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2017-03-06

[]「春の銀河祭り」継続中 22:14 「春の銀河祭り」継続中を含むブックマーク

土曜の夜、月が沈む夜半頃から明け方にかけて移動性高気圧に覆われて晴れそうな予報だったので、先週に引き続き「対 系外銀河砲」EdgeHD800を携えていつもの公園へ出撃してきました。


実は前日も、GPVの予報に釣られてマルカリアンチェーン狙いで夜半から出撃していたのですが、早々にベタ曇りになって撤退を余儀なくされていました。二日連続で体力的にしんどいところですが、来週、再来週は月明かりがあるため、春の銀河を狙うには不向きになります。ここは踏ん張りどころです。

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何を撮るかはちょっと迷ったのですが、おとめ座銀河団のメンバーは楕円銀河が多めでクローズアップで撮るには面白みに欠けるので、まずはちょっとマイナーながらも形が面白そうなM109に決定。

そのあとは春の定番、「子持ち銀河」ことM51を狙うことにします。M51については以前EdgeHD800で撮影を試みたことがあるものの、これはガイドシステムが不完全だった頃に、流れが比較的目立たないものをコンポジットして、ひとまず見られる形に仕立て上げたもの。とても満足できるシロモノではありませんでした。最近のやり方で、どこまで向上できるでしょうか……?

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撮影自体は特に大過なく。明け方近くにはISS夏の大三角の付近を通過するという、ちょっとした「ご褒美」もありました。また、南の空にはさそり座*1。季節が着々と進んでいることを実感させられます。


帰宅して仮眠をとった後、画像処理を始めたのですが……M109の写真を開いてビックリ!

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なんだこの虹色!?


どうやら、M109から角度にして40分ほどしか離れていないフェクダ(おおぐま座γ星、2.4等)の光を拾ってしまっているようです。派手に分光しているところからして、一番怪しいのはオフアキのプリズム。この天体に関してはプリズムの角度や位置を変えてみるなり、気休めかもしれませんがプリズムのコバ塗りくらいはしておいた方がいいのかもしれません。


それでも強引にフレアを消して処理した結果がこちら。

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2017年3月5日 EdgeHD800(D203mm, f2032mm) SXP赤道儀

Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO100, 露出900秒×8コマ, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用

セレストロン オフアキシスガイダー+Lodestar+PHD2によるオートガイ

ステライメージVer.7.1eほかで画像処理

ただでさえ暗めの銀河なのに、無理してフレアを消した分、処理の余裕がなくなってなんとも冴えない写りに。棒渦巻銀河の形が分かるだけ、まだ良しとするべきでしょうか。これならいっそ、中程度の焦点距離でフェクダも入れてしまった方がアクセントになって良さそうな気さえします。

ちなみに、M109はこの周辺に点在する銀河とともに「M109銀河群」と呼ばれる集団を形成していますが、よーく見るとこの写真にもM109の西側にUGC6969という暗い伴銀河が見えています。派手さでは「おとめ座銀河団」に負けますが、おおぐま座の方向もそれなりに銀河の密集地なので、その気になって写真をよく確認すると、結構な数の銀河が写っていることがよくあります。


一方のM51ですが、こちらは特に問題なさそうです。処理して出てきた結果がこちら。

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2017年3月5日 EdgeHD800(D203mm, f2032mm) SXP赤道儀

Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO100, 露出900秒×8コマ, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用

セレストロン オフアキシスガイダー+Lodestar+PHD2によるオートガイ

ステライメージVer.7.1eほかで画像処理

元々、フェイスオンの銀河にしては明るく写真写りの良いものですが、長焦点鏡で狙うとなかなかの迫力です。以前は露出不足かつガイドが流れたコマを無理やりコンポジットしてたので不鮮明でしたが、今回はオフアキでしっかりガイドしている分、力強い2本の腕や暗黒帯の複雑さもある程度出すことができたように思います。

なお、空の条件の良いところで撮影された冷却CCDでの作例などを見ると、M51と伴銀河であるNGC5195の周囲にはさらに淡い領域が広がっていますが、東京都心から、かつデジカメではそこまで抽出するのはなかなか大変そうです。

[]月面X 22:14 月面Xを含むブックマーク

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3月5日の宵、「月面X」が見られるということで、眠気が残っている上に曇天でしたが機材一式を玄関先に持ち出し、観望・撮影にチャレンジしてみました。

「月面X」はブランキヌス、プールバッハ、ラカーユの各クレーターの外壁が太陽光に照らされてX字状に見えるというもので、上弦の頃のごく限られた時間帯(長く見積もっても3〜4時間ほど)にしか見ることができません。


この日の夕方は全天を雲が覆っていましたが、月は雲越しになんとか見えていました。そこで、普通の月面撮影と同じ要領でパチリ。

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2017年3月5日 ED103S(D103mm, f795mm) SXP赤道儀

Canon EOS Kiss X5, ISO200, 露出1/30秒

雲のせいで鮮明さには欠けますが、「X」というか「火」というか、そんな感じの姿が見て取れます。晴れていれば動画カメラで部分拡大を狙うところでしたが、この状況ならこれで十分でしょう。


実は「月面X」を見るのはこれが初めて。今回はうまい具合に日曜に当たってくれたので助かりました。次回は5月3日の19時半ごろに見られる予報。これまたGW中なので、観望・撮影には絶好の機会といえそうです。

*1:写真に写っているのが分かるでしょうか?こんな有様なので、光害を含め、空の状態は推して知るべしです。ちなみにこの夜の最微等級は3等ジャストといったあたりでした。

MattMatt 2017/03/07 06:17 Hiroponさん
私も自分の黒眼銀河を撮影した日は3:00すぎ頃から雲が広がる予報がまさかの2時間前倒しにやられました。 この子持ち銀河の日は逆で22:00頃には雲が取れて撮影可能な状態になりました。 Hiroponさんが出撃か否かを悩んでいるのを見て、皆さん悩めるよな〜。。。と思ってました。
しかし、子持ち銀河はよく撮れてますね。。。
M109は残念でしたね。。2時間かけてはショックですよね。。
それにしてもご近所さんおしゃれな家が建ってますね。。

HIROPONHIROPON 2017/03/07 23:25 Mattさん>
みなさん、この週末はGPVの予報に振り回されたようで……(^^;
まぁ、出るの諦めてたら晴れた!とかだと別の意味でダメージ大きいですし。

M109は……ちょっと想像以上の難物でした。
フレアがなかったとしても果たしてどこまで撮れたか。
ただでさえ北天は、渋谷・新宿方面からの光害で厳しいですし、
コマあたりもう倍は露出が必要だったかもしれません。

しかしM51を含め、こうして系外銀河を色々撮ってみると、光害の中での
難しさを実感します。散光星雲なら、色を頼りに強調処理できるんですが、
系外銀河だとそういうのないですからね……。

> ご近所さん
お向かいのお宅は軽くウチの数倍はある豪邸なんですが、実はここ、
数年前までは広い駐車場でした。当時はここで望遠鏡を広げられたんですが、
この家が建ったおかげで、手押し台車でのプチ遠征を余儀なく……orz

ねお丸ねお丸 2017/03/09 07:14 撮影お疲れ様でした。
公園までカートで移動するのって大変そうですよね。
1回で運べるんでしょうか?
移動も音を出さないように気を使ったり、見えない苦労がありそうですね…。

M109はフェクダがこんなところで邪魔するとは思いませんね。
これはオフアキだけの弊害なんでしょうか?
近くにいる輝星が悪さをするとなると、馬頭なんかをクローズアップしても危険そうですね。

M51は綺麗に出ていますね。
都内でもこれだけ出せるんだってお手本になります。
自分にはとても出来そうにありませんが(^_^;

月面Xは自分も見た事がなかったので挑戦してみようと思っていたのですが、
天気が悪くて断念しました。
きっとこれを見付けた人は、月面大好き人間ですよ。
そうじゃないとこんな変な現象気付きませんよ(笑)。

HIROPONHIROPON 2017/03/09 23:32 ねお丸さん>

荷物は、今回の装備だと1枚目の写真の右端に写っている台車(21kg)とボックス(7kg)含めて
70〜80kgくらいはあるんじゃないですかね?でも、この目的のために奮発して導入した、
業務用の静音台車だけに動きも滑らかで、運ぶのはそれほど苦ではなく。

運動不足の折、いい運動にもなりますしね(^^;

> M109
ちょっとこれは本当に予想外でした。セレストロンの鏡筒やパーツは、つや消しが上等とは
言い難い部分もあるんで、そうしたものも影響したかもしれません。鏡筒からなにから、
内面に徹底的に植毛紙でも貼れば変わりそうな気もしますが、正直面倒で……( ̄w ̄;ゞ
(というか、時間とともに抜けた毛が悪さをしそうでなんかイヤ)

> M51
基本明るいので、撮るだけなら案外なんとかなります。とはいえ、きれいに仕上げようとすると
(M51に限らず系外銀河は)大変なんですけどね……。今見返すと、ちょっと「やりすぎ」だった
ような気もします。画像処理、難しいです orz

> 月面X
「月面A」なんていうのもあるらしいですね。これだけクレーターがあれば色々な形に見える地形が
たくさんあって当然なんですが、こうやって話題にすることで月を見る人が増えるなら、
一種のマーケティングとして上手いと思います。「スーパームーン」あたりのこじつけとは
また意味合いが違いますし。