表具師かっぱの「脱 三日坊主 宣言!」 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2002年08月18日(日) 今日の出来事

[]総裏

昨日、耳折(みみおり)まで終わったので、今日は、前半の総仕上げ、総裏(そううら)を打ちます。この作業が終わったら仮張(かりばり)*1にかけて長期間乾燥させるので、ひとまず、作業は終了です。

総裏にかかる前に、八双袋(はっそうぶくろ)*2軸袋(じくぶくろ)*3を付けます*4。表具を裏返し、袋を付ける場所に印を付けます。袋の取り付け方は水付け糊付けがあるのですが、今回は、極々薄く溶いた糊で糊付けしました。(中途半端やなぁ……。(笑) )

袋付けが終わったら、いよいよ総裏です。まずは上巻(うわまき)*5を用意します。今回は巻き取り(裏打済み)のものを使いました*6。この時、ついでに軸助(じくだすけ)*7も作るのを忘れずに。

続いて紙取(かみどり)*8に移ります。総裏に使う紙は宇陀(うだ)という土粉の入った紙で、本宇陀は1束で数十万円する高級品です。今回は、そんな良い紙は使わず、巻き取りの宇陀にしました*9。巻き取りだから途中で継ぐ必要も無く、1枚の大きな紙なので作業もそれほど気を使わないし楽なんです*10折当(おれあて)*11を付けて、上巻をつける部分に印をつけたら、汚れないように置いておきます。

続いて、糊を作ります。紙に紙を貼るので、薄糊にします。濃さは飲むヨーグルトよりも少し牛乳に近い感じ。糊ができたら、台を綺麗に拭いたら表具を裏向きに置き、耳糊(みみのり)*12をつけます。以上で下準備が完了しました。

では、いよいよ上巻から打って行きます。上巻は投打(なげうち)*13にします。さっき付けた印に合わせて上巻を置き、少し湿らせた棕櫚刷毛(しゅろばけ)*14で押さえ、皺の無いようにしっかりと撫で付けます。台に貼り付いてしまわないように、軽く持ち上げ、弛みを伸ばしたら、宇陀を置きます。宇陀は1枚ものですから、返打(かえしうち)*15にします。上巻に1分弱(約2mm)重ねて宇田を置き、その上に糊付け用のアクリル板を置きます。宇田を折り返し、アクリル板の上で糊付けして持ち上げ、上巻に先程のように重ねます。アクリル板を外し、棕櫚刷毛で上巻と重なった部分をしっかり押さえ、そこを支点に軽く持ち上げ、そのまま皺が出来ないようにおろします。棕櫚刷毛で皺が出来ないように撫で付けて糊の付いているところを付けたら、もう一度、表具を軽く持ち上げて、弛みをなくし、今、裏打をしたところにアクリル板を乗せます。宇陀の残りの部分を折り返し、アクリル板の上で糊付けして、持ち上げ、表具の上にそっと置きます。アクリル板を外し、先程と同様に撫で付けてやります。全体をしっかりと撫で付けたら、軸助を貼り付け、そっと持ち上げて、今度は表向きに台に置きます。貼り手に濃い目の糊を付けて、箆挿し(へらさし)*16を付けたら仮張に張り込みます。

これで、総裏は打ち終わりました。あとは、しっかりと乾燥させます。

最後の仕上げはお天気との勝負。暫くは天気予報から目が離せません。

*1:裏打した物を張込んで乾かすところ。

*2:八双(掛軸の上辺の木)を取り付けるところ。八双は、発装や八宗など色々な漢字が当てられたり、表軸や標木など、他の名称で呼ばれる事もあります。

*3:軸棒を取り付けるところ。

*4:まずは、八双袋と軸袋を作るのですが、これは作り置きがあるので、それを使いました。

*5:掛軸を巻いた時に外側に出る部分に貼る絹。

*6:手抜きと言わないで。(笑)

*7:軸袋を補強する為に耳際に貼る福島絹。

*8:材料の紙を必要な大きさに切る作業。

*9:だって、売り物じゃないから勿体無いもん。(笑)

*10:やっぱり手抜きだ

*11:本紙(台紙)と一文字の継目を補強する薄い紙。

*12:耳折した部分は裂に紙を付けるので薄糊では弱いから、ここだけ濃い糊をつけます。

*13:別のところで糊をつけてもってくる方法。

*14:棕櫚の毛で作った撫で刷毛

*15:本紙の上で折り返し、半分ずつ糊付けして打つ方法。

*16:仮張に張込む時に剥がし易いように浮かしておく為の小さな紙。

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