事業完了〜新たな図書館サービスの創造から継続、発展へ〜

 NPO法人上田図書館倶楽部が平成21年8月から23年9月にかけて、「市民協働による新たな図書館サービスの創造」をテーマにして取り組んだ助成事業が終に完了しました。
 この事業への延べ参加者数は1年目1373名、2年目1929名にのぼり、次のような新たな図書館サービスを創造するなど、多くの成果を挙げることができました。
 図書館振興財団様はじめ関係の皆様に心から御礼を申し上げます、ありがとうございました。

☆新たな図書館サービスの創造と発展、人材育成の12事業
・ 「上田市誌」の目次情報をデータベース化しインターネット提供
・ 繭ホールサロントークの開催
・ 電子ジャーナル「環」の発行
・ 上田図書館倶楽部だより「とーく」の定期発行
・ 千曲川地域の文学講座、コンサート・朗読会等
・ 地域の記録を次代に伝える執筆編集講座
・  情報収集をサポートする情報収集講座 (ネット&カフェ)
・ 調べもの学習講座
・ 絵本読み聞かせ人材養成講座
・ ブックトークゼミナール
・ 情報検索基礎能力試験勉強会
・ 情報サービススキルアップ研修

☆市民協働の展開
 市民協働はNPO・市民団体と行政がパートナーシップに基づき相互に協力し、市民の専門性、ノウハウ、経験等を活かす協働(コラボレーション)により、図書館サービスや市民満足度の向上を目指すもので、次のような重要な視点もあります。
・ 市民による市民のための図書館づくり
・ 専門性の形成、図書館サービスの向上
・ 市民と職員の関係のあり方の再構築
 市民が提案する活動のほぼすべてが上田情報ライブラリーとの共催により実施され、課題を持ちながらも協働して諸事業を進めることができました。

☆この助成事業の実践と経験を基に、上田情報ライブラリーのコンセプト達成を目指し、創造された新たな図書館サービスをさらに継続、発展させていきたいと思います。

☆事業成果の公表
NPO法人上田図書館倶楽部ホームページ(http://ueda.zuku.jp/)において、「市民協働による 新たな図書館サービスの創造 」の事業成果を公表しています。
また、電子ジャーナル「環」もWebサイトでご覧になれます。(http://ueda.zuku.jp/journal/journal.html) 

パシフィコ横浜図書館総合展で事業成果の発表を行います。
また、11月にお会いしましょう。

報告書まとめ作業中

各事業のチーフが、事業のまとめを作成しています。
まとめは下記の項目を整備し、写真を添付しています。

  • 事業のねらい
  • 事業の概要
  • 事業の成果
  • 反省点
  • 添付資料(配布資料、成果物など)
  • 実施実績(事業実施月日、内容、参加者数、スタッフ数、会場)

また、会計報告書類も整えています。
9月中旬に財団へ関係書類を送付する予定です。

助成事業まとめ4回目

  • 絵本読み聞かせ人材養成講座

絵本読み聞かせ人材養成講座では、平成21年12月20日〜平成22年9月19日 の間10回の講座を行いました。修了者はグループを作ってさらに勉強をしながら、地域での絵本読み聞かせ活動に取り組んでいます。

  • 絵本読み聞かせレベルアップ講座

絵本読み聞かせレベルアップ講座では、人材養成講座修了者や市民を対象に、さらに深く、絵本読み聞かせについて学びました。

少人数による実践中心、受講者主体の講座
子どもたちを楽しい読書の世界に案内し、進んで読書する子どもたちを育てるブックトークその方法を実践的に身につけ、受講後に生かすことを目指して、2010年10月30日から2011年7月31日まで11回の講座を行いました。西内小学校の2年生にブックトークの実演をする機会を得ることでき、子どもたちに本を紹介するたのしさと難しさも体験しました。2011年12月からは第2期のゼミナールを開催する予定です。

  • 執筆編集講座

市民が研究や自分史を、講師の指導のもとに執筆、出来上がった作品を上田情報ライブラリーに寄贈して貸出すことで、市民の記録を地域と将来へ伝える講座。「書く」ことに対する図書館の支援、編集のためのパソコン技術支援ともなりました。

助成事業まとめ3回目

助成事業まとめ3回目として、情報サービス関係の事業について報告します。

  • 情報検索基礎能力試験勉強 

2010年5月31日から10月22日まで12回
受講者の多くが情報検索基礎能力試験を受験しました。
詳細内容は下記
http://ueda.zuku.jp/jyouhou/searcher/2010/Searcher.pdf

  • 情報検索レベルアップ研修 

2011年3月19日から7月2日まで7回
上記の試験受験者を対象にしたレベルアップ研修では、主にビジネス支援を目的とした情報検索技術の習得に勤め、最終回にはレポートをまとめて発表しました。
今後資料調査などを通じて地域産業に貢献していきたいと考えています。
http://ueda.zuku.jp/jyouhou/searcher/2011/0317.pdf

上田地域の図書館の蔵書検索サイトに専用リンクボタンを設けてweb上から検索できるようにしました。
レファレンスツールとして、また市民の調査ツールとしての活用が期待されます。
エコール(上田地域図書館情報ネットワーク)トップページ
http://www.echol.gr.jp/menu.html

  • ネット&カフェinライブラリー

毎月1回開催、パソコン操作初心者を対象に、手作りのテキストを演習していただく方式で講座を行ってきました。個別のサポート、マイペースでの演習が好評で定員いっぱいの申し込みがありました。これからも継続して実施します。

助成事業まとめ

上田地域にご縁のある各界のゲストの講演の後、コーヒーを飲みながら講師と市民が歓談するサロントーク。助成事業として2年間に13回開催してきました。「旬の話題に刺激を受けた」「元気をいただいた」というような、交流を重視したサロントークならではの参加者の感想も多く、図書館を会場に行う市民交流の場の新たな方式を構築することができました。今後も開催方法を工夫しながら継続して実施していく予定です。

上田情報ライブラリーのコンセプトである”千曲川地域文化の創造と発信”の場として、千曲川地域に関係深い講師による講演会を4回実施しました。講演会には毎回多数の市民が参加し熱心に講師のお話しに耳を傾けました。

  • コンサート・朗読会など

市民交流の場の提供として、上田情報ライブラリー“ことばの繭ホール”を会場に、毎月1回コンサート、朗読会、落語会等を行ってきました。平均60名ほどの参加者があり、定期的な催しとして毎回楽しみにしているという声も聞かれ、図書館の文化活動として定着してきました。また地域の演奏家や活動グループの発表の場ともなりました。

  • 調べもの学習支援

図書館を使った“調べる”学習賞コンクール受賞作品を市内の小学校や、上田情報ライブラリーで展示したり、調べもの支援のための講演会を実施して、調べもの支援の啓発をしてきました。

広報活動まとめ

2年間にわたった助成事業も7月で終了となります。そこで助成事業として実施してきた活動のまとめと今後の計画を随時掲載していきます。

  • 電子ジャーナル「環」の発行

助成事業として3号まで発行し、スタッフは取材や編集のノウハウを徐々に身に付け、自らジャーナルを発行する喜びを知りました。
取材させていただいた方との継続した繋がりも生まれ、ジャーナル発行の目的である、千曲川地域の人と文化の結びつきも少しずつできてきました。
読者の皆さんと「環」に登場してくださった方たちと私たちスタッフを結んだ輪が、波紋のように広がりつつあると感じています。
助成事業終了後も発行を続けて、何れの日にか、「図書館訪問記」など記事ごとにまとめブックにしようということになっています。
地方の小さな団体がジャーナルを発行できるようになったこの時代、そのことがどのような波紋を生むのか、これからが楽しみです。
http://ueda.zuku.jp/journal/journal.html

  • 広報誌”とーく”の発行

地域の図書館や、上田図書館倶楽部の動きを紹介し、図書館の広報を行ってきた”とーく”は、助成事業実施期間中に10号まで発行しました。今後は、手作り度合いを高めて費用を抑え、この間に蓄えたノウハウを活かし、助成事業終了後も引き続き発行していく予定です。

初夏に歌う 竹前文美子さん


7月のコンサートは、〜初夏に歌う〜と題して、
軽井沢在住の竹前文美子さんの歌と、
繭ホールに何度も登場されている木内貴大さんの
シンセサイザーの共演で、50名近くの参加者とともに
始終楽しく、和やかなひとときであった。

竹前さんの歌うシャンソンと語りの
「手紙―親愛なる子どもたちへー」は
老いていく母が子供たちへの心情をしみじみと
歌い上げて感動を誘った。
金子みすずの詩を参加した小学生に読んで貰ったり、
皆で声を合わせて歌ったりして、
暮れなずむ夏の夕べを過ごすことができた。

今回は、いままでに交流のない方に出演を
お願いしたのだが、快く引き受けてくださり、
こちらの希望をプログラムに入れたり、
共演者との打合せやリハーサルなどの準備も
行っていただいたと聞く。

このような柔軟な対応をしていただけるのも、
過去7年間余に亘る人脈の繋がりがあるからこそで、
人と人のつながりは倶楽部の貴重な財産であると
思っている。