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活動領域12665

2〜3日前から、TwitterのTL上で「太陽に目立つ黒点が出てる」という情報がちらほら上がってきていました。ちょうど晴れ間も出ていた……というか、晴れすぎなくらいのいい天気でしたので、久々に黒点を狙ってみました。

昼間の撮影は、明るいのでセッティングなどが楽なのはいいのですが、いかんせん暑すぎます。撮影を行った12時ごろの東京の気温は31℃ほど。日陰にいたのと、風がそこそこあったのでまだマシですが、気を付けないと熱中症になりそうです。




2017年7月9日 ビクセン ED103S(D103mm, f795mm) SXP赤道儀
Baader AstroSolar Safety Film(眼視用)使用
Canon EOS Kiss X5, ISO100, 露出1/320秒
Registax6によるウェーブレット処理

まずは太陽の全景。東側に、たしかに立派な黒点群が見えます。ここはアメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration, NOAA)によってすでに通し番号が振られていて、「活動領域12665」と呼ばれています。ちょっと前には中規模……C1.0クラスのフレアを起こしたとのこと*1。こういうダイナミックな活動をする領域は、Hα線で観測すると面白そうです。




2017年7月9日 ED103S+Meade 3x TeleXtender(D103mm, f2385mm) SXP赤道儀
Baader AstroSolar Safety Film(眼視用)使用
ZWOptical ASI120MM, 30fps, 約1800フレームをAviStack2でスタッキング
Registax6でウェーブレット処理

次いで、黒点部分のクローズアップを動画カメラで。こうすると、半暗部の微細構造や太陽面の粒状斑、また黒点の周囲がわずかに明るくなっていることなどがよく分かります。

太陽の大きさとの比率、また斜め方向から見ていることを考慮して見積もると、黒点群の大きさは東西方向に地球約10個分、南北方向に地球約3〜4個分といったところ。この時点でもかなりの大きさですが、今後、さらに発達する可能性もあるので、しばらくは要注意です。

*1:その後、さらに活発化して複数のCクラスフレアや、その上のMクラスのフレアまで起こしているようです。https://www.solarmonitor.org/index.php