漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

紫の肖像

■午後からの会議の開始時間をメモし間違えて午前から道庁へ。遅れたのでないから良し。

■漂着で来客と談話。起業の研修を受けている人の課題レポートの相談を相馬氏と二人で、途中から「とんでけ車いす」の佐々木さんも交えて受ける。今後は星園一階の元気ジョブに実習で来るとのことなので、また話ができるだろう。

■午後、道庁にて不登校児童生徒支援連絡協議会に出席。まず平成22年度の北海道の不登校状況について解説。22年度からは不登校調査の「不登校となったきっかけと考えられる状況」の項目が、今までよりも細分化された。これまでの「その他本人に関わる問題」が「不安など情緒的混乱」「無気力」「意図的な拒否」「遊び・非行」などになったのだ。これにより、21年度調査だと中学生で48.7%を占めた「その他本人に関わる問題」の内容が詳しく見えてきたともいえる。

■「ともいえる」という含みを持たせて書いたのは、調査方法が本人の申告なのか家族や教師の見立てなのかわからないからだ。直したい人が直すために行う分析は、直す方法によって分類できる事象を事実とするから、不登校の児童生徒からはかけ離れる。この会議の当事者は教師であり、児童生徒ではない。この調査が映し出しているものは、当事者の意識である。

■次いで、教育大札幌校の庄井教授による、支援の在り方についての講演があった。その中でCaring Societyという言葉が紹介された。「いたわり合う社会」とでも訳せばいいのだろうか。競争して成長するのではない社会の仕組みを作るということらしい。これは最近自分が考えていたことにもすっと繋がって良かった。

余市などの町村で不登校など子供の問題に関わろうとすると、ケアする能力を持った人材がいて、継続して関わることのできる組織が必要となる。しかも、そこは住民と深く繋がっていることが望ましい。地方で考えるとそれを満たすのはその町の学校なのだ。都市部の子供や家庭が享受している教育関連の社会的サービス(フリースクールや居場所の存在、各種催し物や講座、相談機関等困りごとに関わる人など)の役割を、地方の学校は総合的に担うように仕組みを変化させるべきではないかと、僕は考え始めている。

■庄井教授の話の後は、道内の実践報告を。これは札幌自由が丘も含めて4団体が発表したが、いかんせん10分という持ち時間ではなんとも。そして、その後の事例検討は別のところで行われる支援会議のために中座。

■会議が終わり漂着教室に戻ると、相馬氏の訪問先の子から僕にプレゼントがきていた。第二期Deep Purpleの絵葉書とBlackmore's Nightのポスターだ。ありがとう。今度ぜひ紫な話をしたいものだ。