未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

システムインテグレーション崩壊、斎藤昌義著、読了

システムインテグレーション崩壊 ~これからSIerはどう生き残ればいいか?を読んだ。
編集の傳さんから直々の献本。ありがとうございます。

先日読んだ、倉貫さんの「納品」をなくせばうまくいくが面白かったという日記 *1 を読んだ傳さんが送ってくれた。

刺激的なタイトルである。副題が「これからのSIerはどう生き残ればいいか?」である。このままでいいのか、いやいいわけはない、という問題意識の本である。

わたしは、SIerでもないし、SIerに勤めた経験もないので、あくまで部外者の感想にしかすぎないのだけど、本書で述べられていることはいちいちその通り、おっしゃる通りである。

IPAの「IT人材白書2014」からの引用があるが、それが衝撃的で、ユーザー企業が今後新規/拡大をしていく分野(SaaSやPaaSなど)、IDCサービスへのSIerの関心は低く、SIerの今後の新規/拡大を予定している事業についてはユーザー企業の関心は低い。

斎藤さんは、「ユーザー企業に置ける情報システムが、”IT企業(SIerのこと)に発注して開発するもの”から”サービスを選択して利用するもの”へと変化しているのに対して、IT企業(SIerのこと)が必ずしもこの変化に対応していない」と推測している。

絶望的なSIerへ警鐘をならし、一方でその処方箋を記している。倉貫さんの「納品をやめれば」が各論の解決策だとすると、この「システムインテグレーション崩壊」はSIerの問題点の総論という形になる。

対応するSIerは生き残るし、対応しないところは生き残れない。身も蓋もないが、そーゆーことなんだと思う。外野がなんやかやいっても、生き残るかどうかは当事者次第ということである。

誤植と思われるところ

46ページ。2019年のIT部門と非IT部門の予算比率は逆なのではないか?