システムズライブラリアンの育成は可能か?(途中)
CA1634 - 「システムズライブラリアン」の位置づけをめぐって / 澤田大祐 | カレントアウェアネス・ポータル
システムズライブラリアンとは(カレントアウェアネスの記事から)
システムズライブラリアンというものは、その言葉が広く伝わっているアメリカや欧米でさえも明確な定義がなされていない。
システムなどのエキスパートであるだけでいいなら司書資格はいらないし、司書として働くならシステム系のエキスパートでなくてもいいのではないか。この記事ではシステムズライブラリアンというものはいったいどういった仕事を担うのかということが議論されている。
たとえば、図書館でシステム系に問題が出たとする。普通のライブラリアンでは解決できなかったために、システムズライブラリアンに依頼するとする。システムズライブラリアンはコンピュータのエキスパートであるから問題は難なく解決できる。しかしそれはコンピュータに詳しい人なら誰でもできる仕事であってシステムズ”ライブラリアン”である必要はない。
雇う立場からとして、(雇用者と被雇用者の間に認識の違いはあるかもしれないが)システムズライブラリアンは専門的なコンピュータに関する仕事とライブラリアンの仕事を同時にこなせる人であるのが望ましいと応えている。
また学ぶ立場、学ぼうとしている立場からはシステム系の仕事をするのにレファレンスや書誌学の知識が必要と思えないし、またシステム系の仕事をしている最中にライブラリアンであると実感することはないのではないかという意見が紹介されている。
その意見を比較して、この記事の筆者は、システムズライブラリアンとは専門的なコンピュータの仕事とライブラリアンの業務を同一線上で考えられる人材であると述べている。
しかし現在日本に比べはるかにシステムズライブラリアンの認知度が高いアメリカやオーストラリアでさえ、システムズライブラリアンを専門的に養成するカリキュラムが整っていない。そのため学ぶ立場のような不満が表れるわけだが、これについて筆者は筑波大学における図書館情報専門学群が再編されたことにシステムズライブラリアンの養成を期待している(ように思われる)