英国二重スパイ・システム読了
副題「ノルマンディー上陸を支えた欺瞞作戦」を読んだ。
第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦についてドイツへ偽の情報を流し続けた英国の二重スパイシステムについて書いてある。
この二重スパイというのは、ドイツにとっては自国のスパイだと思っているのだけど、実は英国のスパイで、ドイツ本国からの質問表にせっせと嘘の情報、あることないことを報告するという役割を担っている。
連合軍がどこに上陸するかということの嘘情報をドイツにいかに信じさせるか、そのシステムだ。実際はノルマンディーに上陸するのだけど、この二重スパイシステムによってドイツはドーバー海峡をわたって連合軍が上陸すると信じていた。
日本の駐ドイツ大使、大島浩陸軍中将という人も登場する。ヒトラーからの戦況分析やら計画の詳細などを日本に打電するのだけど、米国の暗号解読員たちは1940年時点で日本の暗号を完璧に解読していたので、ドイツ軍の動向が手に取るように分かったと言う。そして、ドイツ軍はノルマンディーじゃなくてカレーから上陸すると信じているということもはっきりと分かったそうだ。
登場する二重スパイたちが放蕩というか酒と女に溺れるのだけどスパイとしては優秀だったというのがよくわかった。