放射性の指定廃棄物の最終処分場 その10 (茨城県での説明会)

4月12日に行われた茨城県の指定廃棄物の最終処分場に関する市町村長会議と、関連する記事などです。(他県の市町村長会議の記事は昨日のこちら


市町村会議の記事を読んで、ガッカリというか情けない気持ちです。
茨城県以外の市町村長会議では、“福島県内に”最終処分しろという発言は無かったようです。(少なくとも明示的に書かれた新聞記事などは見当たらない)
茨城県の印象が悪くなりそうな予感。(後日、感じたことを記事にするかもしれません)

説明会の新聞記事


http://news24.jp/articles/2013/04/13/07226649.html 最終処分場設置 国が茨城県側に理解求める | 日テレNEWS24
市町村からは、国の責任で県外に設置すべきだ、などの厳しい意見が出された

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20130412-OYT8T01507.htm 指定廃棄物最終処分場「県内は反対」 : 茨城 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
首長らからは、処分場の安全性を不安視する見方や風評被害を懸念する声が噴出。村上達也・東海村長が、福島県や同県議会が廃炉を求める東京電力福島第二原発福島県楢葉町富岡町)の敷地に処分場を建設し、各県の指定廃棄物を一括処分することを提案したほか、豊田稔・北茨城市長、吉原英一・坂東市長も福島県内での処分を考えても良いのではないかと主張した。
 会議後、井上副大臣は、処分場の候補地になった自治体の振興策について、「具体的な候補地が見えてきた段階で検討したい」と述べた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20130413/CK2013041302000175.html 東京新聞:「安全安心なんてあるのか」 首長会議で不満続出:茨城(TOKYO Web)
出席した市原健一つくば市長は「想定外の事故は起こった。『国が安全と言っている』と説明しても住民から信頼されない」と反発。豊田稔北茨城市長も「安全安心なんてどこにあるのか。あなた方が神話をつくった」と断じ、大久保太一常陸太田市長も農産物の風評被害を例に「安全だから理解しろというのは真っ向反対」と言い切った。
 吉原英一坂東市長は「放射性物質を拡散させてはいけない」と述べ、福島県内の一カ所で管理した上で、国は住民に手厚く補償するべきだと指摘。村上達也東海村長や会田真一守谷市長らが「重要な考え方だ」などと理解を示し、草間市長も終了後の取材に「全国で一カ所にするべきだ。福島も一つの考えだと思う」と語った。

http://sankei.jp.msn.com/region/news/130413/ibr13041302050004-n1.htm 指定廃棄物最終処分場 市町村長会議 「福島で集約処分を」 茨城 - MSN産経ニュース
坂東市の吉原英一市長は「指定廃棄物は拡散すべきでない。現実的に(福島第1原発周辺に)人は住めるのか。十分な補償をしてそこに戻すべきだ」と反発。東海村の村上達也村長も「どうして国は福島第2原発の敷地に目をつけないのか。なぜ、分散して1県1カ所にするのか」と不満をぶつけた。
 井上副大臣は「すべてを福島に集めるのは、福島の住民の理解が得られない」と政府方針に理解を求めることに終始した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130413-00000132-mailo-l08 東日本大震災:福島第1原発事故 最終処分場候補地選定、市町村長会議初会合 「福島集約を」続出 国と平行線 /茨城 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
坂東市の吉原英一市長は「福島第1原発から5キロ圏内には人が住めない。国が十分な補償を出して土地を買い上げ、(指定廃棄物を)全部元に戻すべきだ」と県内処理に異論を述べたほか、東海村の村上達也村長も「東電に責任を負わせ、福島第2原発敷地内に(指定廃棄物を)持って行ったらどうか」と提案した。
 井上副環境相は「福島県民は他県の指定廃棄物の持ち込みに反対している。無理強いすることはできない。指定廃棄物は地域の問題として各県で処理してほしい」とあくまで当該県での処理を求めた上で、「東電には大きな責任があり、原発敷地内に指定廃棄物を持って行く案もあるが、周辺住民の理解なしに進めるのは現実的に難しい」と述べた。

http://www.joyo-net.com/kako/2013/honbun130413.html 常陽新聞 ●最終処分場候補地の選定手順など説明 環境省、県指定廃棄物処理促進市町村長会議で
出席した市町村長からは「最終処分場での保管期間を想定しているのか」「施設建設地への風評被害対策をどう考えているのか」「放射性廃棄物を拡散すべきでなく、福島県に集中させてはどうか」「万が一の事故発生への対応策は」「安全性を強調しているのに山の中に建設するのはどうしてか」―など国の方針の見直しも含め、厳しい意見が出た。
国側は「施設の安全性の説明を行い理解を深めていきたい」「データの詳細を公表していく」「各県で処理するのは国の方針」などと述べ、専門家などによる有識者会議に、市町村長会議の意見を反映していくとした。

http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13657879946747 指定廃棄物処分場の選定 県内反対の意見噴出:茨城新聞ニュース
市町村長からは「福島第2原発の広大な土地を活用すべきではないか」「1県1カ所の方針は変えないのか」などと質問が続出。中には、原発事故の影響で福島県内に長期帰還困難地域があることなどから、「放射性物質を分散管理すべきではない。国が責任を持って十分な補償を行い、その土地を買い上げてそこに集約できないのか」との意見も上がった。
これに対し、井上副大臣は「福島県の方々も他県の指定廃棄物を持ち込むのは反対だ。無理強いするのは難しい。指定廃棄物の処理は国に責任があるが、地域の問題として地域で処分していただきたい」と理解を求めた。

http://www.at-s.com/news/detail/618040755.html 処分場「福島に集約」意見相次ぐ 茨城の市町村長 | 静岡新聞



高萩市はウェブサイトに経緯や、この問題を特集した市の広報などを置いていました。http://www.city.takahagi.ibaraki.jp/bousai.php?code=1064 //くらし// 茨城県高萩市


市町村会議後の政治家の意見

井上副大臣の感想。新聞記事から受け取る印象とは随分と違った感想を持たれたようです。前向きというより、現時点では様子見ということなのではないでしょうかね。

http://ibarakinews.jp/mobile/news.php?f_jun=13660380341666 指定廃棄物最終処分場 環境副大臣が答弁 支援策「重く受け止め」:茨城新聞
東京電力福島第1原発事故に伴う「指定廃棄物」の最終処分場をめぐり、井上信治環境副大臣は15日の衆院予算委員会第1分科会で、建設候補地となった県内自治体への支援策に
(以下は紙面から要点の転記)自民党石川昭政氏の質問に対し、「一部、非常に強い反対意見が有ったが、ほとんどは前向きなご意見が多かった」と説明。支援策については「候補地が具体的になった段階で風評被害もどういったものになるか想定される。地元がどういった対応を望むか、そういったものが出てくるので、その段階でしっかり重く受け止めたい」
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42657&media_type=fp 衆議院インターネット審議中継 24分30秒ほどから。31分30秒ほどから。
石川昭政氏は比例北関東ブロック(茨城5区)衆議院議員


以下の井手よしひろ県議(公明党)の意見は重要に思いましたので、動画からの文字起こしまでしてしまいました。
ここで言っている「約13年程度で0.6トン程度に減衰(減量?)するとの試算もある」というのは、現状で8000Bq/kg を超えていても、時間が経てば 8000Bq/kg 以下の線量となり通常の産業廃棄物として処分できる物が大量にあるということでしょう。
茨城県内の指定廃棄物は 1〜3万Bq/kg の線量のものがほとんどで、線量は今から5年で半減しするとはいえ、13年で5千分の1の量になるというのはちょっと意外でした)
8000Bq/kgを堺に分別することが可能なのかとか、受け入れる(通常の)最終処分場があるのかとか、残った分を東電原発の跡地に最終処分するのなら今から、そこで最終処分しても同じではないかとか、そもそも反対理由は量の多さとは無関係だろうにとか思いますが、アイディアとして素晴らしいですね。

http://blog.hitachi-net.jp/archives/51422608.html ほっとメール@ひたち:指定廃棄物処理推進市町村長会議の初会合
放射性セシウム半減期から考えると、10年後に8000ベクレル以上の指定廃棄物はどの程度に減量するのか」との質問が出され、橋本知事からは「約13年程度で0.6トン程度に減衰するとの試算もある」との答弁がありました。(略)
質疑応答の後、国から今後の具体的選定の手順について説明がありました。
 この選定の手順についても改めて質疑応答を行いました。
 その中では、「果たして福島県内の市町村の住民はすべてふるさとに戻れるのか。どうしても、戻れない地域が出るのなら、住民への補償をすみやかに行うべき。いたずらに時間を引き伸ばすののなら、(福島県外の)指定廃棄物を受け入れることも検討すべきでないか」との意見が更に出されました。また、「国の責任を明確にして、覚悟を決めて取り組んで貰いたい」との声も出ました。
 今日の市町村長会議を傍聴して実感したことは、国の方針である各県に一箇所の最終処分場という考え方が、地方の首長には全く受け入れられていないということです。

http://blog.hitachi-net.jp/archives/51423136.html ほっとメール@ひたち:県政報告:指定廃棄物の最終処分場問題を語る
(動画から書き起こし)
放射性廃棄物半減期から試算をすると、現在、茨城県内には3000トンの指定廃棄物がありますが、13年後には 0.6 トン、600キロにまで減衰するとされています。
私は、全く個人的な意見ではございますけれども、これから約15年間あまり、しっかりと各市町村の一時保管の体制を充実させ管理を徹底し、そしてある一定期間、15年程度の時間の流れの中で減衰した放射性廃棄物いわゆる指定廃棄物を福島県内の福島第一原発または第二原発廃炉処理を致して、その用地に最終処分するのがふさわしいのではないかと考えます。
当然、長期間に渡りましての一時保管がなされますから、国の責任で各市町村の一時保管の管理の徹底、安全性の担保は国の責任で、その技術的な面、更には資金的な面を支援する必要があります。

有識者会議への市町村の意見 および 知事の発言

4月22日に第2回が開催される「指定廃棄物処分等有識者会議」へ向けて、県内の12の市町村からの意見が出されました。

http://www.joyo-net.com/kako/2013/honbun130420.html 常陽新聞 ●福島県内への集約案に慎重姿勢 指定廃棄物処分場候補地選定で知事
東京電力福島第1原発事故の影響で発生した指定廃棄物の最終処分場候補地選定で、 県内の市町村から福島県への集約案が出されていることについて、 橋本昌知事は19日の定例会見で、 「福島県民の気持ちを十分にくみながら、 理解を得られるなら考えることもある。 地元の意向を推し量ることが必要」 と慎重な姿勢を示した。 (略)
県では各市町村の意見や質問を取りまとめを進めており、 橋本知事は 「福島県のそれぞれの地域の住民感情がある。 トータルの中で環境省が判断することになる。 出された県内市町村の意見を関係者に伝え、 有識者会議で反映してもらう」 と話した。

http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13663809759358 指定廃棄物最終処分場、県内建設反対 県、12市町村の意見集約:茨城新聞ニュース
県は19日、福島第1原発事故に伴う「指定廃棄物」最終処分場建設地の再選定へ向けて県内市町村の意見を集約した結果、「排出された都道府県内で処理する」との国の基本方針に反対する意見が多かったことを明らかにした。(略)
主な意見は「各県処理ではなく、国内1カ所で処理すべき」「東電福島第2原発の敷地を指定すべき」「福島県内で検討することが望ましい」-など県内建設への反対が目立ったという。
このほか「科学的見地に基づいた施設の安全性のPRを」「監視体制、情報公開、事故時の対応を示すべき」「風評被害対策を示すべき」などの意見もあった

http://blog.hitachi-net.jp/archives/51424175.html ほっとメール@ひたち:指定廃棄物の県外最終処分を求める意見などを国に提出
先の市町村長会では、知事から「放射性セシウム半減期から試算すると、現在3000トンある指定廃棄物は、約13年で0.6トン程度に減衰する」との発言がありました。
 そこで現実的には、以下のような考え方もあると思います。
1 今後10年程度各市町村での一時保管を延長し、指定破棄物の減量化を図る。
2 その期間中に福島第2原発廃炉とし、敷地内に最終処分施設を建設する。
3 一時保管した指定廃棄物で1キロ当たり8000ベクレル以上の数値を示すものは、最終処分施設に移動する。
4 国は市町村の一時保管施設に対して、その安全性確保のために充分な技術的、資金的な支援を行う。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20130420/CK2013042002000150.html 東京新聞:指定廃棄物 「福島で処分を」多数 知事、12市町村から意見:茨城(TOKYO Web)
福島県内で候補地を検討することが望ましい」などと県内処理に反対する意見が多数で、二十二日に開かれる環境省有識者会議に提出する。
 寄せられた意見のうち「(指定廃棄物を)拡散させない観点から各県処理ではなく、国内一カ所で処理すべきだ」としたのは二つの自治体で、福島県内に最終処分場を置くべきだとしたのは三つの自治体だった。福島県内の候補地については、廃炉が求められている福島第二原発の敷地を指定すべきだとする声が多かった。

http://www.pref.ibaraki.jp/hodo/press/13press/p130419.html 茨城県>知事のページ>知事記者会見>知事定例記者会見における発言要旨130419
○指定廃棄物の最終処分場について(2)
共同: 最終処分場の件です。福島に集約すればいいという多数の首長さんの声があるのですが,知事ご自身はその案についてはどのように思われますか。

知事: 福島県民,地元の住民の方々の気持ちを十分に酌みながら,理解を得られるのであれば,実際問題として,その地域の放射性物質濃度よりも濃度が低いものでありますから,集約することも考えられるかもしれませんが,その場合には,地域の住民の意向を十分忖度していく必要があるのだろうと思います。