漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

西の魔法使いは何と言う

ミニたばこ

■ある子が何やら工作用紙を切った貼ったしてるので、何を作ってるのかと覗いたら、タバコのミニチュアだった。うまいじゃないか。フィルターの色がそっくり。オレンジのマジックで塗っただけなのに。箱もそっくりに作って騙そうぜ。

梨木香歩著『西の魔女が死んだ (新潮文庫)』をあんみつさんから頂いた。一回読んで「説教くさいな」と思い、二回読んで「そうでもないな」と思い直し、三回読んで「主人公が男の子だったらどうなんのかな」と考えた。主人公が男の子。森に暮らすのは、おばあさんじゃなくておじいさん。『西の魔法使いが死んだ』。ロード・オブ・ザ・リングナルニア国か。すっかりファンタジーだ。

■そんなことを考えたのは、この本の方式だと男の子はうまくいかないんじゃないかと思ったから。じゃあ、男の子が求めるのは何かと訊かれると、そんな児童文学はずいぶん読んだはずだけど、全然思い出せない。記憶力の減退がうらめしい。

「その時々で決めたらどうですか。自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」

■友達づきあいについて、おばあちゃんが主人公の女の子に言った台詞。そりゃそうだよね、と思うのだけれど、ちょっと引っかかる。ハワイで生きたいシロクマを北極のシロクマは責めるんじゃねーの、と先ず考えてしまうから。おばあちゃんは、楽な方を選べばいい、と言ってるだけなので、見当違いな感想なんだけど(ハワイが楽ならハワイに行けばいい)、楽とか楽じゃないかとそういうことじゃなく、周りがどうでも関係なく、俺がそうしたいんだからそうするんだ、という意志の部分が欲しい。元男の子としては。そうじゃなきゃつまんねーじゃん。サボテンだって水の中に生えてみたいのさ。結果ダメでも別にいいのさ。

■西の魔法使いなら何て言う。「好きにするさ」がいいな。「どうとでもなるよ」とかな。

■慌ててフォローすると、話は面白い。立て続けに三回読むくらい。それだけ力があるから、いろいろ考えたり出来るわけで。あの設定であの台詞なのも納得している。

■久し振りにすっきりと晴れた。車の中は暑いが、外は心地よい。日陰は涼しい。卓球したら汗だく。