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遥香の日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-07-20

全国4万件…児童虐待7割は実母、2割が実父 専門家「地域で防げ」

10:38 | 全国4万件…児童虐待7割は実母、2割が実父 専門家「地域で防げ」を含むブックマーク 全国4万件…児童虐待7割は実母、2割が実父 専門家「地域で防げ」のブックマークコメント

 増え続ける児童虐待。全国の相談処理件数は、平成20年度で4万2662件にのぼり、5年度の26倍の水準に達した。児童相談所児相)は人手不足に加え、虐待の多くは実の父母が加害者となっているため、親からの保護と親子の関係改善という、相反する2つの仕事を受け持つジレンマを抱える。痛ましい事件の防止に向け、何をすべきか。専門家は「児相だけでなく、地域の中でいかに防ぐかということを考えなければ」と指摘する。


右手でたたき、左手握手高齢者行政の余波で人手不足

 大阪市によると、21年度の虐待認知案件のうち、加害者が実母だったケースは66.4%、実父は20.7%。両者で全体の9割近くを占める。

 「児相仕事は、よく『右手でたたいて、左手握手する』というふうにいわれる」。ある児相担当者が打ち明ける。虐待を受ける子供を親から引き離すことと、再び円満な家庭環境を形成することの両方の役割を求められることを、そう例えるのだという。担当者は「矛盾した仕事を抱えるのが日本児相の特徴。当然難しいケースもある」と話す。

 一方、34年間にわたり神戸市児童相談所で勤務した元同相談所長の児童福祉司日下知久さん(75)は「今でこそ虐待が問題化しているが、昔は社会認識も低かった」と振り返る。行政高齢化問題への関心が高い半面、児童虐待に対する姿勢は鈍りがちだったといい、「結局そのあおりを受け、児相人手不足になった」という。

 大阪市のように、最近では虐待対応する専門職員の増員に動く自治体も出てきている。だが、日下さんは「職員数を増やすにも限りがあるし、増やすだけでは解決にはならない」と指摘する。

  児童福祉司らは、家庭訪問など日々の担当業務だけで手一杯になりがちで、学校病院、周辺住民といった、虐待につながる兆候をキャッチしやすい施設との連携がなかなか取りづらいという。地方都市では、専門職の人数が少なく、採用が難しいケースもある。

 「児童福祉司らの情報は、点と点だけの関係に陥りがちだ」と日下さん。厚生労働省は、児相の権限について「強い権限でもあり、現行制度児相以外に移譲するのは不可能だ」としているが、日下さんは「虐待防止には、地域社会の協力が不可欠。点と面との関係になるためには、児相が持つ一部権限の民間移譲を可能にするなどして、弾力的な運用を図るべきだ」と提言している。

(「産経ニュース」 2010.7.8 13:32)

日々深刻化していく児童虐待と言うところでしょうか。児童虐待対応児童相談所などの行政機関が行っていますが、すでに虐待問題に対しては行政対応だけでは解決がつかない。そんなところまで来ているようです。いや、むしろ児童虐待などはそもそも行政対応する問題なのか?という疑問を持ったほうがいいのかもしれません。

このブログでも、児童虐待の問題を取り上げてきましたが、児童虐待が急増してきたのも80年代後半以降に進行してきた貧困化とコミュニティの崩壊によってもたらされてきた側面がありますね。特に児童虐待の頻発は、コミュニティの崩壊が大きいですね。昔なら、親が子ども折檻しておれば親族であるなしに関わらず、親にストップをかける人はいたはずですが、今はそんな「お節介」も「何の権利で人の家のことに首を突っ込むのか」という風潮がつよくなってきているように感じます。「福祉のことはお上行政児童相談所)に・・・」という意識地域住民にあることは昔から指摘されてきたことですが、児童虐待の問題もお上に任せで来たようなところがありますね。その点では上記記事で「虐待防止には、地域社会の協力が不可欠。・・・・」という専門家の指摘を紹介していることは特筆すべきことですね。児童虐待問題について児童相談所等の行政機関にできることは限られており、逆に地域社会の住民が「福祉はお上がやること」という意識を変えることで児童虐待の数は劇的に減らせることができるのではないかと考えます。つまり、児童虐待が起こり子どもがなくなったとき、児童相談所対応を問題にするよりはその地域社会アノミー性ないしお互いに隣人に対する無関心さを問題にするべきではないかということです。

崩壊したコミュニティの再建は一朝一夕に達成されるものではありませんが、「急がば回れ」という地道な取り組みこそが今求められているように思います。少なくとも俄仕込みに児童相談所の職員増員を図っても、地域社会に無関心と個々バラバラに孤立している状況では児童虐待に解決の兆しは見えないでしょう。

虐待加害者の多くは、実の父母 ― まさに「子どもは檻の中のウサギ」ですね。「檻」という閉鎖空間を打ちやぶらなくてはなりません。その「檻」を破れるものは「お節介」であり、「檻」に接近しようとしない態度は「無関心」なのでしょう。

Maa-chanMaa-chan 2010/07/21 00:20  全国児童相談所長会議の調査でも,ほぼ同じ結果が出ていますね。(厚生労働省のホームページで確認できると思います)

 虐待というと,「継父・養父‐実母」家庭がハイリスク家庭としてピックアップされますが,まさに統計のとおりなんですよね。ちなみに継父・養父が虐待者であるケースは7〜8%です。日本の世帯構成別の割合から見れば非常に高い割合ですので,ハイリスクであることは当然認識しなければなりません。

 実父母が虐待者である場合,やはり地域から何らかの理由で孤立してしまっていることが多いと思います。実父母が人付き合いがへたくそ(もちろん単純にへたくそなのではなく,疾患等も多々あることは言うまでもないことですが)であることも,孤立化の要因だと思います。

 こうした家庭にかかわっていけるのは,私たちソーシャルワークの専門職だけではなく,地域の方のご協力が欠かせないと思います。

 虐待のケース対応を話し合う場として,要保護児童地域対策協議会があります。個人情報保護の「枠」が外れることを生かし,地域の方にも参加していただき,いっしょに考えていくということも大切になのだと思っています。

 児童相談所の職員増員が望ましい以上,それに向けた努力はお願いしたいと思いつつ,虐待対応における地域の役割について,現場発信の研究が必要ですね。

uncorrelateduncorrelated 2010/07/21 00:48 法務省で児童虐待に関して、親権についても議論をしているみたいですね。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji191.html

遥香遥香 2010/07/21 21:43 <Maa-chanさん。
コメントありがとうございました。

スクールソーシャルワーカーにとって、児童虐待は日常的に直面する課題ですね。
児童虐待においては、ケースワーク的対応よりコミュニティワークにより地域の福祉力を高めることを優先する必要があるのでは、と最近常々考えています。
地域住民の力を活かす働きを期待しています。

<uncorrelatedさん

法務省の「児童虐待防止のための親権制度研究会報告書」のご紹介ありがとうございました。

「親は子に愛情を注ぎ、子は親を慕う」 これが日本的家族(親子)関係の在り方だったはずですが、最近の児童虐待の急増などこのような家族(親子)関係の理念の危機を感じさせますね。親権の喪失などを本格的に議論しなければならなくなったのも、家族(親子)関係の大きな変化が起こっていると考えるべきなのかもしれません。日本的家族(親子)関係が危機に直面していますが、ここからどう新しい家族(親子)関係を再構築していくのかという課題を背負っているようにも思えます。親権の問題はそのほんの一部の議論なのではないかと考えた次第です。