漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

虎の穴

■また朝、出掛けに雪かきだよ。氷ばかりで重いし。

■通信を作りながら、最近話題であるタイガーマスクが養護施設にプレゼントを贈る件について考えていた。今回贈り物をしている彼らが、純粋に善意に基づいて通常感謝されるであろうことをしていることは、ほぼ疑いも無い。養護施設の大変さに思いを馳せて、自分が出来ることを考えて実行しているのだと思う。そんな人たちに、冷や水を浴びせるようなことかもしれないが、ぼくからすると「すごく惜しい人(たち)」というのが、今回のタイガーマスクに対する感想だ。

■何故「惜しい」と思うか。それは、今回の行動は贈り物ではあるが、支援ではないからだ。来年小学校に進学する子供たちが何を必要としているかは、一人ひとり違うだろう。施設によっては、ランドセル以外の物品を必要としているかもしれない。しかし、今回ランドセルを贈られた施設や子供からしてみると、タイガーマスクに対しては「ありがとう」としか言いようがないだろう。対話の無いままに人に物を贈ることは支援ではない。それはプレゼントであって、支援ではない。

■支援は対話をしながら、困難と現状をお互いに認識して、それぞれの力で解決できることを考えて実行してみる。だから、「ありがとう」だけではなく「こうだったら、もっといい」ということも言える。自分にとって何が必要であるかを語るということは、支援を受ける側が成長していくということだし、それを知ることは支援する側が成長するということだ。タイガーマスクの願いは、養護施設で過ごす子供の成長だろう。タイガーマスクも匿名でいいから、養護施設の人たちと語り合ってみてはどうだろうか。もしかすると、ランドセルではなく、他のものが必要であることに気づくかもしれない。

■また、対話しながらの支援と相互の成長には時間がかかる。一回こっきりの関係性では成し得ない。実際(?)、伊達直人だってちびっこハウスに何度も足を運んでいただろう。今年のタイガーマスクは、来年も贈り物をしてくれるのだろうか。願わくばそれまでの間に、マットに沈まぬよう。

■通信作成後、訪問先に行ったら、土曜日の訪問が雪で出来なかったスタッフがいて、思わぬ形で送迎。そして、江別に行きまた送迎。最後は中央区。相馬氏はギターを買ったようだが、自分はPCスピーカーを買ってしまった。いやー、すごいいいわ。