未来のいつか/hyoshiokの日記

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論理トレーニング101題、野矢茂樹著、読了、濫読日記風、その18

スゴ本の中の人が選んだ、1万円で“一生モノの教養”を身につけるための5冊 - マネ会に出ていた、論理トレーニング101題を読んだ。

この5冊はどれもすごくて一生モノの教養を身につけるというのはまさにその通りだと思う。

知人が早速、「論理トレーニング101題」の読書会をしようと声をかけてきた。未読だったし、断る理由もないので、読むことにした。

各自が自由にお勧めしたい本を紹介するタイプの読書会ではなくて(それはそれで、読書の幅が広がって楽しい)、課題図書をみんなで読むタイプの読書会になる。前者が、「何」を読むかと言うタイプの読書会で、後者は「いかに」読むかと言うタイプの読書会になる。それぞれ横型と縦型というイメージになる。

本書は、個人向け論理トレーニングの本。練習問題をやることによって論理的な力がパワーアップできるようになる。練習問題が101問あるので、それをやればやっただけ論理的な力がつく、という触れ込みの書籍だ。

ここでいう「論理的な力」とは1)思考を表現する力、2)表現された思考をきちんと読み解く力、と定義している。

その論理的な力をつけるために101題の練習問題を用意していて、すべてに詳細な解説と解答をつけている。教科書として使ってもいいし、独習書としても使える。

練習問題を読んで、ちょっと考えて解説を読んだ。自力で解答を作るというよりも先に解説を読むことが多かった。論理的な力がついたかはわからないが、一人で読むと挫折してしまうので読書会で仲間と読み進めるというのはいいと思った。

本書を読んで自分の読み方の弱さを再認識した。ちゃんと練習問題をできていない。読み方が能動的に練習問題をずんずんやるというよりも解説を読みながら前に進むスタイルだということがよくわかった。

議論を読む方法、論証する方法について、下記のような章立てで解説している。

  1. (議論を読む方法)1章接続表現に注意する、2章議論の骨格をつかまえる
  2. (論証する方法)3論証とはどんなものか、4章演繹の正しさ・推測の適切さ、5章論証を批判的にとらえる

本書では論理構造を示すために「接続詞」に注目して読み書きすることを解説している。接続関係として付加、理由、例示、転換、解説、帰結、補足というのがある。

接続関係
付加 そして
理由 なぜなら
例示 たとえば
転換 しかし
解説 すなわち
帰結 だから
補足 ただし

101題の練習問題については巻末に引用(出典)が明記されていて、よくもまあこんなにいっぱい例を集めたものだと感心した。

本書を読んでちゃんと練習問題を解けば解いたなりに論理力は身につくと思う。「接続詞」を意識して使えるようになれば、それだけでも論理力は向上すると思う。今の自分は接続詞ですら正しく使えていないし、議論・批判の方法については、全くできているとは思えない。

練習問題がある書籍の場合、紙と鉛筆を用意してじっくり読むスタイルを自分のものにしないとならないと感じた。
ソフトウェア開発の書籍など、手を動かして理解するスタイルなので実践したい。
その他、数学、語学などスキル獲得系の書籍は読むだけでなくて何らかの練習問題を「やってみる」ことが重要だ。

この論理力をつけるというのを一人で訓練するのは難しいが、読書会で議論しながら読んでいけば、自分の間違いなどを知ることができるので、スキル向上に役立つ。

本書はお勧めであるとともに、友人などと読書会をしながら読むというのが実践的な使い方だと思った。



読書リスト

記事で紹介されていた一生モノの5冊。「銃・病原菌・鉄」以外は読了したので、次は「銃・病原菌・鉄」を読んでみたいと思った。

濫読日記風