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大学1年生の化学(北里大学・野島高彦)(更新終了) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-07-07

[](12)化学平衡と原子核崩壊


履修者84名中75名出席.89 %.試験前になると出席者数が増えることが多いのに,今回はなぜか減少.前期試験の話をしたんですけどねぇ.

化学トピック(1):七夕と古代の物質観

本日7月7日は七夕です.七夕では笹の葉に願いを書いた5色の短冊をぶら下げます.この5色には,火,水,木,金,土の意味があります.それぞれ,この世界を構成している基本材料と考えられていたものです.

●七夕のたんざくの色にはいろいろな意味があるのですね.

●七夕なのに雨で残念です.テストがんばります!

●今日は七夕ですね.先生は何をお願いしますか?

「お願いぜんぶかなえてください」というお願い.

化学トピック(2):はやぶさのカプセル

小惑星イトカワの材料かもしれない微粒子が,はやぶさによって届けられた試料カプセルの中から発見されました.その分析作業が始まろうとしています.JAXAからの最新公式発表を紹介しました.

前回やったこと・質問・コメント・その他紹介

くわしくは前回の講義録後半参照↓

中間試験についてのおしらせ

昨年の中間試験問題と,その解答を配布しました.今年度は傾向を少し変えるので,今年度向けの模擬問題と,その略解も配布しました.それぞれの考え方,解き方について解説しました.

粉塵爆発

粉末状態は表面積が増えるため,化学的にアクティブになります.そのため,静電気や摩擦が原因で粉塵爆発を起こすことがあります.身近なところでは,インスタントラーメンをつくるときに,「火を止めてから粉スープを入れる」のは,粉スープによるコンロ上での粉塵爆発を防ぐためでもあります.

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●粉塵爆発のことは知っていたけど,あれほど大きな爆発を起こすことを知らなかったで驚きました.

●粉塵事故こわっと思いました.インスタントラーメンをつくるときも気をつけます(笑)

●粉には気をつけます!!

●インスタントラーメンにもケミストリーが関係しているとか驚きました!

●ふんじん爆発,こわい!! 砂糖とかも爆発するのには驚きました.インスタントラーメンはちゃんと説明書どおりに作ろうと思いました(笑)

●ラーメンつくるときは気を付けようとおもった.

●粉ってこわいなと思った.火を止めてから粉を加えるのは煮詰まるとおいしくないからとかそれくらいの理由だと思っていたけど,爆発のおそれがあるならばきちんと火を止めてから加えようと思った!

●いつも気にしないで料理をしていましたが,これからは粉塵爆発に気を付けて料理します.

●固形薬は砕いて飲むのはやめようと思う.

●砂糖に爆発する力があったとは・・・家の砂糖を角砂糖に変えます.

その程度の量なら爆発しないから大丈夫ですよ.

平衡定数

A+B=C+Dという化学反応において,A, B, C, Dそれぞれの濃度を[A], [B], [C], [D]であらわしたとき,K=[C][D]/[A][B]であらわされる量が平衡定数です.[C][D]が[A][D]よりも大きい場合,反応が正方向に偏っていることになり,生成物を得る際に有利な条件となります.逆に,[C][D]が[A][D]よりも小さい場合は,生成物を得るのに不利な反応であることがわかります.具体的な数値を用いた平衡論は,後期の水溶液化学の単元で扱う予定です.

ルシャトリエの原理:実際の例

平衡状態にある化学反応に何らかの操作を加えた場合,反応系は新しい条件で平衡状態となるよう,システムを再構築します.この際に平衡がどのようにシフトするのかを判断する際,「ルシャトリエの原理」が役立ちます.(1) 水素ガス+窒素ガスとアンモニアガスとの平衡反応,(2)NO2とN2O4との平衡反応,に関して,反応系から構成要素を取り除いた場合,圧力を変えた場合,温度を変えた場合について,反応系がどのように平衡状態をシフトさせるのかを考えました.

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↑平衡反応(2)の温度依存性

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↑平衡反応(2)の圧力依存性

●平衡の体積を変えるところがいつも引っかかります.頑張って復習します.

●NO2,N2O4の平衡の動画の一番右にあった牛乳みたいなのが少し気になりました.

●化学平衡は先週よりは理解できました.

アンモニア合成の化学

水素と窒素からアンモニアを合成する化学プロセス「ハーバー・ボッシュ法」について紹介しました.20世紀工業化学の代表的成功例です.

●「水と炭素と空気からパンを作る」だなんて錬金術のようですね.というか,触媒を調べた人,凄すぎる・・・.

●鉄触媒を探し当てた人はすごい.

●ハーバー-ボッシュ法のまたの名が,すごい生活感があふれてて面白かったです.

●高校のときはハーバーボッシュ法について詳しくやらなかったので,時代背景も交えて聞けて,印象に残った.さらにこの発明がWWIにもかかわっていると知って,科学のすごさが分かった.

●ハーバーボッシュ法は高校でもやりましたが,改めて偉大なことだと感じました.

●ハーバーさんは山あり谷ありで大変な人生だったのに,ボッシュさんは104歳まで生きたんですね・・・

●ハーバーボッシュ法の触媒はFe3O4だと思っていました.

●よく大学の試験問題にも利用されていたが,ハーバーボッシュでの化学平衡はとても重要な役割を担っていることが今回講義でわかった.またハーバーボッシュ法を効率よく行うための考え方が複雑で大変だった.

●化学肥料はやだなぁと思っていたけど少し考えが変わりました.

第7章「原子と放射能」

講義では核化学分野で出てくる語句の説明をしました: 崩壊系列,放射能,放射線,α線,β線,γ線,放射性核種,放射性同位元素,ラジオアイソトープ,半減期.

●放射線についてα線,β線,γ線など種類によって透過が違うのを初めて知った.来週の核兵器の話が少し気になる.

●α,β,γ線の強さや,半減期というものの重要性などについての知識が増えてよかった.

●γ線はコンクリートさえも透過してしまうことにびっくりしました.

●放射能と放射線を今までごっちゃにしていて,特に大きな違いはないと思っていました.しかし,「放射能」というのは放射線を出す能力なのだと初めて知りました.

●放射能と放射線の違いを知れてよかったです.

●半減期を使うようなものは考古学ぐらいだと思っていたので,医療でも使うとはびっくり.

●崩壊系列は化学でも物理でも出てきますね.

●2007年頃,原子力発電の割合が少し減っていますが,何かあったのですか?

●原子と放射能は何だか化学っぽくなくて新鮮だった.

●「year-1」意味は何ですか?でも興味湧くものだった.

●最後,少し難しかった.

●放射能のところが難しかった.

●新しい分野だったから少し難しかった.

●最近,放射線物質のこととか,原発のこととか,興味があるので,来週が楽しみです.来週も遅刻しないようがんばります\(^o^)/

●放射線の分野は頑張りたいです.

●放射線の所おもしろいです.

●放射線について勉強できてよかったです!

●放射線物理でやったことが出て来た!! 透過度が紙1枚っていうのは驚き.

●原子力発電について,放射能を発する廃棄物が発生する核分裂でなく,核結合のエネルギーを用いることが考えられていると聞きましたが,この方法では効率が悪いのでしょうか?

●今回の内容は専攻内容に関わるものだったので興味をもてた.

●ウランがこんなに崩壊が続くなんて知らなかった.

●原発事故などでよく耳にする臨界ってなんですか? 崩壊系列が例としてウランから始まっていましたが,1番大きなエネルギーをもっているのはウランですか?すべての物質の中で

臨界は次回の講義で説明します.「一番大きなエネルギー」というのは,なにを基準に「大きい」と定義するのかを決めておかないと何とも言えません.

崩壊速度論

–dC/dt = kC

から出発して微分方程式を解き,観測から時間t経過後の残量Cを求める式

C=C0e-kt

を導きました.

教科書には単に

n半減期後の残量=初期量×(1/2)n

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