弟子とアンパンマン

 生まれて初めてドラムを教えることにしました。今までドラムに触ったこともない子なのだけど、アーティストとしては僕自身が尊敬している子です。ドラムそのものだけでなく、何かに臨む姿勢とか、練習する上での考え方とか、”できる”ということはどういうことなのか、僕が大学の時に教えてもらったこととその後僕自身が悩んで得てきたことを、伝えたいなあと思ったのです。去年、約20年ぶりに師匠と再会した時に、「ああ、ぼく僕今でもこの人の弟子だなあ」と感じるものがあって、まあ、彼女が同じように僕の弟子と思ってくれるかどうかはわかりませんが、僕自身の成長のためにも必要なのだろうと思って頑張ろうと思います。

 で、初回の今日、やりたい曲を持ってきて、といって持ってきたのがこれ。

 他にもゴールデンボンバーとかあったのだけど、シンプルなシングルストロークバスドラムの頭打ちでできるこの曲が、初めてとしてはちょうど良い教材になりました。内容としてはまず最初に下半身と全身のバランスについて実感してもらい、そのバランスを保ちながらバスドラを踏み、その後シングルストロークをやりました。もちろん初めてなのでまだまだ慣れてはいませんが、最初から良い具合に力が抜けていて筋は良い感じです。初めはテンポ80位からでしたがだんだん速度を上げていき、バスドラとのコンビネーションまでやって、最後は曲に合わせて叩いてもらいました。アタマを抜くのは実はなかなか難しいのですが、そこはまあ練習してもらうしかありません。でも全体的な体の使い方と、基本的なストロークをベースに、初回で曲に合わせて叩けるようになれたのはものすごい進歩です。

 で、曲に合わせて練習してもらっている間に、耳に入ってきたこの曲の歌詞、教えるのほったらかして途中から泣けてきてしまいました。とてもいい歌詞だったんですね。知らなかった。

アンパンマンのマーチ

作詞:やなせたかし/作曲:三木たかし/編曲:大谷和夫/歌:ドリーミング

 僕も行くよ、アンパンマン。胸の傷がいたんでも、どんな敵があいてでも。

 さて、三連休三日目の休日出勤に行ってきます。

初めての

 実はこの2週間ほど、生まれて初めて入院していました。

 2年前から糖尿病の薬物療法を続けていたのですが、ここ最近、肝臓の値が悪くなってきていて薬の副作用の可能性が排除できないことと、直接は関係ないのだけど、昨年末くらいから体調の悪い日が続いていたこともあり、医者の勧めもあって糖尿病教育入院という形で入院することにしました。2週間の間、いろんな検査をしながら食事・運動・薬物療法をやり、血糖値のコントロールを学んでいくわけですが、同僚とかで、他の病院で同じような入院をした時には、強い薬を打たれる、とか屋上をひたすらグルグルと歩かされるなど、いろいろ嫌な噂を聞いていたのですが、気持ちとしては自衛隊の地獄の特訓を受けるつもりで入院したのですが、結果としてはそんなことは全然なくて、むしろ快適なくらいでした。こうした入院では薬の効果を高めるために一時的にインスリンを打ったりするらしいのですが、僕の場合は入院して早い段階から食事・運動両方の効果が出て順調に血糖値が下がったため、結局インスリンは使わなくて済み、さらに薬も一種類減らすことができました。結局肝臓についても、特に薬の影響とかではなく、食事と飲酒、睡眠不足などが原因のようで、入院期間中で健康値とまではいきませんが、かなり近いところまで改善することができました。ま、とにかくまだ体が壊れてしまったわけではなく、普段の生活がいかに体に負担を掛けていたのかということを、身をもって体験できたことが一番大きかったのではないかと思います。

 病院での典型的な一日は、

6:00 起床
7:00 血糖値測定
7:30 朝食
8:30 運動(自転車40分)
9:30 仕事(リモートで会社に接続)
11:30 血糖値測定
12:00 昼食
13:30 運動(自転車40分〜1時間)
14:30 仕事
17:30 血糖値測定
18:00 夕食〜風呂など
21:00 血糖値測定
22:00 消灯(実際に寝るのは23:30位)

 てな感じで、これらの間にいくつか検査が入ったりしていました。見ての通り、つらいとかよりも、規則正しい極めて健康的な生活でした。一応食事もカロリーと塩分を制限されていて、量は普段の食事と比べるとかなり寂しいものがありました。特に最初の頃は夕食の時間が速いため、夜お腹が空いてしまって寝れないこともあるくらいでしたが、一週間もすると量にも慣れ、満腹感を感じることもあったくらいです。このせっかく小さくなった胃をできるだけ維持したいものです。

 今回初めて入院してみて、特に内科病棟だったせいか、まあ周りにはいろんな患者さん、しかもかなり悪い人も居るわけで、特にご年配の方は、御見舞いに来る家族との会話なども含めていろいろ感じるものが少なくありませんでした。他にも、両親が入院している間にその両親のお金を使い込んでしまう娘とか、もう50台過ぎの夫婦なんだけど旦那のお見舞いに来てイチャイチャしてたり、一晩中「センセー!」「センセー!」と喚いてるおばあさん、本人は極めてしっかりしているのに息子にメールアドレス取得を禁じられているおばあさん、などなど、まあヒマってこともあって、病院にいるといろいろな人生の物語が見えてくる気がしました。

 まあ、そんなこんなで、この入院を通して一番考えたことが、Quality of Lifeということです。もちろん自分自身のせいで入院しなくてはいけないことになったわけですが、僕にとってのQualityっていうのは、良い仕事をして、友人と楽しく飲み食いし、ステキな音楽を聴いて演奏する、(フツーはこれに家族が加わるんだろうけど)ということに尽きると思うのです。糖尿病との付き合いは一生続くわけですが、今のところ海外出張禁止なわけではないし、お酒を飲んではいけないというわけでもないし、一緒に音楽をやる仲間もいるわけで、こうしたQualityを維持しながら、病気とも上手く折り合いをつけていければいいかなと思っています。というわけで、これからも遊んでくださいね。

意味は無いけど

 あんまり放置しておくのもどうかと思うのでたまには更新。


 先週の水曜日に出て、今日の夕方まで、アメリカに出張に行ってました。シカゴ経由でアトランタに入って、帰りは混んでたのでロサンゼルス経由で成田に着きました。日本を出るときは半袖1枚で、寒かなあと思ったのだけど、アトランタは日本以上に暑くて、夏物のスーツを持っていったのだけど、上着を着ていられる温度ではありませんでした。まあ、ほとんど部屋の中に監禁されてたんだけど・・・。出張自体は、ちょっと準備不足のところはあったのだけど、内容の濃い2日間でした。ちょっと時間あったのでモールに行って自分に合うサイズの服を買うことも出来ました。今季もまだまだ多分もう一回アメリカかなあ、あとシンガポールも一度は行くだろうし、もしかしたら中国も。こう言うと結構グローバルな仕事って思われるかもしれないけど、今やっているメインのお客さんは超ドメスティックなんだよなあ。まあ、何にしても、ずっと前から読み続けてるジョブスの伝記の英語版、出張の時の飛行機の中でしか読めてないので、ようやくマックの開発に入ったところまでで、結局全然進んでません(笑)

 で、今回の出張で実は後輩の結婚式に出られなくなってしまってたのでした。4月以降、3回続けて結婚式があって、この年で寿貧乏っていうのもなんだけど、まあ幸せな姿を見ることができるのは良いです。今回行けなかったのは会社の後輩、その前はアメリカ時代の友人、最初のはもう辞めてるんだけどやっぱり会社の後輩で、僕の最初の部下だったのでした。どちらの式も本人らしいこだわりとか満載で、久しぶりの参加だったのだけど、違った意味で楽しめたのでした。たまたま披露宴で隣りに座った人がやってる店におじゃましてみたりも。
こもり亭
 ちょうど米国から一時帰国してる友人と行ったのだけど、途中から飛露喜が出てきて、で、つまみも日本酒に合うものが多くて、結構飲んでしまったのでした。

 で、4月の終わりには今のマンションに引越をして、4月の頭にはやっぱりアメリカのミネアポリスに出張したり、3月中頃にはライブをやったりと、まあ、前回の書き込み以降もいろいろと書けば書けるだけのイベントがあったわけですが、なんかいまいち書く気にならないので、今後もどのタイミングで書くか自分でも分かりません。大体、そもそもこのブログは読んだ本とか聴いた音楽、美味しかったレストランなどを備忘録として残すために始めた訳ですが、すっかり仕事にかまけてしまってできてません。まあ、当分は今の仕事が面白いのでこんな感じになると思います。

その時のメモ

 地震の翌日[id:hyamayama:20110312]に、実家で自衛隊の給水を受けたあと自宅に戻る電車の中で、思いついたことをメモとして携帯に残していました。

この期に及んで考えたこと 2011.3.12 12:33

連絡を取ること。
落ち着くこと。
前向きでいること。
常に備えること。
大切な人を大切にすること。

 本当はこの前に、携帯の電源のこととか連絡の取りやすさとかどこの店が開いてたかとか、そういうのを書いてあったのだけど、それは省略。で、これって別に震災だからというのでなく、人生を全うするための普遍的なことなのだなあと改めて思った次第。じゃあそれがこの一年間できたかというと、まだまだですね。でも、病気のことと震災のことと、初めて「死」を意識した一年であったことは間違いないです。こんな事言うとアホかと思われるかもしれないけど、本当に酒飲むにも命がけのつもりなのです。

 そんな飲み会がとても楽しい仲間達とのライブです。

 僕らの出番は3番目です。昨日最後のリハでしたが、今回はゲストが入ったりしてテンションも高く、かなりまとまってきたんじゃないかと思います。前回の定禅寺がちょびっと消化不良だったこともあり、今回はリベンジです。ただ、実は今週後半にシンガポールへの出張が入ってしまい、土曜日早朝に帰国してその日のライブになるのですが、体調整えて頑張りまーす。

 も一つ告知を。マンション(中古)買いました。月末に引渡しで、引越は4月に入ってから、ちと落ち着いてからの予定です。結婚した人が羨ましがるような独身の城を築く予定です(笑)その内引越ハガキ出しまーす。

音楽会

 昨晩は友達の会社が主宰してるこんなイベントに行って来ました。
霞町音楽会
 Chainsはかなり久しぶりに聴いたけど、相変わらず骨太な感じで良いですね。まあ、再度メジャーになるには何かも一つ欲しいとこだけど(失礼!)、今のままで十分かっこいいと思います。長年続けて欲しいし、ウォッチし続けていきたいバンドです。ただ一つだけ、照明がきつかったなー。歳のせいなのか、あまりにギラギラしててあまり音楽に集中できなかった。せっかくホンモノの音楽なのだから、余計な演出とかいらないと思うんだよね。80年代じゃあるまいし。ま、それは置いといて、その次のhttp://www.k5.dion.ne.jp/~ssduo/は、実は恥ずかしながら全く知らなかったのだけど、いやー、素晴らしい!二人の書く曲も凄くいいのだけど、なんといってもピアノの伊藤志宏 Live scheduleは衝撃的でした。もう、圧倒的なテクニックで、年間250本のライブとの噂もなるほどと思わせるものがありました。この日はtp/flhとのデュオで、リズム隊無しで十分かっこ良かったけど、ぜひ今度ドラムの入ったユニットで見てみたいな。最後が、Mari Nakamura official website。これまた素晴らしい!順番として最後に弾き語りっていうのは大変だったと思うけど、それでも十分に楽しめました。曲もいいし、歌も本当にいい味あるし、何よりも英語の発音が素晴らしい。僕の中では、サンフランシスコのカフェとかでやってるような弾き語りが彷彿とされてきて、すぐにでもアメリカ行くべき!と思っちゃいました。

 素敵な音楽の夜は、やっぱり美味しい物を食べて終わりたい、ってことでフラフラ入ったのがこちら。
ばむぶう|西麻布・麻布の居酒屋
 焼酎も美味しかったけど、刺身が旨かったなあ。二人で1.5時間くらい、7千円位だったので西麻布にしては安いのでは。


 そんなワケで、今度は自分の番です。

 ここ2年、定禅寺に出たバンドでライブをやることになりました。3菅のノリノリな感じでお届けする予定です。19:30からです。もし良ければ是非どうぞ。さ、練習しなくっちゃ。

今年最初の

ライブを見に行きました。
MANU KATCHÉ|ARTISTS|BLUE NOTE TOKYO
 80年代からのフェイバリットなドラマーの一人です。なんといってもPeter Gabrielのアルバム”So”とそれ以降の一連のライブや、Stingの”...Nothing Like The Sun”などは、当時本当に衝撃でした。圧倒的に深いグルーブとクラシックで培ったテクニック(コンセルヴァトワールの打楽器科出身)で、一度聴いたら忘れられない唯一無二のスタイルで、ドラマーの表現は一体どこまで広がっていくのだろうと感じたものです。強靭な手首を中心としたストロークなのだけど、多分ゆるゆるなグリップなせいでとにかくシンバルもタムもスネアも音がいいのと、圧倒的なダイナミックレンジ、最強でも最弱でも全くブレないグルーブ、よく”歌う”ドラムと言いますが、今夜もまさにそういう感じでした。時折入るドラムソロも実に音楽的で、とてもできる感じはしないけど、オスティナートをベースにしたソロは本当に勉強になります。いつもビデオとかで見ていると右端にはチャイナ、目の前にスプラッシュを置いていて、その使い方が大好きなのだけど、今日は右端は穴あきシンバルで、またいつもと違ったサウンドだったのが印象的でした。

 もちろん今日のようなジャズもいいのですが、改めてこの人が入っているPeter Gabrielの動画見ると、打楽器が持つエモーショナルな影響が曲全体を作り上げていて本当に感動的です。

 今日がManuで、来週月・水はビルボード東京でのダニエル・ラノワでブライアン・ブレイドが来るっていう、僕のフェイバリット2トップが続けて来日という天国のような1月です。

南へ

今年最初の出張はニュージーランドオークランドでした。個人的には週末に血液検査があったりするので回避するつもりだったのでたのですが、年末年始の休みの間に大分状況が変わってしまい、行かざるを得ない状況に。まあ、暖かくて良い季節ということもあって、急遽行くことになりました。同行する技術メンバは丸々一週間なんだけど、僕は前半のみ。帰りは日中の移動だし、まあシンガポールの時みたいにキツイ日程ではないのが救いかな。

で、土曜の昼間に用意して、渋谷から成田expressでNRTへ、18:30発のフライトで向かいます。14時間もかかるというのでうわーと思ってたら、去年地震のあったクライストチャーチ経由でした。で、今回はニュージーランド航空なのだけど、出発前のsafetyの説明のビデオがかなりいい感じです。


なんか、離陸前のビミョーな緊張感がほぐれる、いい企画です。

久しぶりの10時間フライトでしたが、まあ多少寝れたし、まあ快適なフライトでした。クライストチャーチでは震災のあとを探して見ましたが、空港が市街地からは離れていたのであまり良く分かりませんでした。CCからオークランドは一時間ほどでついたのだけど、残念ながら雨。まずはホテルに直行してチェックイン。夜にパートナーの会社と夕食の予定なので、港の方まで三時間ほど散歩しました。一応暑くて湿度も高いというので半袖と短パンも持ってきたのだけど、どっちかというと寒いです。坂道が多くて、サンフランシスコを思い出しました。ただし、サンフランは道が真っ直ぐだけど、、オークランドはクネクネしてたりしてて、MAPのアプリが欠かせません。そうそう、auにしたのでローミングができるのだけど、定額制じゃないので基本的には切ることにしました。ホテルはちゃんとWiFiがついてるのでまあ良しとしよう。写真はまた別途あげるとして、この後はやはり港に面したsoulというレストランで会食。シーフード中心に食べたけど、どれも美味しかったです。僕はhapukaっていう魚を頼んだのだけど、スズキの一種みたいで、貝で出汁をとった薄味のソースが絶妙な感じでした。夏時間なので8時過ぎてもまだ明るかったです。ソービニヨンブランのドライなワインも美味しかったです。満足してこの日はホテルへ戻って、そろそろ寝ることにします。