漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ポッケのないドラえもん

■岩内の学習支援に向けて高速を走らせていたら、雨でもないのにフロントガラスに染みがたくさん着いてくる。なんだこれはと思ったら、雪虫だった。衝突しても体が小さいので他の虫のように遺骸が残らず、汚れだけが残るのだ。車を降りたら、白い車体に無精ひげのように雪虫さんたちが…。

■それにしても見事な紅葉だった。翌日も倶知安行きで楽しめたのは息抜きにちょうどよかった。

■十月はスタッフに訪問する際の接し方について研修をしていた。その中で、もし「こんな訪問して、何の意味があるのさ」と訪問先の子に問われたらどうしたらいいのか、ということを考えた。何のカリキュラムもなく、ただ毎週一回やってきて、時間を過ごしている。家庭教師なら勉強を教えてもらうし、学校の先生なら「おいでよ、まってるよ」と声をかけてもらえる。何もしない訪問とは…と考えてもらった。

■研修している側としてこれを考えた時、一つのヒントになったのは以前に利用者が訪問を振り返って「あれはなんだったのか」と話したということ。訪問する側もそういう感想を持つのは、9/18の日誌で相馬氏も言う通り。客観的に見るとなんだかわからないけど、家族以外の人がいて当然の時空間が出来上がっていく。これが双方共通の認識なら、それを認めるしかあるまい。普通に生きていてそんな家庭は思いつかないけど、フィクションならあるとはたと気づいた。これは「ドラえもん」だ。四次元ポケットはついていないタイプの。

俺はポッケのないネコ型のロボットで
何もできんのだけど

歌うこととものを書くことだけはできるのさ
筋肉少女帯「サーチライト」)

■まあ、昔なら居候とか書生とか、似たような存在はあったのかもしれないけどね。「ポッケのないドラえもん」が漂流教室の訪問ですと話すと、少しは理解されやすいかなあ。(水曜日)