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遥香の日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-05-09

孤立死する高齢者「年間1万5千人超」- ニッセイ基礎研究所が推計

03:34 | 孤立死する高齢者「年間1万5千人超」- ニッセイ基礎研究所が推計 を含むブックマーク 孤立死する高齢者「年間1万5千人超」- ニッセイ基礎研究所が推計 のブックマークコメント

 65歳以上の高齢者で、誰にもみとられずに死んでいく人は年間1万5000人を超える−。ニッセイ基礎研究所はこのほど、孤立死する高齢者の年間推計数をまとめた。推計によると、孤立死を「死後4日以上経過して発見された人」と定めた場合、その数は1万5600人を超える可能性があるという。また、孤立死した事例の中には、生前に「セルフ・ネグレクト」(自己放任)状態にあったと考えられる人が約8割含まれていたことも明らかになった。

 同研究所では、誰にもみとられず、自宅で死亡する高齢者の増加が問題視される一方、「全国で実際どのくらいの人が孤立死しているのか、その数字すら明らかになっていない」(井上智研究員)点に注目。孤立死について、虐待孤立などの専門家を集めた委員会での議論を経て、「自宅にて死亡し、死後発見までに一定期間経過している人」と定義した上で、「東京都23 区における孤独死の発生数」(東京都監察医務院、2009年時点)と「人口動態統計」(厚生労働省2010年版)を用い、東京23 区における性・年齢階級別の高齢者孤立死の発生確率を算出した。さらに、その発生確率と全国市区町村の性・年齢階級別死亡数を基に、65歳以上の孤立死数の推計数を市区町村ごとに導き出し、合算した。

 推計の結果、孤立死を「死後4日以上経過して発見された人」と定めた場合、その数は1万5603人(男性は1万622人、女性は4981人)となった。さらに、発見されるタイミングを「死後2日以上」と区切って推計した場合、その数は2万6821人(男性は1万6616人、女性は1万204人)に達した。発見されるタイミングを「死後8日以上」と設定した場合は、8604人(男性6311人、女性2293人)だった。

 廣渡健司主任研究員は、「今回示した数字東京都の発生確率を基に推計した数字だが、各自治体高齢者孤立死の実態を把握し、対策を練る上での参考値にはなる」と話している。

孤立死の8割がセルフ・ネグレクト状態

 また同研究所では、各自治体地域包括支援センター生活保護課が把握している孤立死と思われる1068件の事例の情報を収集。このうち、「自宅にて死亡し、死後発見までに一定期間経過している人」という定義に合致する765件について分析した。その結果、「セルフ・ネグレクト」(飲食や最低限の衛生状態の保持、金銭の管理などをやろうとしないか、する能力がないため、安全や健康がおびやかされる状態)に該当していた人は約8割(609件)に達した。調査・分析を担当した山梨恵子研究員は「セルフ・ネグレクト孤立死に至るリスクを負った状態であるといえる。こうした状況に対応するためにも、セルフ・ネグレクト高齢者虐待防止法上で虐待と位置付けるなどの対応が必要なのではないか」と話している。

2011年05月06日 11:35 キャリアブレイン )

ニッセイ基礎研究所「平成22 年度老人保健健康増進等事業 セルフ・ネグレクトと孤立死に関する実態把握と地域支援のあり方に関する調査研究報告書」2011 年

 「報告書」における重要概念は「孤立死」と「セルフネグレクト」です。ここでは統計的な分析のコメントはせず、この二つの概念について考えることころを記します

 「孤立死」と「孤独死」の概念は混同して使う傾向がありますが、この「調査報告書」では「孤立死」(「孤立(isolation)とは、家族コミュニティとほとんど接触がないという客観的な状態とされている」)を採用しています。そして「死後の経過期間が『2日以上(上位推計)』『4日以上(中位推計)』『8日以上(下位推計)』という3段階の幅を用いて『孤立死』を操作的に定義」しています

 また、セルフネグレクトは「高齢者が通常一人の人として、生活において当然行うべき行為を行わない、あるいは行う能力がないことから自己の心身の安全や健康が脅かされる状態に陥ること」、さらには「認知症等のような疾患から適切な判断力や意欲が低下しているために自己放任のような状態になっている場合(無意図的)と、判断力や認知力が低下していないが本人の自由意志によって自己放任になっている状態(意図的)を含む」としています。より具体的には「極端な住居の不衛生」「極端な個人の不衛生」「医療サービスの拒否」「必要なケアや注意の怠慢」「近隣・地域から孤立」「不十分な金銭管理」等があげられています

 高齢者が人知れず亡くなり数日経過して発見されるというのは何とも寂しさを感じさせることですが、これを完璧になくすというのも難しいことですね。極端に言えば、独り暮らしであれば病院か施設で亡くならない限り、自宅で「4日以内」に発見されるというのは難しいような気もします芸能人のような普段人との交流が多い人でも孤立死されているわけですから、「遠くの親しい友人、家族より近くの他人」、すなわち近隣との交流孤立死防止には有効なのかもしれません。今後、孤立死防止のため様々な対策が立てられそうですが、その中には一人暮らしあるいは高齢者世帯プライバシーを制限するようなものもできてくるかもしれません。高齢者としてはプライバシーを制限されてまで孤立死を避けたいと思うかどうかですね。高齢者の主体的な自己決定―自分の家で死ぬまで暮らしたいなど―はセルフネグレクトと決めつけないように留意を要すると思います。「孤立死防止」と「プライバシー保護」ないし「高齢者自己決定」のバランスをどうとるかが課題になりそうです。

 「セルフネグレクト」については、「報告書」は路上生活者定義から外しています。「セルフネグレクト」については具体的には家を不衛生な状態にしておくことや、必要であるにもかかわらず介護サービス医療を受けないことが想定されますが、それらの中には介護サービス医療を受けることで今の自分の状態よりよくなることがイメージできていない故にサービスを拒否する事例が大半ではないかと思います。つまり、一見「本人の自由意志によって自己放任になっている状態(意図的)」というのも、働きかけ方によっては本人の自由意思によって介護サービスを利用したり、何らかの助けをもとめるようになるのではないかと考えられます。そうであれば、セルフネグレクトは「自己の生活問題を自己自身で抱え込み、家族、近隣や行政などに救済を求めない状態」というところに本質があり、路上生活者もセルフネグレクトの範囲に含めるべきであるように思えます高齢者に限らずセルフネグレクトに陥るには、社会に対する不信感や行き過ぎた自己責任論が背後にあるのではないでしょうか。