表具師かっぱの「脱 三日坊主 宣言!」 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2002年08月14日(水) 今日の出来事

[]決めた!

今日は、昨日に引き続き、競技大会の作品について考えてます。

掛軸の様式には大きく分けて「真(裱褙)」「行(幢褙)」「草(輪褙)」「台貼」「刳貫」の大和表具と、「明朝」「丸表具」「見切表具」などの文人表具に分かれますが、その他に一般の様式に分類できない「好み表具」というのがあります。茶人に多く見られるのですが、裂の取り合わせや寸法、軸先に至るまで、過去の様式にとらわれず、自由な発想で作らせたもの*1です。

今回の競技大会の課題である棟方志功にも「好み表具」があったはずなので、家中の資料を引っ張り出してみたのですが、図面が2つしか見つかりませんでした。ネットで検索しても、なかなか満足な資料が得られず、少ない資料の中からいろいろと考えてみる事にしました。

「志功好み」は、掛軸の両端に縁の付いた明朝仕立で、軸先も長撥が付くので文人表具の要素を取り入れています。しかし、明朝と軸先以外は通常の大和表具に近いようです。筋(細見)も縦に入っているだけで、横には入らないという事が判りました。これならいけそうです。そこで、今回の本紙をその様式で作る事に決めました。と言っても、資料が少ないので半分は創作です。

今回の本紙は「神々の柵」の一部で仏様です。1尺強の大きさなので台貼にして、ベースは裱褙(真の行)にしました。台紙も普通の紙では面白くないので、雲(又は水)をイメージして、雲竜紙のように髭の入った紙を使います。佛表具と言っても棟方志功の版画ですから、本紙と喧嘩しないように無地の紫の濃淡で分ける事にしました。一文字は薄緑です。明朝は黄色にしました。明朝を付けるので風帯は付けません。とりあえず、こんな感じで行きます。

1日中、いろいろな事をしながら考えて、やっと決まりました。台貼の佛表具に明朝を付けるなんてかなりの冒険です。出品作品の中で、一番大きいかも…。良くも悪くも目立つと思うので、いつも以上に丁寧に作らなきゃ。(笑)

*1:と言っても、我々の造形表具とは全く違います