テロ対策を金儲けの口実にする「もったいない愛知万博」

愛知万博の入場者数が予想を大きく下回っているという。半年間で1500万人を想定していたから、1日平均8万人が必要だが、平日で5万人前後、週末でも7万人しか集まっていないらしい。前売り券が800万枚以上*1売れたというから、万博協会は前売りと当日をあわせれば目標を達成できると楽観しているようだが、私は甘いと思う。
環境の標語は「もったいない」。名古屋人はこれが浸透している土地柄だ。前売り券は上手に友人などに再利用されるのではないか。
それよりも問題なのは弁当・ペットボトルの持ち込み問題だ。弁当は食中毒対策と称して入場時に捨てさせられたらしい。これこそ究極の「もったいない」万博だ。手作り弁当を捨てさせられた入場者は、納得できないだろうし、よい思い出にはならなかったことだろう。首相の一言で手作り弁当が解禁になったそうだが、食中毒対策という理由はどうなったのだろうか?途中で変えるには説明が必要だ。初めから嘘だったのではないか。
ペットボトル、ビン缶類の持ち込み禁止はもっと問題だ。理由はテロ対策だという。それなのに、水筒は持ち込めるらしい。不透明の水筒と透明なペットボトルと、どちらがテロに利用しやすいだろうか?
テロ対策は命がけの任務だ。警備員は毎日ぴりぴりして任務をこなしていることだろう。そのテロ対策を金儲けの口実にするようでは、彼らの士気にもかかわることだろう。
思えば、愛知万博はこのようなごまかしの連続だった。極めつけは2000年1月、中日新聞がBIE(博覧会国際事務局)が当時の万博計画を批判し、ゆっくり計画を見直せと言ったと抜いたとき。その前日の環境影響評価会では、早期登録はBIEの要請と当時の通産省は説明し、2000年1月12日の評価会議事要旨にも以下のように載っている。>>本博覧会は条約上は特別博と位置付けられるが、登録博並みの博覧会を目指しており、BIEからも可能な限り開催5年前に登録するよう要請されている。<<このようなごまかしは遺憾である。ペットボトルも弁当も、これと似ている。架空の口実で物事を進めては、信用を得られないだろう。

*1:2005/4/27数字修正