星のつぶやき このページをアンテナに追加 RSSフィード


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2017-01-28

[]夜空のひまわり 19:48 夜空のひまわりを含むブックマーク

待望の週末&新月期ですが、東京は基本的に晴れベースであるものの、やや雲が多めの予報。そこで機先を制して金曜の深夜、いつもの公園に出撃しました。GPVの予想では、午前4時ごろには雲が広がってきそうだったので、それまでの4時間ほどが勝負です。

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この日用意したのはEdgeHD800。この夜は比較的大気の透明度が高く、地上の風も穏やかだったので、春の銀河を狙うにはおあつらえ向きです。ただ、シーイングに関しては冬らしく乱れていて、高解像度を狙うのは無理そうな感じでした。

公園に到着したのは23時過ぎ。ここからセッティングして、0時過ぎくらいからは撮影が行えると踏んでいたのですが……鏡筒の温度順応や光軸調整に手間取ったり、オフアキの視野内に星が見えずピントの再確認を強いられたりと小さなトラブル続きで、結局撮影開始できたのは1時近くになってからでした。


この日の狙いは、りょうけん座の「ひまわり銀河」ことM63。そして、その後時間が取れればおとめ座の「ソンブレロ星雲」ことM104。M63は腕の構造が特徴的なので、できればシーイングのいい日に狙いたいところなのですが、一方で、淡い腕の部分を写し取るには光害の少ない深夜に昇る今の時期を狙わざるをえず、悩ましい判断でした。

M104の方は明るいので、短時間で撮影できるだろうと踏んでの選択です。随分前に一度撮ってはいるのですが、当時は長焦点鏡を持っていなかったので、今回クローズアップで捉えられればと。


M63を撮り終わったのは3時過ぎ。すかさずM104に鏡筒を向けて撮影……というところだったのですが、構図を確認しているうちに、GPVの予報通り雲が広がってきました。しばらく様子を見ていたのですが、好転の気配がなく、結局M104を撮ることなくお開きとなりました。


M63の方ですが、未処理の「撮って出し」だとこんな感じ。

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明るい核はもちろん、中心部に近い腕も見て取れます。以前撮ったM33よりもはるかにマシな写りで、期待が持てます。で、これを処理して出てきた結果がこちら。

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2017年1月28日 EdgeHD800(D203mm, f2032mm) SXP赤道儀

Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO100, 露出900秒×8コマ, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用

セレストロン オフアキシスガイダー+Lodestar+PHD2によるオートガイ

ステライメージVer.7.1eほかで画像処理

1コマあたりの露出時間が15分と長めの一方、シーイングがかなり悪かったので腕の微細構造は多少潰れてしまいましたが、それでも暗黒帯が入り混じる特徴的な姿はある程度捉えられたかと思います。

撮ってみると案外明るく撮りやすい銀河で、これなら市街地でも十分狙えるでしょう。こいつの場合、一番の敵はやはりシーイング。移動性高気圧に広く覆われたときに、南中前後を狙って撮るのがベストでしょう。

[]オフアキ使用時の注意事項 20:26 オフアキ使用時の注意事項を含むブックマーク

今回、オフアキのセッティングで少々手間取ったので、備忘録的に手順を書き留めておこうと思います。

オートガイダーを装着する

Lodestarのような円筒形のオートガイダーを用いる場合、どのくらいの深さまで差し込むと合焦範囲に入るかを事前に調べておき、ドラフティングテープなどを目印として貼っておくとよい。


ピント合わせ

テープだけでは装着の再現性が決して高くないし、目的の天体の近くにいきなりガイド星が見つかるとは限らないので、まずは確実に視野内に明るい星が入る領域に鏡筒を向け、オートガイダー側のピントを合わせる。散開星団天の川周辺に鏡筒を向けると簡単。春ならプレセペ星団(M44)、夏はいて座〜はくちょう座あたりにかけての天の川、秋はペルセウス座周辺、冬はプレアデス星団(M45)などなど。


ガイド星選び

鏡筒を目的天体に向ける。オフアキを使わざるを得ないような長焦点鏡の場合、シーイングの影響が大きいので、星像の乱れをキャンセルできるよう露出時間はやや長め(数秒)にする。うまく視野内に星が見つかったらガイド星を選択する。PHD2の自動選択に任せてもいいが、PHD2は星像が飽和しないよう暗い星を選びがちな一方、オフアキ使用時の星像は形、コントラストとも決して良好とは言い難いので、PHD2がガイド星を見失うケースもしばしば発生する。飽和していない星*1を手動で選んだ方が安定した結果が出るかもしれない。

星が見つからない場合、オフアキを少しずつ回転させて適当な星を探す。機材の落下に注意。


オートガイド開始

キャリブレーション後、できればガイドアシスタントを使用したのちにオートガイドを開始すると、結果が安定する(ような気がする)。

*1:プロファイル表示で星像の断面形状を確認できます。

th2546th2546 2017/01/28 21:34 M63お見事です。春の銀河、期待してます。

KENKEN 2017/01/29 00:34 こんばんは!
いやいや、マゾさ120%な感じですね〜
23区内からひまわり銀河って、どんだけですか
PENTAX KPのISO819200で撮ったら自分も池袋から撮れるかしら?
あ、低感度+長時間露出でしたね^^;

でもISO819200、天文屋さん&PENTAX使いとしては気になるな〜

HIROPONHIROPON 2017/01/29 00:35 ありがとうございます。

対系外銀河砲のつもりで買ったはずのEdgeHDですが、天候に恵まれないこともあって
なかなか系外銀河相手に活躍できないでいたんですが、今年こそはいくつかモノにしたいところです。

とはいえ、いい絵を撮ろうとすると、なにしろ相手の見かけの大きさが小さい上に、
その中の暗黒帯の詳細まで出そうとなると惑星などと同じく本当にシーイング勝負になりますね。

しかし一方で、気流の落ち着く春を待つと、春霞が光害を増幅して淡い腕などは
写らなくなりそうですし……悩ましい……orz

HIROPONHIROPON 2017/01/29 01:39 KENさん、コメントが入れ違いになってしまいましたね。すいません(^^;


> 23区内からひまわり銀河って、どんだけですか

やってみたら、割と写りやすい「いい子」でしたよ (´▽`)ノ

逆に意外と写りづらくて、リベンジの機会を伺ってるのは「回転花火銀河」ことM101です。

いわゆる「フェイス・オン」の銀河で淡く、渦の巻きも散漫なのに加えて、
渋谷、新宿が控える北天にあるのでかなりの難易度。まだフラット補正なども
やってなかった数年前に一度挑戦したことがあるのですが、それはもう
酷いことになりました。なんとか今シーズンのどこかでねじ伏せたいですね。


> PENTAX KPのISO819200

あれ、最初「ケタが間違ってんじゃないか」と疑いましたけど、すさまじいですね。
もっとも八百富のブログでの作例などを見る限り、ISO819200はさすがに崩れがひどくて
証拠写真以上のものにはならなさそうですね。とはいえ、写ることに価値があるのは
確かで……いやはや、すごい時代になったものです。

ちなみにウチは、現時点ではKPに関してはスルーの方向。今年後半に発表がうわさされている
K-3IIの後継機を待とうかと思ってます。

上杉蒼太上杉蒼太 2017/01/31 19:45 M63非常に美しく写っていますね! 今度は私の方でも挑戦してみます。オフアキは導入していないですが、67FLをガイド鏡にすれば低感度・長時間露出の組み合わせも可能な気もしますし……。ただ冬は天候自体が酷いのでいつになるやら。早く春来い〜。

HIROPONHIROPON 2017/02/01 00:03 シーイングのいい時に撮れば、もう少し細部が写りそうな気もしますが、こればかりは
季節的なものもありますし……。透明度&光害の軽さを取るか、シーイングを取るか、難しいところです。


> 冬は天候自体が酷いので

こちらはこれからが試練です。なにしろ重度の花粉症なので……。
夜間とはいえ、長時間屋外にいるのは結構こたえそうです(^^;

ねお丸ねお丸 2017/02/05 15:54 おぉ〜、都内とは思えないような見事なM63ですね!
公園って河川敷とかですか?
背景に高いビルとかあまり無いですね。
都内からでもこれだけ撮れるとは、凄い画像処理テクニックですね!

HIROPONHIROPON 2017/02/05 20:14 住宅街の中の高台にある公園なのです。空が明るいのは仕方ないとはいえ、
見晴らしが良くて電線もない&余分な照明も比較的少ないので、その意味では助かってます。

河川敷は結露が激しそうなのに加えて、治安上の危険もあるので避けたいところ。
近くの川の対岸では殺人事件まで起きてますし……(滝汗

忍者忍者 2017/02/06 10:28 都会環境、低ISO、長時間露出はお見事としか!記述で、「キャリブレーション後、できればガイドアシスタントを使用したのちにオートガイド」のガイドアシスタントについて教えていただけないでしょうか。私はオフアキでSuperstarを使っています。以前アドバイスもいただきましたが、空や角度によってSNRが低くてキャリブが完了しなかったりで時間ロスが大変大きです。なので、開始できたらできるだけ成功させたく良いことがあれば試してみたいです。

HIROPONHIROPON 2017/02/06 21:25 こちらもオフアキを本格的に使いだしてよく分かりましたが、視野周辺部かつ長焦点ということで、
星像がずいぶん悪くなるのですね。コントラストも低めですし。

上の記事でも少し書きましたが、PHD2がガイド星を自動選択する場合、星像が飽和していないことを
最優先するようで「画面では見えるか見えないかギリギリ」というくらいの、かなり暗めの星を
選ぶ傾向にあります。そのため、オフアキでこれをやると、星像の悪さも手伝って容易に星を
見失うようです(上の撮影でも1回やられました)。

なので、画面上で視認できるくらいの、ある程度明るめの星を手動で選ぶのがよさそうです。
もちろん、飽和していてはダメなので、そこは「ガイド星プロファイル表示」で確認を。
適当な星がなければ、それこそゲインを下げて露出を伸ばし、暗い星像が改善しないか
試してみて……それでもダメなら別の領域を探さなければならないかもしれません。

幸い、今のところそこまでの事態にはぶち当たっていませんが。

忍者忍者 2017/02/07 20:32 返信ありがとうございました。
画面上で視認できるくらいの、ある程度明るめの星を手動で選ぶのがよさそうです。とのことですが、私は手動でやっていますが、SNRが悪いときは露出をAUTOでやるのが多いです。ただ、PHD2が異常になる時もたまにあり、6秒8秒の選択をして利用しています。露出時間とキャリブサイクルとの関係がわかりませんが、以外と差が大きくてもガイドが成功しているようです。とにかく、SNRが悪いときは対象をあきらめて別の天体を探すのが多いです。本当に何とかしたいです。

HIROPONHIROPON 2017/02/07 21:24 オートガイダーの露出時間は、私の場合、4秒前後で固定ですね。

オフアキでは、必然的に焦点距離が長くなってシーイングの影響を大きく受けるので、
露出が長い分にはともかく、短いと無駄に星像の乱れを追ってしまい、弊害の方が大きそうです。

今のところうまく動いているので、パラメータ等を触らないが吉かなと思ってます(^^;