漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

「起立性障害は怠け病じゃない」心身医学会が診療指針

中学生の約1割に見られ、不登校の原因にもなっている「起立性調節障害」の診療指針を日本小児心身医学会が作成した。

 同障害は思春期特有の自律神経失調症で、朝は立ちくらみや頭痛で起きられないが、午後には回復することから「怠け病」ととられることも多い。

 学会では「身体疾患であることを教師や親に正しく理解してもらうきっかけになれば」としている。

 指針の作成にあたった田中英高・大阪医大助教授によると、起立性調節障害の子供は優等生タイプが多く、親らの要求に応えすぎてストレスをためやすい。ストレスが自律神経の働きを鈍らせ、特に立ち上がった時に脳や身体への血流が低下して「朝起きられない」「脈拍が速くなる」などの症状が現れ、約4割に不登校が見られるという。

一見科学的な記事だが、「優等生タイプ」とは何かという点はつっこまなければなるまい。何をもって優等生とするのか定義されなければ、「起立性調節障害の子供は」という文言の後ろにこれを書くことは、おいそれとはできまい。さらに言えば、「優等生の場合は、こういう障害があり得る」という思いを抱かせるこの記事は、「優等生」と思われない不登校の子については別の原因を探させることになりかねない。学校での態度で決まる「優等生」というレッテルがどうして医学的判断とつながるのか、この助教授には明確に説明してほしいものだ。