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2007-04-25

日本は学力低下していない!?全国学力テストの必要性

昨日、実に43年ぶりに行なわれた全国学力テスト。その目的は学力向上であり、さらにその前提として学力低下がある。

だがこの前提がそもそも間違っているとしたら。


学力低下を示すデータとしてIEAの調査、TIMSSが引き合いにだされる。ニュースでも、この結果を受けて学力低下を報じる。しかし、これは順位以外の要素をまったく考慮していない、短絡的な議論である。

数学の順位の変動を、参加国数の変動といっしょに見てみよう。


TIMSSにおける日本(中学2年生)の順位の変化

数学参加国・地域数日本より上位の国・地域(上位順)
1964年2位12イスラエル
1981年1位20
1995年3位41シンガポール(初参加), 韓国(初参加)
1999年5位38シンガポール, 韓国, 台湾(初参加), 香港
2003年5位46シンガポール, 韓国, 香港, 台湾

順位を下げ始めた1995年以降、日本より上位に入ってきているのは、初参加の国々ばかり*1である。

では、日本が順位を下げた理由は。

× 日本の学力が低下しているため

○ より学力の高い国が調査に加わったため

である。


理科についても同様で、シンガポール韓国香港台湾エストニアが途中参加して、日本より上位に位置づいている。

理科参加国・地域数日本より上位の国・地域(上位順)
1964年1位12
1981年2位20ハンガリー
1995年3位41シンガポール, チェコ
1999年4位38台湾, シンガポール, ハンガリー
2003年6位46シンガポール, 台湾, 韓国, 香港, エストニア

サイトマップ:文部科学省


さらに考慮しなければならないポイントとして、統計学的な誤差がある。2003年の理科の調査結果を見ると、香港エストニア、日本の間には、有為差はない。調査結果の数字に差こそあれ、そこに統計学的に意味のある差はないのである。


もうひとつ、OECDによる調査、PISAもある。

ここでも2000年から2003年にかけて大きく順位が下がっているが、統計誤差を考慮した順位グループを作ると以下のようになる。


PISAにおける日本(高校1年生)の順位の変化

数学の応用力数学(誤差考慮)読解力読解力(誤差考慮)
2000年1位1位グループ8位2位グループ
2003年6位1位グループ14位2(3?)位グループ

PISA(OECD生徒の学習到達度調査)2003年調査:文部科学省


つまり、どちらのデータを見ても、日本の学力は相変わらず世界のトップレベルなのである。


以上は、池上 彰『ニッポン、ほんとに格差社会?』「日本の生徒の学力は低下している」からの劣化コピーである。この中ではさらに、日本の生徒は数学、理科が嫌いであること、家で勉強する時間が減っていることが指摘されている。


はたして、このような前提でも、学力テストを実施する意味はあるのだろうか。

文部省の「詰め込み教育」批判、「ゆとり教育」批判に対する場当たり的な対応こそ問題である。*2


そしてこちらの本、メディアリテラシーを学ぶのに非常に有用だ。

ニッポン、ほんとに格差社会?

ニッポン、ほんとに格差社会?

*1:例外は香港

*2:結びが適当だったので削除しました。

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