未来のいつか/hyoshiokの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2006-03-03

oprofile

日本OSS推進フォーラムサーバ部会の性能評価のプロジェクトも佳境を迎えつつある。各種ベンチマークデータもそろいプロジェクトメンバーと毎週毎週がしがし議論を重ねている。先日はUN社の16CPUマシンでのスケーラビリティ検証データのレビューなどをプロジェクトメンバとやったが非常に楽しかった。

UN社はメインフレームの老舗U社の子会社ではあるがビジネスはSIとかサービスなので必ずしもOSとかRDBMSそのものに専門性があるというわけではない。PostgreSQLと言えば、各社にもそこそこPostgreSQLのコードを読んだことがある人はいるけど、業界的にはSRAの石井さんが重鎮になっている。石井さんを交えoprofileデータを分析した。

わたしなんかはPostgreSQLに関してはド素人、だけど昔は某社製RDBMSを開発していたから、そこそこ土地鑑はある。

RDBMSの性能があがらないのは、

等々いろいろ考えられる。性能上のボトルネックを知るにはoprofileが最も手軽で精密なデータを提供してくれる。そのデータの調査の流れは以下のような感じになる。

  • HTをON/OFFして、それぞれのoprofile(実行プロファイリング)データを取得する。
  • oprofileデータを比較し、顕著な差を発見する。
  • 発見した部位のソースコードを眺め原因を推測する。
  • 仮説を立て、問題を解決すると予想される解決策を検証してみる。
  • 上記を仮説が立証されるまで繰り返す。

上記のプロセスは誰でも再現可能なので極めて工学的(?)なアプローチだと言える。

わたしは当該プロジェクトのoprofile担当みたいな役回りになってきて、各社さんが取得したoprofileデータをひたすら眺めるわけであるが、いくつも見ているとだんだんデータの解析の王道みたいなのが見えてくる。その分析手法が徐々に人々に知られるようになると面白いなあなどと思っている。

若者の情報産業離れとオープンソース

ウェブ進化論

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060301/231483/

−− ただ、若手の間で情報産業は人気が落ちているようです。東京大学情報工学科が定員割れしたとか。

梅田氏 米国でも、コンピュータサイエンスを志望する学生は減っています。大きな原因はオープンソースだと私は思います。ソフトウエアスキルを身につけても、「ソフトウェアベンチャーを起こして一攫千金」という期待感が縮小しているし、飯が食えるソフトウェア開発の仕事アウトソーシング先との価格競争で先行き厳しい。そういう大きな流れの根源にオープンソースがある。

若者情報産業離れとオープンソースの隆盛に関連を見出そうとしているが、どうだろうか?ソフトウェアスキルを身に付ける若者の動機の一番が一攫千金なのだろうか?もちろん、ビルゲイツのような若者もいるだろうし、少なくないことも否定しないが、統計を取ったわけではないが、それが大半だというのには違和感がある。

飯が食えるソフトウェア開発の仕事がどんどんオフショアで米国から逃げ出していると言う指摘もよく聞くが統計的に証明された話なのであろうか?オフショアの話とオープンソースは直接的には関係しない。

オープンソースによって、それは前提としてインターネットと言う広域分散ソフトウェア開発環境があるわけだが、(シリコンバレーの)地域的な優位性を取っ払った世界同時多発的なソフトウェア開発環境が出現し、その環境の中で、米国と言う地域の、地域としての優位性が相対的に低下し、それが結果として米国のソフトウェア産業の魅力を減少させたというような、風が吹いて桶屋が儲かる的な理屈をつけようと思えばつけられなくもないが、かなり強引な議論の引っ張り方だと思う。オープンソースの隆盛がコンピュータサイエンスを志望する学生の減少を説明する原因というのは難しいと思う。


 オープンソースソフトウエアは、200万人が開発に参加しているといわれます。グローバルでバーチャル研究所ができたようなもので、インターネットが生んだキラーアプリのひとつです。誰でも参加でき、いいコードを書けば評価され、自己実現ができるという理想的な研究所です。ただお金はもらえない。最近では少しずつオープンソース世界にもお金が流れ込んでいますが、オープンソース全体のモメンタムの巨大さに比べれば小さいのが現状です。

昨年、Googleプログラミングコンテストをしたとき世界中若者が約9000名弱が応募し、数百人が採択され、それに参加してたようだ。http://japan.linux.com/opensource/05/09/26/085230.shtml

オープンソースの隆盛は必ずしもプログラマを目指す若者スポイルしていないように感じる。

wizardofcrowdswizardofcrowds 2006/03/04 09:28 hyoshiokさま、私もこの梅田説を「おや?」と思いました。「オープンソースの隆盛は必ずしもプログラマを目指す若者をスポイルしていないように感じる。」という点には全く賛同します。一つだけ、学生予備軍がオープンソースの進化とその意味を明確に認識して、Computer Science離れを起こしているかというと、そうではないのかも知れませんね。一時期CSが人気学科でありましたが、実は、IT産業がネットバブル崩壊で冷え込んだ時、一同みんなビジネス系の学科に転部する、という現象が米国や英国でありました。そのときの学生の大部分も、オープンソースの持つ意味を理解して転部したわけではないと想像します。同じ意味において、オープンソースの隆盛がコンピュータサイエンスを志望する学生の減少を説明する直接心理要因ではないにせよ、IT産業の低コスト競争の苦しさの源流の一つはオープンソースであることは間違いではないとすると、梅田論も一理あるかな、とhyoshiokさんのこのエントリを読んでふと気づかされた次第です。

hyoshiokhyoshiok 2006/03/04 13:50 wizardofcrowdsさま、コメントありがとうございます。IT産業の低コスト化の一因はオープンソース化であるとの見方はその通りだと思います。オープンソース化がチャンスとみるか危機と見るかで随分違った世界が見えてきます。まあ、コンピュータサイエンスが人気学科でないというのは、その通りなのかもしれませんが…

takaBSDtakaBSD 2006/03/04 17:49 専門学校の入学者数の統計はとってるんでしょうかね。
コンピュータ系の専門学校の入学者が増えていたら、「若手の間で情報産業は人気が落ちている」ということにはならないですよね。
コンピュータサイエンスを学ぶことよりも、専門学校ですぐ使える知識を得る方を選択する人もいるでしょうから。

hyoshiokhyoshiok 2006/03/04 21:41 takaBSDさま、コメントありがとうございます。まあ、実感として情報産業の人気がウナギのぼりという感じはしませんので、その部分で、議論するつもりは正直あんまりありません。少数精鋭でもいいのですが、プログラミングの面白さを少しでも伝えたいなあというのがわたしの思いです。仲間がほしい〜という魂の叫びです。

okushiokushi 2006/09/20 11:25 私も最近のcs離れとopensourceを繋げるのには無理があると思います。
で、outsourcingの影響ですが、私もきちんとした統計を見たことはありませんが、身近な例でoutsourceで職を失った人というのはある話なので、恐らく抽象的な統計値より身近な経験談の方がインパクトあるのでは、、と考えます。

hyoshiokhyoshiok 2006/09/20 12:49 okushiさま、コメントありがとうございます。アメリカで問題になっているのはoutsourceではなくてoffshoreで雇用が海外に移転する話ですね。(実際どのくらい海外に移転されたかの統計情報はよくわからないのですが)ただ、自分の知り合いがそれで解雇されたら結構インパクトがありますよね。

okushiokushi 2006/09/20 14:53 やっと一通り読み終わりました。(って斜め読みですけど。。^^;)
上の私のコメントではoutsourceとoffshoreを一緒に考えてました。身近な例からするとoffshoreが多いですが。。これはやはり働いている人間にとっては脅威です。国境越えなくても、地理的に移動したくない所へ仕事が移動してしまうため結局自主退職する、、というのもあります。(アメリカ国内で人件費の安い所へ行ってしまうとか。。)