ISO100の設定で撮ろうがISO6400の設定で撮ろうが、カメラ自体の性能が
変わるわけではないので、ノイズの出方も基本的には同じと思っていいと思います。

低感度が有利なのは「露出時間を延ばすことができる」という点に尽きます。
露出時間が長いということは、それだけ天体の光を蓄積できるということ。
特に街なかでは、光害による背景カブリが露出時間を制限してしまうので、
このメリットは大きいです。

一方で、ガイド失敗などのリスクも増えるので、そのあたりのバランスですね。