藤子・F・不二雄大全集第12回配本の一冊。1968年度生まれ編の全62作品収録。この年度の『小学一年生』は『4じげんぼうPポコ』が連載されていた。スケールの大きさと実際のギャップが笑える大作「天井うらの
宇宙戦争」、意外な感動作品「家がだんだん遠くなる」「ぼくよりダメなやつがきた」、ギャグなのにSFネタが盛り込まれた「
バイバイン」「ゴキブリカバー」、大長編ネタに繋がる発想を持つ「しあわせのお星さま」「
のび太の地底国」「のら犬「イチ」の国」、夢のある作品「サンタメール」、星野スミレ登場「めだちライトで人気者」、『
21エモン』に繋がる「オンボロ旅館をたて直せ」、そして「
しずちゃんさようなら」「
のび太が消えちゃう?」などを収録。いやあ、この巻は傑作ぞろい。SFネタ、感動ネタ、ギャグネタ、しずかとのつながりや
出木杉との絡みなど、
ドラえもんの方向性が固まった頃の作品と言っていいかも知れない。それにしても、これだけのアイディアを僅かなページで簡単に描いてしまうところがすごい。その気になれば、いくらでも大長編にすることができただろうに。