ISOT

六月八日(水)陰
月曜から、横浜パシフィコで開かれている嗅覚と味覚に関する国際シンポジウムに出席している。日本味と匂学会というものがあり、私も久し振りに会費を払って再入会して、今年はその学会と海外の関連学会との共催で国際シンポジウムとなる年に当たったのである。二十年くらい前から七年前まで入会していたが、2009年頃から嗅覚への興味が薄れて退会したのである。ところが、昨年あたりから嗅覚関連のセミナーや講演会に幾つか出たところ、その間に嗅覚研究が格段に進歩しているのを知り、現状に追いつこうと再入会を決めたのである。嗅覚受容体をコードする遺伝子群の発見という、後にノーベル賞を受賞し嗅覚研究の画期となった研究が発表されてから25周年にも当たるという。そう言えば、在米中の2001年に、この発見から十年ということで、優生学の研究所だったことで有名なコールドスプリングハーバーで開かれたシンポジウムに、そこに呼ばれたT氏を車で送って行ったことがある。あれからもう15年も経つのだ。T氏はその後東大の教授となり、今回のシンポジウムでも中心的な役割を果たしている。もはや偉くなり過ぎて、嘗てのような交誼のないのは残念であるが。
とは言え、今回は国際シンポジウムということで講演は全て英語で、日本語でもすべては理解出来ないような内容でもあり、なかなか脳味噌の疲弊する時間であった。中味もさることながら、人によって話し方や喋る速度、イントネーションに違いがあり、それによって理解度に大きな違いが出る。それでもまあ、面白く聞いた話題も少なくなかったので、久しぶりのシンポジウム参加はそれなりに意義のあるものだったように思う。