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横浜国大 松田裕之 公開書簡

2016-08-13

高山村「日本版首長誓約』」の誓約式での挨拶

2016年8月11日(木・祝)13時30分より高山村内の保健福祉総合センター(チャオル)にて開催された高山村「日本版首長誓約』」の誓約式での挨拶(原稿)

 高山村のみなさんこんにちは。ただいまご紹介にあずかりました、今月より高山村環境審議会会長を拝命しました、松田と申します。

 【高山村】地球にやさしい環境基本条例の前文がお手元の資料の裏側に書いてございますが、先ほど久保田村長中島副知事からお話がありましたように、この前文は、地元の中学高校生代表にも大いに貢献いただきました。

 私は文科省ユネスコ国内委員会調査委員も務めております。志賀高原ユネスコエコパークには高山村全域を登録いただいています。

 ユネスコエコパークは、単に自然を守るだけでなく、自然の恵みを活用した持続可能な社会のモデル地域を目指す制度です。先ほど杉山先生に紹介いただいた自治体のブランド力作りと志を共にしています【綾BRの例ESD教員向けガイドブック】。

 国連では昨年9月から持続可能な開発のための17の目標を掲げています。気候変動対策と再生可能エネルギーの推進も目標に含まれており、ユネスコエコパークでも、それらの目標を地域自身積極的に担うことを勧めています【リマ行動計画】。

 今回の首長誓約は、まさにぴったりの取り組みです。高山村の取り組みが全国全世界にも伝わっていくことと思います。久保田村長をはじめとする皆さんの取り組みに深く敬意を表します。高山村の皆さん、今年から祝日となった「山の日」の日本版首長誓約」の登録、心からおめでとうございます。

Date: Tue, 16 Aug 2016 12:13:33 +0900

 似たような取り組みにICLEI会員というのがあるそうです

 この両者は来年1月に統合され【Global Covenant of Mayors for Climate and Energyが結成される】ようです。

2016-07-26

日本のCO2排出量が減り始め、311以前の水準に

Date: 7月24日 11:39

2014年にはCO2及び温室効果ガス(GHG)排出量が減ったのですね。しかし、2010年よりはまだ多いです。

Date: 7月24日 23:55

GDPあたり排出量の推移がわかるサイトがみあたらないのですが、GDPの推移はあります。名目と実質とどちらが良いかわかりませんが実質GDPあたり排出量は、2010年のほうが低いのではないでしょうか。しかし、だいぶ減りましたね。これで計算あっているでしょうか。

Date: Mon, 25 Jul 2016 10:39:25 +0900

 添付します。【下が実質GDPあたりの日本のCO2,GHG排出量の推移です。2009年にGDPが下がったのはリーマンショックでしょう。その時はCO2排出量も下がりましたが、GDPあたり排出量も減っているようです。上記2つのサイトにある排出量とGDPを割り算しただけですが、】間違っていたらごめんなさい。

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【原発を止めて】火力で賄ったのだから、【3.11以後にGHG】増えたのは当然ですが、2007年あたりよりすでにGDPあたりでも低くなっているのですね。

 CO2対策としては、原発即時ゼロは5年ほどの遅れを伴いましたが、現在ではCO2削減と反原発が両立し得ることがわかりました。おそらく、増設した火力の耐用年数が過ぎれば、さらに大幅に削減できるでしょう。

Date: Mon, 25 Jul 2016 22:38:41 +0900

昨年のGHGおよびCO2排出量、および実質GDPあたり排出量は、ほぼ3.11前(2010年)に戻ったと思います。火力が不要という意味ではないが、原発を動かさなくても当時並みの排出量で済むとは言えると思います。

 もし、【3.11以後に】数年間原発を動かして、その後止めるならば、GDPあたりCO2排出量を増やさずに原発政策を見直すことができたのではないでしょうか。

 再稼働絶対反対が(中長期的な)CO2削減を速めたとは言えないと私は思います。【CO2対策として】少なくとも数年は、増やしたことは確実でしょう。

 そういう考察は誰もしていないのでしょうか。

2016-07-15

6/10知床世界遺産クマWGでの松田発言

松田:【】確かに「対処法」で「捕獲対策」とだけ書かれているのは、ご指摘のとおりかもしれない。だが、一連のご意見・ご指摘を聞いていると、今の知床財団が第1 期の保護管理方針のとおりにやってきていなかったようにも聞こえかねず、それでは知床財団としても立つ瀬がなかろうと思料する。今の管理方針通りにやっているが解決がつかない、それどころか問題が増幅している、だからどうしたらいいか、ということだろう検証は必要だ、それは今後やったらよい。ここには確かに捕獲だけが書かれているように見えるが、今までどちらかと言えば捕獲は控えてきているわけで、それに対するオプションとしての記述と思われ、これ以外の提案があってよいわけである。【】

松田:少ないデータでよくここまで解析されたと思う。ただ、ここに書いてあるように、結局この5 年間で生息数の推定ができていないという点こそが、大きく重い問題だと言えるだろう。第1 期方針の「管理の目的」には、「ヒグマについて、その生活様式と個体群を現行水準で維持することを目的とする」と書かれている。つまり、個体数は減らささないということであり、ヒグマの生活様式も含めて(現状を)維持するという意味だ。ご説明では、(5 歳以上の雌ヒグマの)人為的死亡数は目標を超過する可能性がある、しかし個体数が減少したかどうかは不明であり、管理の目的が達成されたか否か検証できない状況にあるということだ

 【全道の生息数推定】の計算【】で知床と書かれているのは、我々が議論している保護管理方針の対象地域である3 町ではなく、5 町であるという点と、0 歳も含まれているという点かと思う。第1期の方針策定の際、雌(の個体数は)150 という数字を踏まえて、(5 歳以上の雌の人為的死亡が)5 年間で30 頭と決めたわけだが、それとの比較が直接はできないということだ。ただ、これは是非とも比較したいと考える。つまり、0 歳を除いたら何頭なのか、150 頭より多いと思われるのか少ないのか、そのくらいは分からないと次の議論が進まないと考える。

 もう一点、議論の進め方全体について、【】ここに書かれた選択肢以外は「できない」ということか、という点だ。私は、本当にここに示された選択肢でできないなら、それ以外の選択肢採用しうると考えている。行政的に非常に難しいのは理解するところだが、一例として先ほども話に出たように「道路では発砲できない」といったところで、知床では(エゾシカのシャープシューティングのように)前例があり、本当に必要なら色々な工夫をして実現してきている。本来、そういったことも含めて、今できる範囲のことで解決するのか否か、それを検討した上で、さらに別な選択肢検討するべきか否かに議論を進めるべきだと思う。この資料のままに検討を進めていくと、そういう議論ができぬまま、出来るだけのことはやった、けれどもうまくいくかどうか分からない、目標が達成できるかどうかも分からない、と言いつつ次の5 年間が過ぎていくのではないかという危惧を抱く

松田:30 頭という数字は、雌150 頭という前提で、ある程度予防的な観点から個体数を減らさないという趣旨で出した数字だ。絶滅はさせないが、減らしてもよいという前提に立てば、この数字は変わる。そういう議論で間違いないか。当然のことながら、全道計画としてはそういう議論はされているわけだが、知床は世界遺産なのであるから、絶滅させなければ減らしてもよいのだとは、私自身は言いたくないし、ここにいる誰もが同じだろう。問題個体さえいないならもっと増えてもいいぐらいだ。それができるかどうかが問われている。その意味で、問題個体の増減傾向すらきちんと把握できていない、どのくらいいるのかも分からない、そういう情報が書き込まれないということこそが問題であり、そのモニタリング体制が整わないと、進まない。知床は全道よりやりやすいはずで、そうした現状認識のためのモニタリングの必要性や体制についてご検討いただきたい。これは全道計画でもお願いしたい点だ。

松田観察できている個体のうちどの程度が問題個体かではなく、全個体の中で占める割合が必要である。しかし、全個体数が推定できていないので、割合も当然推定できない。むしろ、段階1 の個体数は見えているはずなので、ある意味では推定できるだろう。段階2 に関しては、調査から推測して上限下限を設定するということは渡島半島で前例もあるので可能と思う。行動段階1 の個体が増えていることにより(対応件数が)増加している、そのことが問題だと考えるので、行動段階1 の個体がどのくらいいるのか、それをどの程度コントロールできているのか、そういった情報が必要だ。

松田:以前伺ったときは【段階1個体数は】もっと多かったような気がするが、それはよいとして、現場では問題個体ではあるが野に放たれた状況にあり、それゆえに始終追い払っていなければならない、という点に苦慮しているのだと思う。むしろ生け捕りにしたほうが楽だという考え方も、ひょっとしたらあるかもしれない。何も殺すか放置するかの2 つだけが解決方法ではないだろう。色々な解決策があると思う。

松田:【】先ほどの説明で、段階1 の個体を追い払い続けて、結局救えていないという現実が明らかになった。これは非常に重要なことで、それならば別なやり方をすべきだという議論になると考える。

 先ほど、年に数頭であれば生け捕りという選択肢があってもよいのではないかなどと、【】軽々しく発言したが、追い払いをし続けるということは、段階1 の個体がずっと野に放たれている状況を指しているわけで、それがいつ人身事故につながるかも分からないという状況を生み出しているならば、同じ労力をかける中でもう少し選択肢の自由度を上げてもよいのではないか。【】

松田:まずこの保護管理方針だが、順応的管理という言葉が見当たらない。ヒグマの保護管理マニュアルには、個体数に応じて対応を変えると書かれているが、そういうことはこの保護管理方針には書かれていない。今の状況から個体数が増減するということではなく、問題個体数の増減【に応じた方針変更】こそが重要だが、その代わりにゾーニングと行動段階が書かれていて、それごとに対応を変えるとしている。本来は、知床のヒグマの生息個体数あるいは問題個体数に応じて、ゾーンあるいは地域ごとに対応を変えるというのが筋だろう。今はそうなっていない。モニタリングすべきこととして、全体の個体数の増減とともに、問題個体数の増減があり、それによってやり方を変えるべきである。

 今の【】委員の意見は、クマだけではなく人の側の問題もあるだろうというご指摘だ。先般、問題カメラマンその1、その2 のような資料を目にしたが、人間モニタリングも必要だと考える。なにも人間制御することだけとは限らない。こんな人が大勢いるようでは、クマの側に対してこういう対応は取れないということもあり得る。つまり、人間の側の対応次第ではクマへの対応を変えるということもあってよい。そういう意味で、人間側のモニタリングも行ったほうがよい。

2016-07-04

日本のEEZ内には生態学的に重要な海域がない?

10:31 - 2016年7月4日

EBSA(生態学的生物学的重要地域)の地図はこれです。日本近海にもNorth Pacific Transition ZoneとEastern Shelf of Sakhalin Islandが指定されています。

日本の排他的経済水域(EEZ)はたとえばこれです。 残念ながら、日本のEEZを避けるようにEBSAが設定されている。ロシアなど他国はそうではない。EBSAは保護区ではないので指定しても規制されないのに。

要するに、日本のEEZ内には生態学的生物学的に重要な海域はないとしてしまった。他方でCoMLでは日本は海洋生物多様性の世界有数の宝庫とされている。重要性を自ら否定しては守ることも自慢することもできない。

 【おそらく、国際的に新たな動きがあったときに、得か損かわからないことは判断せず、何もしない、何もしてくれるなということなのでしょう。これでは先延ばしにすることはできても、結局は世界から取り残されるだけでしょう。日本のEEZ内の生物多様性を懸命に調べた研究者の成果が生かされないのは残念ですね。】

2016-06-30

クロマグロ「初期資源量」の2%まで減ったという根拠は?

Date: Thu, 30 Jun 2016 14:47:19 +0900

クロマグロの国際管理機関最新の資源評価の概要8頁1行目から6行目にかけて、クロマグロの現在の資源量がSSB at F=0【漁業をしていないときの産卵親魚量】 の2%というのが上記のISC報告書の表現ですよね。しかし、これが初期資源量だとどこに書いてあるのでしょうか?

 SSB at F=0の計算方法は上記に脚注があって、「The unfished SSB is estimated based upon equilibrium assumptions of no environmental or density-dependent effects」とあります。要するに昔の資源量を調べたわけではなく、何らかの再生産関係を仮定して(密度効果も入れていないということはあり得ないので、この点はよくわかりませんが)、それも環境(変動)の効果を無視して(おそらく、決定論モデルを使ってという意味だと思います)、平衡状態を計算し、それと比較しているのだと思います。当然ながら、このような推定方法は極めて不確実性が高く、まさに櫻本さんが批判している密度効果を仮定した決定論的手法に該当するでしょう。これは、資源学の専門家でなくても、上記の英文をたどれば想像できると思います。逆に言えば、専門家でなければ、この文書からだけでは、「SSB at F=0が決定論的密度依存性を仮定したときには初期資源量を意味する」とは読み取れないと私は思います。

 1950年代からの資源量の減少は同じ資料P14の図4に載っていますが、せいぜい数分の1程度【1/10*1】です。ということは、初期資源量から1950年代までに20分の1数分の1*2程度に減り、そのあと強烈な乱獲によって数分の1【さらに10分の1】に減ったことになるでしょう。1950年代までの累積漁獲量を知りませんが、どうなのでしょうか。

 

 以前、大西洋クロマグロの時も以下のように書きました

大西洋クロマグロ提案書を読むと、昔の資源量がきわめて多いと評価され、減少分が当時からの累積漁獲量よりも多くなっている。それが事実ならば、マグロ減少の理由は乱獲ではないことになるだろう。日本政府が主張したのはその点であり、この点に対する反論を私は知らない。

 今回も同じことでしょう。

Date: Fri, 1 Jul 2016 05:41:28 +0900

 精度を上げるのはかまいませんが、決定論モデルで密度依存性を仮定した平衡状態を【計算】していることに変わりはありません。つまり、櫻本さんの批判がそのまま当てはまるということです。

 もちろん、その批判は当たらないという意見はあり得ますが、誤解に基づく的外れ批判ではないということです。

 今回の議論を通じて、クロマグロ漁業管理機関自体は2%という数字を「初期資源量」とは表現していないらしいということになりました。誰かがそう解釈したのでしょう。つまり、櫻本さんの批判は漁業管理団体にではなく、自然保護団体に向けられている。今回の議論を通じて、そのことが全く理解されていないということがわかりました。

 リスクの科学でも、しばしば未実証の前提を用いて外挿します。だからといって、不確実性の極めて高い非線形関係を仮定した数字をはじき出すわけではない。太平洋クロマグロの場合、1950年代から9割も減少しているということが重要なのであり、一層の資源管理が必要だという点に全く異論がありません。

 2003年の故Ransom Myersらのマグロ9割減少説、2006年のBoris Wormらの2048年資源壊滅説(2009年論文で本人が事実上撤回)、2010年ワシントン条約での「大西洋クロマグロ資源はあと数年で枯渇」など、極端な意見は枚挙にいとまがない。しかし、全く進歩していないと思います。

 もちろん、極論を宣伝するほうが政治的効果があるのか、科学的に冷静な議論をするほうが結局は力になるかは、私にもわかりません。しかし、科学者なら間違いなく後者を選択するはずです。

*1:P5の表1を見ると1/10というほうが妥当ですね

*2:ごめんなさい