平成17年度エゾシカ可猟区域(素案)について

Date: Mon, 23 May 2005 16:40:50 +0900
○○,皆さん 【5/16の】検討会の結論はたいへん難しい注文でしたが、案を提示いただき,ありがとうございました。私の理解を申します。

  1. A地域を早めに開け,B地域を遅くまで開けると言うことでしたが、A地域は10月はじめからは困難で、10/25からとなった。
  2. それぞれの地域で、国有林など実際には閉じられる区域が多い市町村を閉じると言う松田の提案は,取り入れられていない。
  3. (2とは別問題で)それぞれの地域で、国有林など実際には閉じられる区域について、それを明示した地図を示していない。(これは、もう少し後で明示した図を描くことは可能だと思います)
  4. 特にC地域で,初めと終わりに2度猟期を設けると言う案は、取り入れられていない。
  5. メスのみの可猟期,可猟区は設けられていない。

 このうち、5については【】説明がありますが,それ以外は説明がありません。

  • 上記2)については、議事録には残してください。(無理と判断されたと理解します)
  • 上記3)については、できるだけ早い時期に図に描いていただくよう希望します。いかがでしょうか?
  • 上記4)については、検討会では技術的?に可能と言うお返事だったと思います。私としては、10/25-○, ○-○(曜日により要微調整)などとしてはいかがかと思います。道南は捕れば減ると楽観されているようですが,私は,ある程度本気で捕るべきだと思います。後になって、道南だけは可能だった(が楽観してだめだった)と悔いる可能性があると思います。
  • 上記5)については、全期間ではなく,たとえばA地区で1/15-1/31だけでも雄0とはできませんか?(たしかに、あまりややこしくしないほうがよいかもしれませんが、有効利用の熟練者以外をB地区に誘導する効果があると思います)。
  • あと3点。6)AとBの配色を逆にすべきではないでしょうか?このままでは、今季B地区重視に変えたことが不明確です。
  • 7)道央部でも猛禽類対策で細かい禁猟区が描かれる可能性がありますが、これが果たして必要か、○○さんのご意見も伺いたいところです。営巣の邪魔にはなりますが、営巣場所を特定される欠点もあります。これも何年も続けるのは困難です。
  • 8)道東部は2月に許可捕獲を行う(○○さんの提案)ことができますか?

 いずれにしても、国有林などのシカの逃げ場を猟区として開けなければ,エゾシカ保護管理計画は成功しません。道東も道央も(下手をすれば道南も!)大発生が続くでしょう。有効利用によって大発生水準を解決するには,まだまだ時間がかかると思います。道東の今年の被害指数が50未満になっていてほしいと思いますが、かなり厳しいかもしれません。
 皆さんのご意見もお聞かせください。
Date: Tue, 24 May 2005 09:47:56 +0900
○○さま、皆様
早速のお返事ありがとうございます。【中略】
【先日メールの】(2)の議論ですが、「半分」以上規制されている市町村は可猟区からはずしてもよいと思います。有限の捕獲努力を配分するのですから,効果の少ない場所を可猟区にしてもしかたがない。市町村単位だからできないとは言えないでしょう。 その半面、猛禽類対策で閉じた場所を精緻に公表するのも考え物です。
 市町村単位での輪採性が有効とすれば、私は今年閉じた面積の多い市町村を可猟区からはずすべきだと思います。来年、国有林を開けるなら、来年そこを可猟区に指定すればよい。シカにとって、予想済みの狩猟圧では効果は薄れると思います。
>4)特にC地域で,初めと終わりに2度猟期を設けると言う案は、取り入れられていい。【中略】
>上記5)については、全期間ではなく,たとえばA地区で1/15-1/31だけでも雄0【中略】
 【道南地域で2度猟期を設けるのは】魅力的な案ですがいかがでしょうか?【雄禁猟については】虚偽報告を誘うとすれば,残念ですが、避けるべきでしょう。
Date: Tue, 24 May 2005 14:29:56 +0900
皆さん 検討会での危機感と、道庁サイド,現場で少し温度差があるのかもしれません。
 道東だけ見れば、膠着状態と考えられ,急いで方針を変えなくても,世論の熟成を待ってもよいと思われるかもしれません。けれども、道東と道央との二正面作戦はすでに不可避であり、両方に狩猟圧を【裂】けない以上,既に手遅れなのです。今のままでは、解決しないということです。
 この手遅れを取り戻すには,一刻も早く,解決策を打たねばなりません。そうしなければ、ますます事態は悪化します。サラ金の借金を放置するようなものです。
 今年閉じたところを来年開けるというのは,今年あけたところを閉じることと並行して行うことができます。輪採性とは、そういうことです。けっして、合意できない手段ではないと思います。
Date: Wed, 25 May 2005 10:47:31 +0900
○○様、皆様 お返事ありがとうございました。【中略】
>次にA地区ですが、【中略】後期のオス禁猟ですが、・・・混乱を招くことと、違反者が出る可能性がある
☆ 私は了解しました。今年導入するよりは、もう少し、世論が熟するのを待ちましょう。1月末で狩猟を打ち切り、2月からは管理捕獲に切り替えることで改訂の意味があると思います。【中略】
C地区は、【中略】引き続き、今期からの中抜き可猟期設定を検討いただければ幸いです。3月ならば、他とも重ならず、わかりやすいのではないでしょうか?
>国有林関係については、【中略】事前に入林規制区域を確認することはできず、図面等に反映することは現状では困難です。
☆それならば、やはり去年の実績を見て,入林規制区域の割合が高い市町村を閉じるのがもっとも現実的です。理由は以下のように説明すればよいでしょう。
 緊急減少措置はもともと3年程度で打ち切ることを前提として作られた。本来は輪採性に近いきめ細かい可猟区設定を考えるべきでしょう。
 今期から輪採性を導入すればよいのです。梶ら(1998)には末尾のような記述があります。これは必ずしも輪採性を意味するものではありませんし,市町村ごとに閉じることにもなりませんが、すべてをあけ続けることを勧めてはいません。閉じ方は適宜考えましょう。その際、どこから閉じ始めるかですが,入林規制区域の割合が高い市町村を最初に閉じるのがよいと思います。それでも入林規制を続けるならば、来年明けるかどうかは,来年考えればよいでしょう。それまでに、輪採性の考え方、効果の検証方法を我々が検討すればよいでしょう。入林規制区域を少しでも行った地域をすべて閉じるわけではないでしょうから、入林規制区域を今期どのように行うかは,林野庁側の反応を見ることができるでしょうし、それは来年の可猟区設定に反映されるでしょう。【中略】
>CPUEのデータ
 たしかに最新のデータがあればよいですが2001年から個体数が横ばいだとすれば,捕獲効率の検討は可能なはずです。これは、あと1年かけて行えばよいでしょう。必要ならば、データがあれば、今から考えます。(いつまでに?)
 重要なことは、道央を本格的に「減少に導く」政策を決めたことで,狩猟の努力配分が必要になったことです。それが、今期の可猟区設定の最大の変更点です。これを反映させた可猟区設定が必要です。それには、輪採性を導入すればよいでしょう。
梶光一・松田裕之・宇野裕之・平川浩文・玉田克巳・齊藤隆(1998)エゾシカ個体群の管理方法とその課題.哺乳類学科学38:301-313.
 オスジカの可猟区は,従来ほぼ3年ごとに見直され,農林業被害の増加に伴ない,設定個所数を増加させた(前出).また休猟区は環境庁の通達(鳥獣保護事業計画)に基づき,1)可猟地域に偏りが生じないように配慮し,2)1箇所の休猟区の面積は,1,500ha以上となるように努め,さらに休猟区面積合計が,可猟地域の面積全体のおおむね1/3となるように設定してきた.その結果,生息密度が高い地域においても休猟区を機械的に設定することになり,個体数増加を招いた場合があった.メスジカが解禁された1994年度以降には,被害額と有害獣駆除の捕獲実績および可猟区対象地域の連続性が設定基準となった.また,道東地域エゾシカ保護管理計画を実施するうえで,これらの選定基準のほかに,目標捕獲数を達成するために可猟区の市町村数が考慮された.今後,2000年までは最大可猟区数を維持した緊急減少措置によって個体数削減に努力が向けられる.しかし,その後,個体数指数が大発生水準を下回った時点で,長期的に安定した個体数に誘導するために,生息状況にあわせた鳥獣保護区や可猟区および休猟区の配置方法を検討する必要がある.(原稿)

Date: Fri, 27 May 2005 10:28:12 +0900
○○さん、皆さん【中略】
 輪採制を導入して市町村ごとに今期閉じる場合には、猛禽のことも考えてもよいでしょう。あくまで、捕獲効率の上がりそうな場所を残すと言うことです。ただし、実際には捕獲効率の実証的検討は、今期は間に合わないでしょう。来期には何とかしたい。
【中略=期間を区切って雄猟禁止区域を設けることについて】、言い出してすぐに実行しなくても、数年単位で合意形成を計ればよいと思います。現実に、虚偽報告が増えたらたいへん困ります。
【○○さんの言うとおり、】今は前例にないことぐらいやらねばならない状況にきていると考えます。また、C地区は始めて解禁するところだからこそ、やり易いでしょう。開けたり、閉めたりすることによって、シカの警戒心を解き、効率を上げる実験としてもやり易い、是非やるべき地域でしょう。大賛成です。
 捕獲圧を同時に配分できないからこそ,【道東では】1月で閉じたのであって,中途半端に延ばしていては,道央の捕獲誘導,減少措置の実験にはなりません。去年だした捕獲目標に達していないことが最大の根拠だったはずです。
 しかし、2月の猛禽類への悪影響に関する知見はもう少しほしかったところです。いろいろ聞いてみていますが、ほとんど情報が得られません。影響の有無さえよくわからない(ないという意味ではない)のではないでしょうか。わからないなら、わからないという返事をいただきたいものです。
 鳴り物入りで導入した緊急減少措置が,このままではうまく行かないと言う姿勢を示すことが必要だと思います。入林禁止が解けないなら、失敗を宣言すべきときがきていると,去年から申しています。