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高橋悠治×茂木健一郎 他者の痛みを感じられるか

面白く聞いた。東京はいいな、こういうイベントがあって。

茂木健一郎 クオリア日記: 高橋悠治 × 茂木健一郎 他者の痛みを感じられるか

茂木さんの発言全てが的外れということは無いと思うが、どこか余所行きな匂いがつきまとう。煙に巻かれそうな胡散臭さ。だけど、高橋さんの問いのテンポのおかげで、ゆったりと考えることが出来る。それなりに頷ける箇所もある。分かってもらえない焦りのせいなのか、茂木さんの声がどんどんと上ずっていくように聞こえて、ハラハラ。茂木さん自身、これほど追い詰められたことは無いのかも知れない。どんどん白熱してきて、面白くなってきた!というところで、終わり。新しい何かに繋がっていきそうな予感がしたのに。茂木さんも一人称が「俺」に変わってきて、自分の言葉で熱く語れそうだったのに、残念。

ただ茂木さんの発言のうち、高橋さんの曲を簡単に評価(掛け値なしに素晴らしい、だっけ?)したり、ゴルトベルク変奏曲の途中で休憩を入れることに驚いた話をしたりとか、そういう部分には居心地の悪さを感じる。何か取っ掛かりを探そうと躍起になっている風で、信頼できない。高橋さんの"イジワル"も、そのへんに端を発しているのではないかと。

「分かったと思うこと」「何かを言い切ること」のつまらなさを、高橋さんは質問し続けることで表現しているのではないだろうか。問いは常にある。分かることで面白いこともあれば、分からないことで面白いこともある。と、言葉で説明すると、途端に面白くない。難しいなあ。

大阪のおばちゃんの発言は意味不明だ。初対面と言っているが、茂木さんの著作を読んだファンということであれば、茂木さんの主張を理解・信頼した上で、高橋さんの問いに晒されているわけで、この遣り取りは許容し難いだろうなとは思う。

ところで、小林秀雄の「当麻」は、「たいま」と読むのでは? 「とうま」とも読むのだろうか?

対論のタイトルと、内容はどういう関係があったのだろう?

それから、音声ファイル公開してくれた茂木さんに感謝。激烈で、面白かったです。今までテレビで見て茂木さんに抱いていた理由の無い不信感は、若干減った気がする。