ミスハタリの南紀冒険 前篇:和歌浦の海辺にて

毎日が夏休みみたいな暮らしをしているくせに、カレンダーの赤い数字や休日の知らせには敏感で、一週間ほどのれんを片付けて「夏休み」に全力投球していたハタリブックスです。一年のほとんどを昼寝と悪だくみと旅に費やしている事情はまあ棚にしまいこんで、「夏休み」ということばについうれしくなってお菓子を買い込み出発を心待ちにするあたりは人並み。自由研究がわりの旅日記をどうぞ。レッツゴー南紀、はじめての和歌山県
和歌山といえばわたしにとっては南方熊楠中上健次、つまり「読み終えたときに惚れてしまった文化系二大マッチョ(と勝手に思うんですけどどうかな)」が生きた場所、あこがれの地をいつか旅できたらいいなと、ずっとそっと恋焦がれていたのだけれども、ひょんなことから訪れることができました。とはいえ、今回は「海! 山! 温泉! パンダ!」というミーハーでむじゃきな夏休み。

まずは和歌山県北部の和歌山市。うわさに聞いていた新和歌浦のビーチバー「bagus」へ。あいにくのくもり空と小雨なので水着姿で駆け出すことはやめたけれど、海を目にしたとたんに、夏休みの子どもみたいな気分で足どりも軽くなるってものよ。

和歌浦漁港そばを歩いて防波堤を越えると、小さな灯台がお出迎え。ささやかなプライベートビーチへようこそ。松が似合うしずかな海辺は、万葉集でも詠まれた景勝地。その海辺に向かって開かれたバグースは関西の音楽と海が好きなひとたちには有名な場所で、目前の砂浜では海あそびが、店内のライヴスペースではレゲエやスカなど夏気分に合うライヴや音楽を楽しめるんだそう。こんな海辺で聴くラスティック・パンズや二階堂和美さんや、マイスティースHAKASE-SUNは気もちいいだろうなあ。そしてこういう場所で呑むビールはくやしいほどにうまい。まったくこの夏はおいしいビールをたくさん呑んでいます。でもね、呑みすぎてもだいじょうぶ、バグースの上階は旅館なので酔いどれてふとんで眠ることもできるという好立地(→ ☆木村屋)なのです。

 
 

ひさしぶりによそのカレーを食べて「負けた」とつぶやいてしまった。グリーンカレーの勝因はやはりココナッツミルクをぜいたくに使うことではないかと思うのです。

【bagus】 和歌山市新和歌浦2-2 電話:073-444-2559
※2009年の営業:5月半ば〜10月末(オープン16:00/ラストオーダー23:30
※雨の日はお休み(ライブ&イベント時は雨でも営業)
※6月の日曜日13時〜 7月・8月・9月の土日13時〜 やってます。


大きな地図で見る

よく晴れた翌日は、青空の下ごきげんな旅ごころでさらに南下します。道行は好調。見晴らしのよい場所で休憩、午後四時の太陽が海を照らしていた。


塩もふらずに焼いただけのスルメイカの一夜干しがやわらかくて絶品。よりみちのレジャー気分をおやつにしたら、海に背を向けて、くねくねと山道を登って熊野を目指します。後篇につづく。


【ミスハタリの南紀冒険 2009/08/13-16】
前篇:和歌浦の海辺にて 後篇:熊野、森と川とパンダの夏休み