平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-07-17

[][]倉狩聡『かにみそ』(角川ホラー文庫21:45 倉狩聡『かにみそ』(角川ホラー文庫)を含むブックマーク

かにみそ (角川ホラー文庫)

かにみそ (角川ホラー文庫)

全てに無気力20代無職の「私」は、ある日海岸で小さな蟹を拾う。それはなんと人の言葉を話し、体の割に何でも食べる。奇妙で楽しい暮らしの中、私は彼の食事代のため働き始めることに。しかし私は、職場でできた彼女を衝動的に殺してしまう。そしてふと思いついた。「蟹……食べるかな、これ」。すると蟹は言った。「じゃ、遠慮なく……」。捕食者と「餌」が逆転する時、生まれた恐怖と奇妙な友情とは。話題をさらった「泣けるホラー」。第20回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作。(粗筋紹介より引用

2013年、「かにみそ」で第20回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞。短編百合火葬」を加え、同年10月角川書店より単行本刊行2015年9月文庫化


タイトルタイトルなので、一体どういう話かと思ったら、意外と友情物語だった。「泣ける」かと聞かれればやや微妙だが。

無気力20代無職青年が拾った蟹は何でも食べ、気が付いたら主人公と喋るようになり、テレビも見るようになる。蟹の餌のために働き出した青年は、職場でできた彼女を殺してしまうが、蟹は遠慮なく食べてしまう。

まあ、正直言ってホラー要素はあまりない。いや、蟹が喋るだけでも不気味だし、死体を食べるようになるところも不気味なのだが、ユーモアのある文体と、蟹が喋ったり死体を食べたりすることに大した違和感を抱かない主人公のおかげで、本来そこにあるはずの恐怖感が全くないところが、逆に面白い

それにしても物語最後はひどい。まあタイトルからだいたい予想つくだろうが、何もかも運命と思って全てを受け容れる蟹が何とも哀れで、それでいて可愛らしいから不思議だ。変な言い方だが、男にとって都合のいいセックスフレンドみたいな存在が、この蟹なのだ(考えてみると、名前すらないのか……)。本来ありえない姿であるのはこの蟹なのに、不気味なのは人間である青年の方だというのは、よく考えられた構成である。これだったら優秀賞でなくも、大賞でもよかったと思うのだが。

同時収録の「百合火葬」は、女癖の悪い父親が死んで独りぼっちとなった大学生の家に、昔関係のあった女性が訪れて住むようになる話。この女性が裏庭に百合を植えるあたりからどんどん恐怖感が増していく、正統派ホラーである。ただ、「かにみそ」のユーモアを読んだ後ではあまりにもスタンダードすぎ、物足りなかったことも仕方のないことか。

「かにみそ」の路線長編を書ければ、結構売れるかも。頑張ってほしいものである

[]今日海の日 21:45 今日は海の日を含むブックマーク

試験だったりする。その方が早く上がれるという生活もどうかと思うが……。

[]再審請求 21:45 再審請求を含むブックマーク

西川正勝元死刑囚って、10回も再審請求を提出していたのか。内容も同じなら、そりゃ執行逃れが見え見え。まあ、誰も無罪だとは思っていないだろうし、日弁連も全く支援していないようだし。アムネスティは抗議しているけれど、正当な理由もなくまともな証拠もなく再審を受けさせること自体、「公正な裁判」じゃないんだよな。反対のためなら何でも反対するよな、ここも。誰もかれも再審を受けさせたら、裁判所はパンクするし、永遠に再審ループを続けることだって可能になるぞ。

ところで再審請求回数の歴代1位はおそらく帝銀事件の平沢貞通元死刑囚の第二十次だろうけれど、現役死刑囚だと誰だろう。渡辺清死刑囚神宮雅晴死刑囚猪熊武夫死刑囚、村松誠一郎死刑囚あたりは10回ぐらい越えていそうだ。この中でわずかでも無罪可能性があるのは渡辺清死刑囚(一部無罪)と村松誠一郎死刑囚ぐらいか。このあたりまで執行が逆戻りするだろうか。それとも、無罪を争うのではなく量刑を争って再審請求を提出している死刑囚に法務省はターゲットを当てているだろうか。今のところ、再審請求中の執行に対する大きな批判もなさそうなので(批判しているのは、死刑執行自体でも批判するような団体ばかり)、今後も再審請求中の執行があるだろう。

MACKYMACKY 2017/07/18 22:37 お久しぶりです。
「事件史探求」によると宮代事件は冤罪の匂いがしますが、どうなんでしょう。

素人A素人A 2017/07/19 00:04 事件史探究、FC2に移転して? 更新ストップから久しい印象でしたが
とうとう完全にダウンしたのでしょうかorz

けいけい 2017/07/21 23:47 宮代事件は私も冤罪だと思っています。
もっとも、冤罪を主張する側の記事しか読んだことが無いのですが…
資料が偏っているので「事件史探究」などもそういった記述になってしまうのでしょう。
ちなみにWikiに「宮代事件」の項目を立てたのは私です。
冤罪の可能性があるこの事件をもっと知ってもらいたいと思い、10年くらい前に作りました。

求刑無期・判決有期の国井政夫被告は13日に控訴棄却判決がありました。
http://www.sankei.com/affairs/news/170713/afr1707130020-n1.html
共犯者ですが、
K.T被告は6月6日 懲役26年(求刑30年)控訴中
K.M被告は7月3日 懲役18年(求刑25年)
E.Y被告は7月27日に判決予定
いずれも郡山支部、井下田英樹裁判長です。

hyouhakuhyouhaku 2017/07/22 01:18 >MACKY様
 ご無沙汰しております。宮代事件は、冤罪の可能性はあるでしょうね。ただ、支援らしい支援がないこと、再審請求が全然新聞記事にならないところを見ると、現状ではほとんど注目されていないのでしょう。
別人が自供していた話も有名ですね。

>素人A様
 言われて気づきましたが、ダウンしちゃってますね。復活してほしいものです。

>けい様
 『死刑の現在―今、何が行なわれているのか ザ・スクープ徹底取材』にはかなりのページを割いて書かれていますね。手元にあるのでいつか感想も書きたいとは思っていますが、なかなか手が回りません。これを見ると、冤罪間違いなし、と言いたくなるような論調です。
国井被告の件、有難うございます。今日はもうしんどいので、後日更新します。

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