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遥香の日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-03-04

介護福祉士国家試験の解説 24 社会福祉援助技術(演習を含む)

17:40 | 介護福祉士国家試験の解説 24 社会福祉援助技術(演習を含む)を含むブックマーク 介護福祉士国家試験の解説 24 社会福祉援助技術(演習を含む)のブックマークコメント

昨日から社会福祉援助技術に入っています。2月下旬から会議や雑用等で時間がとられていますが、国家試験の解説のエントリーは、社会福祉援助技術までは毎日アップしていくつもりです。

社会福祉援助技術

問題 28 個別援助技術の基本概念に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 バートレット(Bartlett,H.)は、「価値」、「知識」、「介入(intervention)」を社会福祉実践に共通する構成要素とした。

2 リッチモンド(Richmond)はPerson(人)、Problem(問題)、Place(場所)、Process(過程)の4つをケースワークの構成要素とした。

3 バワーズ(Bowers,S.)は、ケースワークを心理社会療法として体系化した。

4 ホリス(Hollis,F.)は、診断主義個別援助技術理論化をすすめ、「ケースワークの理論と実際」(1940年)を著した。

5 パールマン(Perlman,H.)は、ケースワークの中心概念を「個別化」、「意識的調整」、「人格の発達」とした。

1 正答 バートレットに関しては『社会福祉実践の共通基盤』(1970年)を著したことも覚えておきたい事項です。

2 設問の、いわゆる4つのP(人、問題、場所、過程)はパールマン提唱した。

3 「心理社会療法」はホリスですね。著書に『ケースワーク−心理社会療法−』があります。ソーシャルワークの焦点を「人と状況の全体関連性」(person-situation configuration)ととらえるのが特徴。

4 『ケースワークの理論と実際』の著者はハミルトン(Hamilton,G.)です。

5 リッチモンドが正解ですね。リッチモンドのケースワークの定義を読んでいれば「×」で解答できますね。「ケースワークとは、人と社会環境との間に個別的な効果を意識して行う調整によって、その人のパーソナリティを発達させる諸過程からなる」

アメリカのケースワーク(個別援助技術)の歴史に関する設問です。教科書の範囲で出題されています。


  

貧困ビジネス:「囲い屋」大阪に6業者 生活保護費、8割天引き−−市など調査

04:24 | 貧困ビジネス:「囲い屋」大阪に6業者 生活保護費、8割天引き−−市など調査を含むブックマーク 貧困ビジネス:「囲い屋」大阪に6業者 生活保護費、8割天引き−−市など調査のブックマークコメント

 ◇600人と契約

 ホームレスらをアパートに住まわせ、生活保護費から割高な費用天引きする業者が大阪府内に少なくとも6業者あり、計約600人と契約していることが、大阪市などの調査で分かった。「囲い屋」と呼ばれ、保護費の8割近くを徴収するなど悪質なケースが目立つ。全国一の生活保護費が財政を圧迫する大阪市はこうした事態を重視。平松邦夫市長は25日、国に対して対策強化を申し入れた。

 囲い屋の活動は大阪など関西が中心。東京などでは、生活困窮者の宿泊施設として、社会福祉法に基づく無料低額宿泊所が一般的で、「囲い屋は聞いたことがない」(東京都生活福祉部)という。無料低額宿泊所については規制強化が検討されているが、囲い屋が紹介する無届け施設は規制の網から漏れており、その実態把握が課題となっている。

 昨年末から、囲い屋など「貧困ビジネス」の実態調査に乗り出している大阪市などによると、同市内では、不動産業者など5業者がホームレスらを勧誘し、自社の管理物件に居住させている実態が確認された。契約者は400人以上。このうち生野区の業者は堺市でも83人と契約していた。堺市は1月、業者にサービス内容や料金体系を明確にするよう文書で促したが、25日現在、回答はない。

 東大阪市でも囲い屋の活動が判明。同市内の不動産業者のグループで、約100人契約していた。生活困窮者などの支援を掲げる生野区NPO法人メンバーで、勧誘する際、NPO名刺を使っていたという。

 これらの業者はまず、ホームレスらに生活保護を申請させ、ワンルームマンションなどに居住させる。その上で、月約12万円の生活保護費から、家賃として約4万円、弁当代などとして約5万円をそれぞれ徴収するなど、保護費の8割程度にあたる計9万〜10万円を天引きするケースが目立っている。預金通帳印鑑を預かっていた業者もあった。

 「関西『囲い屋』対策会議」代表の普門大輔弁護士は「囲い屋は悪質な商法だが、実態がつかみにくく被害が放置されてきた。国や自治体は対策を急ぐべきだ」と話している。【藤田剛】


毎日新聞 2010年2月26日 大阪朝刊)

上記記事を読む限り、貧困ビジネスは全面的に「悪い」というわけでもなさそうですね。ホームレス生活保護を申請・受給させ、自社のアパートなどの管理物件に住まわせ食事などを提供するということですから、生活保護制度のことも知らないホームレスに対しては情報提供をしたことになりますし、また単独で福祉事務所に行ったが、「働くしかない」と言われて水際で追い返されたホームレスに対して、仮に一緒に福祉事務所に申請についていって福祉事務所のケースワーカー生活保護の申請を受け付けるよう業者が働きかけたのなら受給のための支援をしたことになりますからね。そのまま生活保護を受けられず、所持金もゼロに近い状態で寒空の下をさまよう中で健康を損ね、最悪の事態を迎えるかもしれないことを考えれば、貧困ビジネス事業者の網に引っ掛かったことで命は救われたと考えることも出来るかもしれません。したがって、この部分だけを取り出せば、水際で追い返す福祉事務所より貧困ビジネス事業者方がホームレス当事者の立場からすればありがたい存在かもしれませんね。

ただ、貧困ビジネスの問題は生活保護の申請・受給より先の生活支援に問題があるわけですね。生活保護には「自立助長」が必要なのですが、貧困ビジネスではホームレスの自立助長に取り組むことはなく、生活保護を受給できたホームレスを囲い込んで生活保護費を半ば固定資産化することでお金をもうけようとしているわけです。本質的には、借金をした人に利息を高くして利息分しか毎月返済できないようにして死ぬまで借金漬けにする方法と変わりませんね。ですから、これらの貧困ビジネス事業者が食事の世話だけでなく就労支援を手がければホームレス支援に転化することになりそうです。*1

そうなると貧困ビジネスとは呼べなくなるわけです。では、貧困ビジネス本質は何か?それはホームレスの自立を阻止することです。ホームレス生活保護漬けにしてしまうことです。そうした本質を持っているがゆえに貧困ビジネスは取り締まらないといけないわけですが、その自立助長って福祉事務所が本来やることですよね。

結局、貧困ビジネス蔓延るのも行政ホームレスに対する支援が生活保護でも住居でも十分に行われていない所に原因があるのかもしれませんね。そうなると、貧困ビジネスをなくすためには取り締まりも大切かもしれませんが、「自立助長」という生活保護原理に適った支援を行政が進めることで貧困ビジネスをな取り締まれるようにも思えます。

最後にホームレス支援も当事者の「自立・主体性の尊重」ということを考えなくなってしまえば、貧困ビジネスに転落する可能性もあるということを明記しておきます。

生活保護制度:全額国庫負担、厚労省は否定 平松・大阪市長、抜本改革など要望

04:24 | 生活保護制度:全額国庫負担、厚労省は否定 平松・大阪市長、抜本改革など要望を含むブックマーク 生活保護制度:全額国庫負担、厚労省は否定 平松・大阪市長、抜本改革など要望のブックマークコメント

 大阪市平松邦夫市長は25日、小沢一郎民主党幹事長山井和則厚生労働政務官らと相次いで会談し、生活保護制度の抜本改革を提言するとともに、無料低額宿泊所など「貧困ビジネス」に関する規制強化を要望した。山井政務官法改正による規制を行う考えを示した。

 平松市長は「生活保護現金支給であることを狙った貧困ビジネスがはびこっている」と指摘。山井政務官自治体担当者も交えて法改正について詰めの作業を行っていることを明らかにし、「野放しにするわけにはいかない」と応じた。

 一方、大阪市が求める生活保護費の全額国庫負担化については「最もハードルが高い。(国と自治体の)負担割合を変えることは考えていない」と否定した。【堀文彦】

毎日新聞 2010年2月26日 大阪朝刊)


最後のところで大阪市の平松市長が、「生活保護費の全額国庫負担化を提案されています。仄聞したところによれば、地方の福祉事務所では、生活保護の申請者に対して「大阪市なら生活保護が受けやすいから、そちらへ行くように」と大阪までの交通費を渡すような対応をしているようです。これによる生活保護申請者はそんなに多いとは思いませんが、雇用がほとんどない地方都市から仕事を求めて流入しそのまま安定した仕事に就くことができず、貧困層沈殿していると考えられます。不況を反映して今や大阪市の20人に1人が生活保護受給者といわれています。生活保護の財源は国7.5、地方自治体2.5ではありますが、生活保護受給者が多くなってくると大阪市財政も圧迫されますから生活保護費については「国が全額もつべき」と平松大阪市市長の提案もそれなりに理解はできますね。

     (ここからは、半分妄想みたいなものですから、本気で受け取らないようにして下さい)

かって救貧制度下で定住法なるものがイギリスにありました。要は保護を得るには居住権(「40日間の居住か年10ポンド以上の価値を持つ借地の保有」が条件)が必要で、その条件に満たない者は定住していた教区に送還できるというものでした。

生活保護費の全額国庫負担化が困難であるなら、今度は21世紀版居住法イン・ジャパンの制定を平松市長は提案してみてはいかがかと、半分冗談ですが半分真剣に思った次第です。制度の内容としては、居住地を有しない生活保護申請者は、本籍地に送還することができるというもので、これが実施されれば、生活保護制度における自治体エゴが一層むき出しになるでしょう。大阪市であれば地方都市から流れてきた申請者は「即送還」、地方都市自治体ならそれに対抗して大阪市貧困ビジネス業者と結託して、大阪市に送り込む申請者にアパートの斡旋と生活保護の申請・受給支援を業者に依頼する。問題は解決はせずひとり貧困ビジネスが栄える。このように問題が大きくなれば、国も国庫負担化を考えるかな?いや、無理か・・。

          (半分妄想終わり)

生活保護制度ナショナルミニマムを保障するものだという社会保障理念に立ち返るなら、生活保護費の国庫負担化が望ましいと思われます。ということで、平松市長に一票を投じます。

*1:考え方によっては「貧困ビジネスホームレス支援は紙一重」と言えるかもしれません。自分たちはホームレスの支援をしていると考えていても傍目には貧困ビジネスと評価される場合もあります。貧困者の支援の難しさは、ここに原点があるように思います